CDPとCRMの違いを理解する

顧客体験は、ほぼすべての業界において競争力のある戦略となっています。消費者や企業のバイヤーは、革新的なサービスやパーソナライズされた体験を期待しており、企業は顧客データを利用することで、その期待に応えることができます。

しかし、Harvard Business Reviewの調査によると、顧客データの全体像を把握していると回答した経営陣はわずか15%に過ぎず、効果的なデジタル体験を構築することは困難な状況です。一般的な課題は、セールス、マーケティング、カスタマーサービス、製品といった部門ごとに、情報が分散して保存されている(データのサイロ化)ことにあります。

幸いなことに、顧客関係管理(CRM)ソフトウェアや顧客データプラットフォーム(CDP)などの製品を利用することで、顧客データを一ヶ所に集めて統合し、自社のさまざまな部門が利用できるようにできます。多くの意思決定者にとっての問題は、CRMとCDPのどちらに投資するかということです。

しかし、それは適切な疑問ではないかもしれません。CRMとCDPは、それぞれ種類の異なる顧客データを収集し、管理できます。しかし、両方を活用することで、企業は他社にはない競争力のある顧客体験を提供することが可能になります。

ここでは、CDPとCRMについて、これから始めようとする方にも、顧客データ管理に関する知識を深めようとする方にも、必要となる次のような知識を学ぶことができます。

CDPとは何か?

顧客データプラットフォーム(CDP)とは、CRMを含む複数の情報源からデータを収集し、一元化された顧客データベースを構築するソフトウェアです。 CDPでは、ローデータを取り込み、さまざまな顧客接点をまたいで、単一の包括的な顧客像を構築できます。このクリーンで構造化されたデータには、それを必要とするあらゆる部門がアクセスできます。

経営陣、マーケティング部門、製品部門は、CDPのデータを最も有効に活用することができます。マーケティング部門は、ターゲットを絞ったマーケティング施策のためのペルソナを構築できます。経営陣は、顧客の大きなトレンドと行動パターンにもとづいて高度な戦略を策定データソース: することができます。製品設計部門は、webサイトのどの要素が最も人気があるのかを特定し、何を強調し、どこにCTAを配置するかといったことを判断できます。

CRMとは何か?

顧客関係管理(CRM)ソフトウェアは、個々の既存顧客や潜在顧客とのやり取り(インタラクション)を管理し、関係を構築、育成するために使用される技術です。 連絡先やインタラクションを一元管理することで、単一の場所からあらゆる顧客データに容易にアクセスできるようになります。

あらゆる事業部門がCRMの恩恵を受けることができますが、セールス、マーケティング、カスタマーサービスがこのソフトウェアを最も多用します。CRMは、セールス部門がリードの追跡と育成をおこない、マーケターがターゲットを絞ったマーケティング施策を実施し、カスタマーサポート部門がパーソナライズされたカスタマーサービスを提供するために役立ちます。

CDPとCRMの違いは何か?

CDPとCRMの主な違いは、CDPは、企業と顧客やプラットフォームとの あらゆる インタラクションを全体的に把握するのに対し、CRMは、特定のアカウントと企業とのインタラクションを記録することにあります。

CDPは、顧客 行動 全体を追跡し、オーディエンスやオーディエンスセグメントが企業とどのように関わっているかを明らかにし、カスタマージャーニーの全体像を提供します。CDPでは、デスクトップPC、モバイルデバイス、CRMなど、さまざまな顧客接点に組み込まれた統合機能とコードスニペットを利用して、顧客の行動データを自動的に収集、整理、統合できます。

一方、CRMでは、顧客と企業との一対一の取引において情報を手作業で収集し、個々の顧客 インタラクション を管理します。CRMデータは、顧客の名前、連絡先、過去の企業とのインタラクションなど、顧客の固有の情報を明らかにするため、非常に具体的です。

CDPデータと比較すると、CRMデータは一対一のインタラクションだけを記録しているため、限りがあります。CDPデータは一般的な戦略を決定するために利用できますが、CRMデータは、特定のシナリオを記録または検討する必要がある場合にのみ利用できます。

CDPのデータ管理方法

CDPはAPIやコードを利用して、さまざまなデバイスや顧客接点からデータを自動的に収集するため、多種多様な顧客データを収集します。

データのほとんどは1stパーティデータとして分類されます。1stパーティデータは、フォーム入力、Cookie、その他のデジタルエンゲージメントを通じて顧客から直接提供されるため、顧客が自分で管理することができます。

しかし、CDPのデータには、3rdパーティデータ(外部プロバイダーが収集した情報)も含まれています。つまり、消費者と直接の接点がないデータです。3rdパーティデータは、購入されたり、不当に入手されたり、同意なしに収集されたりした可能性があり、そのようなデータには関わるべきではありません。

CDPデータは、複数の情報源から収集されるため、収集中に利用することはできません。CDPは、データを収集した後、顧客データ統合(またはID解決)と呼ばれる処理を実施し、データのクリーニングと結合をおこないます。「クリーン」なデータは一元化されたデータベースに保存され、企業のターゲットオーディエンスの行動分析に利用できる単一の顧客の全体像に変換されます。

CDPの自動データ収集能力により、長期間継続して、情報をデータベースに保存することができます。これにより、時間をかけてより詳細な顧客プロファイルを構築し、より戦略的な施策を展開することができます。

CRMのデータ管理方法

CRMは、企業と顧客のあらゆるインタラクションに関する詳細情報を保存する一元化された記録保管庫です。CRMには、セールス、マーケティング、カスタマーサービスなど、顧客と接する部門が頻繁にアクセスして管理します。インタラクションが発生するたびに情報を手作業で入力しますが、インタラクションはそれぞれ異なるため、データを標準化することは困難です。そのため、CRMがデータを管理および保管します。

従業員はCRMを使用して、顧客に関するあらゆる必要な情報にアクセスし、商談やカスタマーサポートを提供する際に、パーソナライズすることができます。

CDPとCRMのどちらが適しているか?

自社や部門の具体的なニーズに対応するのであれば、CDPとCRMのどちらが求めているソリューションであるかは一目瞭然です。しかし、オーディエンス全般により優れたUXを提供する方法や、市場での競争力を高める方法を模索しているのであれば、両方に投資することを検討しましょう。

多くの企業では、顧客情報を管理して、パーソナライズされたサービスを提供し、顧客との関係を強化するためにCRMを導入しています。しかし、長い目で見れば、多くの企業にとって、CRMだけでは限られたインサイトしか提供されないため、十分ではないことに気づくでしょう。ターゲットとする顧客や顧客セグメントを全体的に把握したいのであればCDPが必要になります。

CDPでは、自動的にさまざまな情報源からデータを収集できるため、顧客がどのように行動し、企業とやり取りしているのか、より幅広く把握することができます。より広範なインサイトが必要な場合、または大局的なデータトレンドに対応する準備が整った場合にはCDPを使用します。

CDPを導入する

データを利用して、顧客体験を改善する場合、まず顧客に関する目標を設定し、成功を測定するために必要な指標を決定することから始めます。

CDPを導入する準備が整ったら、現在のテクノロジースタックを確認して、効率的な運用に必要な能力を備えているかどうかを確認します。製品の設計であっても、マーケティング施策の構築であっても、Adobe Real-Time Customer Data Platformなら、複数のプロジェクト機能をサポートし、組織全体の作業を調整することで、施策、プロジェクト、リソースに関するインサイトをリアルタイムに獲得できます。

Adobe Real-Time CDPがどのように役立つのか、動画でご確認ください。