インバウンドマーケティングとは? 概要、利点、導入方法を解説
インバウンドマーケティングなら、質の高いリードに効果的な方法でリーチし、長期にわたって信頼関係を構築できます。この記事では、インバウンドマーケティングの概要、利点、導入方法を解説します。
主な内容:
インバウンドマーケティングとは
インバウンドマーケティングは、新規顧客を獲得し、案件確度の高いリードを育成するための戦術です。インバウンドマーケティング活動では、ターゲットオーディエンスが自分で見つけることができる形で情報を提示します。
つまり、インバウンドマーケティングの成否は、制作するコンテンツの出来で決まります。優れたコンテンツを制作できれば、それを活用してブランド認知度を高め、信頼を築き、リード創出を促進することができます。
インバウンドマーケティングの重要な手段のひとつが検索エンジン最適化(SEO)です。顧客が調べている疑問の検索結果の上位に自社のコンテンツが表示されるように調整できれば、コンテンツマーケティング戦略に従って有益な情報を顧客に提供できます。こうしたコンテンツには、ブログ記事やwebページのほか、ランディングページのアセットなどがあります。
また、もうひとつの手段としてはソーシャルメディアが挙げられます。ソーシャルメディアでは、ブランドが顧客と容易に関わりを持ち、その場で交わされている会話に参加することができます。また、ソーシャルメディアに投稿すると、ブランド認知度が時間と共に高まります。特に、他のデジタルマーケティングコンテンツ戦略と併用した場合に大きな威力を発揮するので、インバウンド戦略の要となります。
インバウンドマーケティング戦略については、この記事の後半で詳しく説明します。
インバウンドマーケティングの鍵は、カスタマージャーニーの発見フェーズにいる顧客が容易に見つけられる、質の高いコンテンツを作成できるかどうかです。コンテンツの例としては、ウェビナー、ホワイトペーパー、ポッドキャスト、顧客のユーザー事例などが挙げられます。このようなコンテンツに対する顧客の反応や、コンテンツが再訪問者とMarketing Qualified Lead(MQL)の増加に実際に寄与したかどうかを、分析データで確認することが重要です。
インバウンドマーケティングの仕組み
インバウンドマーケティングとは、潜在顧客のニーズに即してカスタマイズされたコンテンツを提供し、惹きつけるための手法です。
着眼点としては、次のようなものが挙げられます。
- 顧客はどのような質問をしているのか?
- 顧客が抱えている課題は何か?
- どのような利点があれば顧客は喜ぶのか?
優れたコンテンツマーケターなら、営業部門やサポート部門と協力して、これらに焦点を当てた資料を作成できます。
以下は、インバウンドマーケティングのコンテンツの例です。
- 検索エンジン最適化を実施したブログ記事
- 特定の課題を解決するユーザー事例
- 動画コンテンツ(自社ホスティングまたはYouTubeを利用)
- ソーシャルメディア投稿(ランディングページや、既存のブログ記事、ウェビナーの録画、動画コンテンツなどに訪問者を誘導)
インバウンドマーケティングの主な目的は、質の高いコンテンツを提供することで顧客を引き寄せ、長期的な関係と信頼を築くことです。
次に、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングを活用して複数の顧客接点を生み出す方法を説明します。多様な顧客接点があることで、購入者のジャーニー全体を通してブランド認知度とコンバージョン率を向上させることができます。
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの連携
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングを統合することで、両アプローチの強みを活かした強力な戦略が生まれます。その結果、より広範なオーディエンスにリーチし、エンゲージメントを高め、コンバージョンを促進することができるようになります。
アウトバウンドマーケティングの効果は、初期段階での認知の促進です。有料広告や従来のマーケティングなどが含まれます。一方、インバウンドマーケティングの効果は、価値あるコンテンツやパーソナライズされたコミュニケーションを通じた、見込み顧客の育成です。
両方の手法を組み合わせることで、ブランド認知度や、オーディエンスのターゲティングの精度が向上します。また、データに基づいたインサイトにより、パフォーマンスも最適化されます。その結果、リーチとコンバージョンを最大化できる、バランスの取れたアプローチが実現します。
B2Bの分野では、ラジオ広告、コールドコール、LinkedInの投稿など、アウトバウンドマーケティング活動がきっかけとなって、インバウンドマーケティングの成功につながるケースが多く見られます。つまり、見込み顧客がソリューションを探す場合は、既にエンゲージしたことがあるブランドを頼る傾向が高いと言えます。
インバウンドマーケティング戦略
コンテンツと検索エンジン最適化(SEO)
インバウンドマーケティングの要は、見つけやすさ、つまり、検索エンジン最適化(SEO)にあります。自社のコンテンツがどれだけ価値のあるものであったとしても、最適化されていなければ、オーディエンスに届けることはできません。SEOを活用して、サイトへのオーガニックトラフィックを促進し、商談確度の高いリードがコンテンツを見つけられるようにする必要があります。
また、長く詳細な記事ばかりがよいコンテンツであるとは限りません。質の高いコンテンツには、様々な形態が考えられます。インフォグラフィックなコンテンツなら、視覚的な要素でリードにアピールできます。また、ポッドキャストのエピソードに説得力があれば、信頼できる情報源としての地位を確立することができます。もちろん、SEOを目的に作成されたコンテンツは、メール施策やソーシャルメディアマーケティングで共有したり、Google広告のサイトリンクとしても十分に活用することが可能です。
ターゲットオーディエンスの把握
最も避けなければならないのは、オーディエンスをろくに把握せずにコンテンツを作成してしまうことです。購入者ペルソナをよく理解したうえで、カスタマージャーニーをマッピングできれば、メッセージをパーソナライズして、よりよい顧客体験を提供可能です。その結果、コンバージョン率が向上します。オーディエンスの中でも最も価値あるセグメントをターゲットにしたコンテンツを優先するには、戦略的なアプローチを取る必要があります。
ツールとテクノロジーの活用
企業は、インバウンドマーケティング指標に関連するデータを収集し、分析する方法を必要としています。適切なツールを活用すれば、あらゆるチャネルをまたいで、顧客が誰で、どのようにエンゲージしているのかを追跡できます。続いて、それらの情報をつなぎ合わせて、カスタマージャーニーの各顧客接点の効果を測定します。マーケティングオートメーション(MA)は、複数のチャネルやプラットフォームを追跡し、スケジュールを遵守しながら成果を上げるための、優れたツールです。
マーケティング部門と営業部門の連携
マーケティング部門と営業部門の施策を連携させることは、困難に思えるかもしれません。しかし、顧客を惹きつけるインバウンドマーケティングコンテンツを把握することは、営業部門がカスタマージャーニーを通じて顧客を導くのに役立つため、両部門が緊密に連携することが重要です。
チャネルとプラットフォームの維持
いくら手間暇をかけて魅力的で有用なコンテンツを作成したとしても、肝心のカスタマージャーニーが断片的になってしまっているとすれば、意味がありません。CTAやハイパーリンクが正しく動作しているかをテストし、検索エンジンの結果ページでコンテンツが思い通りに表示されているか確認しましょう。
また、ソーシャルメディアのコンテンツから自社webサイトへの誘導などをうまく行い、顧客がチャネルをまたいでシームレスに移動できるようにしましょう。さらに、自社ブランドを検索したときに、競合他社の広告が流れてきたりしないか、注意深く監視することも重要です。
アウトバウンドマーケティング施策との統合
インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングは、どちらかひとつを選択しなければならない、というものではありません。オーディエンスが多くの時間を過ごす場所を把握し、オンラインとオフラインの両方で様々な顧客接点の機会を創出することに注力しましょう。
インバウンドマーケティングの利点
インバウンドマーケティングは、企業と顧客の両方に様々なメリットをもたらします。調査によると、成功を収めているマーケターは、セールスやプロモーションを目的としたメッセージよりも、オーディエンスのニーズを第一に考えてコンテンツを制作していることが明らかになっています。
インバウンドマーケティングには、以下のような特長があり、自社にとってどのような戦略が最適かを判断するのに非常に役立ちます。
- インバウンドマーケティングは、電話勧誘などのように相手に過度の圧力をかけることはありません。 見込み顧客は、自分の好きなタイミングでブログを読んだりウェビナーに参加したりできます。
- インバウンドマーケティングのコンテンツは、単なる宣伝ではなく、顧客にとって有益な情報や知見を多く含んでいます。 しかも、セールスファネルの各段階に特化して設計されており、徐々に知識を深められるようになっています。
- インバウンドマーケティングは定量化が可能です。 特定の数値データを継続的に追跡および分析して指標を作成し、自社の戦略の各部分と結びつけて、戦略の効果を測定できます。
Webサイトやコンテンツの更新は継続的に行われます。つまり、インバウンドマーケティングの活用が、継続的なリード創出につながるのです。
インバウンドマーケティングの課題
インバウンドマーケティングには、次のような課題があります。
- 継続的なメンテナンス: 消費者の変わりゆくニーズに応えるため、コンテンツを常に更新する必要があります。
- 膨大な時間と労力: 顧客のアクションを促すための多種多様なコンテンツを開発してテストするには、多くの時間と労力が必要です。
- 全体的な戦略: 統合されたクロスチャネル施策を実施するには、相応のツールを購入する必要があります。
取り組む準備ができたら、自社のマーケティングツールを見直して、優れたインバウンドマーケティング施策を展開できるかどうかを確認しましょう。
Adobe Marketo Engageは、複雑なカスタマージャーニーに対応するアプリケーションとして、マーケティング部門と営業部門が一体となり、リードの育成、パーソナライズされた体験の構築、コンテンツの最適化、チャネル全体における成果測定に役立ちます。デマンドベースとアカウントベースのマーケティング戦略をネイティブにサポートし、リードの獲得からファン化に至るまで、単一の統合された基盤により、リードを管理できます。
Adobe Marketo Engageが大規模なマーケティングオートメーション(MA)とインバウンドマーケティングにどのように役立つのか、動画 および インタラクティブツアー をご覧ください。