動的なwebページ
動的なwebページとは、訪問者のリクエストに応じてコンテンツを組み立てることです。通常は、それぞれの訪問者に合わせて、特定のコンテンツやデータを統合します。
ポイント
顧客はweb体験に、ネイティブのモバイルアプリと同等のすばやい動作と豊富なインタラクションを求めています。そのため、動的なwebサイトのニーズがますます高まっています。
企業にとっての大きな課題は、動的な顧客体験のニーズに合わせてコンテンツ管理を拡張しながら、特定のコンテンツが様々なコンテクストでどのように表示されるかを常に管理することです。
動的なwebページに関する様々な疑問に、Gabriel Waltが回答します。Gabrielは、Web Experience Managementを担当するアドビのプロダクトマネージャーです。Adobe Experience Manager Sitesの開発者向けサポートを担当し、webサイト制作プロセスの簡素化と近代化に注力しています。
もくじ
- 動的なwebページはどのような仕組みですか?
- 動的なwebページにはどのような価値がありますか?
- 動的なwebページを採用しない企業があるのはなぜですか?
- 動的なwebページを作成する際に陥りやすい失敗にはどのようなものがありますか?
- 動的なwebページは、どのように進化してきたのでしょうか?
動的なwebページはどのような仕組みですか?
webページコンテンツの動的レンダリングは、これまでサーバーによって実行されていました。しかし、最新のwebブラウザーは機能が進化しているので、この組み立てをブラウザーにオフロードすることで大きなメリットが得られます。具体的には、サーバーの負荷が軽減され、迅速なユーザーインタラクションが可能になります。
動的なwebページを利用すれば、単純なウェルカムメッセージのパーソナライズや訪問者の客層に合わせたヒーローバナーのターゲティングから、エクスペリエンス全体の高度なインタラクティブ化に至るまで、様々な機能を実現できます。通常、動的なwebページを利用した高度にインタラクティブなフォームは、webアプリケーションまたはシングルページアプリケーション(SPA)と呼ばれます。
近年、ReactやAngular、Vueなど、数多くのJavaScriptフレームワークが登場し、webアプリを構築するタスクが簡素化されました。多くの場合、アプリケーションはJSON形式のRawコンテンツのみを扱い、フレームワークはブラウザー内でHTMLを組み立てて訪問者に表示します。
動的なwebページの種類は多様なため、常に状況に適したアーキテクチャを選択できるよう、あらゆる動的なwebページをサポートできるバックエンドソリューションを選択することが重要です。
動的なwebページにはどのような価値がありますか?
顧客体験管理の観点からは、あらゆる訪問者に同じコンテンツを提供する静的なwebページとは対照的に、動的なwebページでは、それぞれの訪問者に合わせて顧客体験を調整できるため、興味を引くページを制作できます。
ネイティブのモバイルアプリが普及し、これが顧客の期待レベルの基準となっているため、web体験にも同レベルのパーソナライゼーションと豊富なインタラクティブ機能が求められています。
動的なwebページを利用することで、訪問者や顧客は、より的確なメッセージ受け取り、スムーズかつ高速なやり取りが可能になります。これにより、利用者がより親しみを感じ、やり取りが促進されることで、コンバージョン率の向上につながります。顧客との関わりが深まるにつれ、顧客についてより多くの情報を得られるようになり、その結果さらに顧客の期待に応える体験を創出できるという好循環が起こります。
動的なwebページを採用しない企業があるのはなぜですか?
動的なwebページの普及は、様々なレベルの企業においてパラダイムシフトを引き起こします。
第1に、動的なwebページの開発は様々なスキルを必要とする複雑なプロセスです。フロントエンドに関する高い専門知識を持つ開発チーム、つまりJavaScriptフレームワークの経験が求められます。バックエンドの専門知識も依然として必要ですが、フロントエンドと同レベルではある必要はありません。バックエンドの開発者のタスクは、適切なJSONコンテンツサービスをフロントエンドに提供することに主軸が置かれます。
第2に、サイトがよりパーソナライズされ動的になると、より多くのコンテンツを制作しなければならなくなり、コンテンツを表示する際のコンテクストの主旨を維持するのがより困難になります。大量にコンテンツを制作し、大規模に管理できる組織でなければ、これらの取り組みは無意味になる可能性があります。はじめにコンテンツマーケティング戦略を策定する必要があります。
最後に、最適な使用環境を開発チームが実装し、制作者が大規模かつ柔軟に管理できるよう、この取り組みをサポートする適切なソリューションが必要となります。
しかし、企業が競争力を維持するためには、これらの変化を避けて通ることはできません。webサイトがモバイルアプリのようなインタラクティブ機能やパーソナライゼーションを必要としない理由がないからこそ、本格的なwebアプリを構築することを考えましょう。
動的なwebページを作成する際に陥りやすい失敗にはどのようなものがありますか?
多くのプロジェクトでは、オーサリング機能を犠牲にして最新のwebアプリの実装のみに注力します。その結果、制作者はヘッドレスコンテンツ管理システム(ヘッドレスCMS)を利用し続けることになります。ヘッドレスCMSでは、コンテンツがどこに表示されるかもわかっていても、様々なコンテクストでコンテンツをどのように表示するかを制御することはできません。そのため、皮肉なことに、webアプリの当初の目的がより優れた顧客体験の提供であったにもかかわらず、制作者は顧客体験全体を管理できない、フォームベースのコンテンツ管理インターフェイスに後戻りすることになります。
通常、この問題は軽視され、さらには利点として捉えられている場合もあります。これは、制作者が表示方法やコンテクストではなくコンテンツにのみ集中できる、気の散らないインターフェイスの方が効率的に作業できるという考え方によるものです。これにより、コンテンツのパーソナライゼーションを求めるニーズの高まりに制作者が対応できることは事実ですが、全体像をつかむことはできません。制作者が、コンテンツがどのように組み立てられ、どのように使用されるのかを制御できなければ、純粋なコンテンツ管理以外の変更は開発チームに頼まなければならなくなります。コンテンツの組み立て方法に変更が必要になると、開発チームがボトルネックとなり、迅速な対応が困難になります。この問題は、コンテンツが複数の言語やマーケットに拡張され、開発チームが他のプロジェクトや優先事項に取りかかった際に発覚することがよくあります。
この問題を防ぐには、制作者が開発者のサポートなしに訪問者の使用環境のコンテクストに合わせてコンテンツの組み立てを調整できるように、サイトを実装する開発者に命じる必要があります。
動的なwebページは、どのように進化してきたのでしょうか?
webページはますます動的になっています。静的なwebページから始まり、今ではwebアプリの時代となっています。この流れの中で、制作者はこれらの動的なコンテクストに対応するコンテンツの管理に苦慮し、コンテンツの表示方法を制御できなくなりました。進化は続き、マーケターは大量のコンテンツを作成、管理できる強力なツールと、静的なwebページと同じコンテクスト内編集機能という両方のメリットを活用できるようになりました。今後は、動的なwebページを採用して制作者がヘッドレスなブラックボックスに陥るか、制作者がコンテンツのビジュアルとプレビューを制御できる静的なwebページを採用するかを選択する必要がなくなります。
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