モバイルアプリ開発
用語集:用語
クイック定義
モバイルアプリ開発とは、様々なモバイルデバイスで動作するアプリケーションを作成することです。
重要ポイント
● モバイルアプリケーション開発では、モバイルデバイス専用のアプリケーションを作成します。
● マーケターは、モバイルアプリケーションを利用して、コンテンツの管理、特別なオファーの共有、情報の発信、eコマースの促進、各種サービスの提供などをおこないます。
● アプリ開発の専門知識を有していないマーケターであっても、モダンなツールを利用して、ドラッグ&ドロップ操作でアプリを開発できます。
● あらゆる企業に、モバイルアプリが必要なわけではありません。モバイルアプリのようなweb体験の構築に専念することもできます。
● モバイルアプリ開発の最大の課題は、高速で優れた体験を実現することです。スピードは最も重要ですが、使いやすくて記憶に残る体験であることも必要です。
● 今日、開発者は、アプリが提供する期待感と双方向性を犠牲にすることなく、デスクトップとモバイルの両方のプラットフォームで使用できるPWA(プログレッシブwebアプリ)の採用を進めています。
モバイルアプリ開発に関する様々な疑問に、Haresh Kumarが回答します。Hareshは、経験豊富なB2Bマーケティングのリーダーであり、モバイルテクノロジーに情熱を持って取り組んでいます。アドビでは、モバイルおよびコネクテッドエクスペリエンスに関する戦略および製品マーケティング担当ディレクターとして、Adobe Experience Manager Mobileソリューションの責任者を務めています。モバイルのエバンジェリストとして、10年以上にわたりモバイルテクノロジーのイノベーションを推進しています。
モバイルアプリ開発とは何ですか
モバイルアプリの開発は難しいですか
モバイルアプリはどのように開発するのですか
モバイルアプリ開発を学ぶ最適な方法は何ですか
モバイルアプリの開発にはどのようなツールを使用するのですか
モバイルアプリはどのように最適化するのでしょうか
モバイルアプリはあらゆる企業にとって必要なものですか
モバイルアプリにはどのようなメリットがありますか
モバイルアプリ開発にはどのような課題がありますか
モバイルアプリ開発は今後、どのように進化していきますか
質問:モバイルアプリ開発とは何ですか?
回答: モバイルアプリ開発とは、様々なモバイルデバイスで動作するアプリケーションを作成することです。消費者が使用するOSの上位ふたつは、iOSとAndroidです。マーケターにとって、ブランドのモバイルアプリケーションは、コンテンツの管理、特別なオファーの共有、情報の発信、eコマースの促進、各種サービスの提供などをおこなう場所です。モバイルアプリケーションは、消費者とブランドを結びつけます。
質問:モバイルアプリの開発は難しいですか?
回答: モバイルアプリの開発は、実はとても簡単です。かつては、プロのアプリ開発者だけがモバイルアプリのデザインに必要な知識やツールを利用できましたが、今では、コーディングの専門知識がほとんどない人でも、実用的なアプリを作ることができます。アプリ作成向けのツールの多くは、一般のマーケターでも、コンテンツをドラッグ&ドロップするだけで、基本的なアプリを作成できるインターフェイスを提供しており、ソフトウェアの裏側の複雑なプログラミングにアクセスする必要はありません。しかし、高品質なアプリを提供するためには、プロの開発者により、アプリのユーザーエクスペリエンスと機能性をより高いレベルに引き上げるのが賢明です。
質問:モバイルアプリはどのように開発するのですか?
回答: モバイルアプリのデザインは、他のデバイスの画面向けのエクスペリエンスデザインと変わりません。異なるのは、ユーザーインターフェイスです。デスクトップの場合、あらゆる利用者がタッチスクリーンを使用しているわけではありません。しかし、モバイルデバイス用にデザインする場合、必要なのはタッチスクリーンエクスペリエンスのみです。同様に、デスクトップ環境では、カメラや位置情報はすぐには利用できない場合がありますが、モバイルデバイスではすぐに利用できます。
こうした微妙な違いはありますが、顧客体験に関して考慮するべきことは同じです。
1. オーディエンスについて検討します。利用者は誰でしょうか。
2. どのように利用されるのかを検討します。アプリの目標や目的は何でしょうか。
3. 利用者にとって、適切なコンテンツとはどのようなものかを検討します。
4. デザインについて検討します。カスタマージャーニーはどのように始まり、どのように終了し、どの段階で立ち止まる必要があるのでしょうか。モバイルアプリでは、出来る限りカスタマージャーニーを短く、使いやすいものにする必要があります。
5. スクリーンサイズや接続性といった、モバイルデバイスに特有の要素について検討します。利用者は、アプリが素早く動作し、簡単に使えることを望んでいます。視覚要素は、手のひらに収まるサイズの画面に最適化する必要があります。
質問:モバイルアプリ開発を学ぶ最適な方法は何ですか?
回答: コーディングの知識はなくても、アプリのアイデアがあるマーケター向けに、多くの講座やチュートリアルが用意されています。また、デザインのアイデアを形にするのに役立つツールも利用できます。例えば、Adobe Creative Cloudでは、あらかじめ用意されたテンプレートが提供されているので、マーケターは要素をカスタマイズしたり移動したりできます。このようなリソースは、スタートに最適です。
質問:モバイルアプリの開発にはどのようなツールを使用するのですか?
回答:Adobe XDのようなツールは、アプリデザインに最適なツールです。ムードボードを作成して、ビジュアルや画面遷移を確認できます。また、オープンソースのデザインを集めたライブラリもあるので、アプリのアイデアの出発点にすることができます。さらに、Microsoft、Apple、Googleなどがオンラインで無料で提供しているツールを使えば、デザインを動作するアプリに変換することができます。
質問:モバイルアプリはどのように最適化するのでしょうか?
回答: マーケターがモバイルアプリを最適化するにあたって留意するべきことは、大きく分けてふたつあります。ひとつ目は使いやすさです。アプリは容易に使え、楽しいものであるべきです。ふたつ目はアプリのコンテンツです。提供するコンテンツは利用者に適したものであり、デバイスをまたいで一貫性が保たれているべきです。
Adobe Experience Cloudには、Adobe TargetやAdobe Experience Managerなど、マーケターがアプリ体験を最適化し、パーソナライズするための製品があります。
質問:モバイルアプリはあらゆる企業にとって必要なものですか?
回答: この質問に対する答えが「イエス」だった時代もありました。しかし、現在は違います。あらゆる企業がモバイルアプリを持つ必要はありません。現在、利用者がダウンロードするアプリのトップは、YouTubeやNetflixのようなコンテンツポータルや、電子メールハブです。モバイルアプリはブランドにとって正解ではないかもしれませんが、モバイルユーザーにとって、アプリのような体験ができることは今でも非常に重要なことです。
アプリのような体験とは、高速で、モバイルデバイスで使いやすいということです。モバイルデバイスでコンテンツを利用している場合、タッチするたびにコンテンツはすばやく表示されます。また、モバイルデバイスの一般的なコンポーネントを利用できるため、モバイルアプリで位置情報を活用するようなことが可能です。
マーケターがwebサイトでアプリのような体験を提供するための新しいテクノロジーが登場しています。PWAはその一例です。このタイプのインターフェイスでは、アプリをダウンロードする必要はありません。その代わり、利用者はモバイルデバイスのお気に入りのブラウザーからコンテンツにアクセスします。マーケターは、PWAを利用することで、モバイルデバイスに合ったコンテンツを適切な形で配信して、アプリの機能のように感じさせることができます。同じ手法は、小売サイトを持つeコマースストアにも適用できます。マーケターは、Adobe Experience Managerを使用してwebプロパティを作成し、それをPWAに変換することで、モバイルでの利用を簡単に実現できます。
モバイルアプリを開発するべきか否かの判断に困る場合は、「ターゲットとなる消費者はアプリをダウンロードするだろうか?」「利用者はアプリストアからダウンロードするだろうか?」 といったことを検討すべきです。そして、それらを考慮した上で、OSのアップグレードや適切なコンテンツを制作するために必要となる時間とリソースを割くことができるかどうかを検討します。
質問:モバイルアプリにはどのようなメリットがありますか?
回答: 世界中のオーディエンスは、デスクトップよりもモバイルデバイスをより頻繁に利用しています。携帯電話の台数はコンピューターの台数よりも多く、世界のwebトラフィックの50%以上がモバイルを経由しています。web検索の大部分がモバイルデバイスからおこなわれています。マーケティングの観点からは、モバイルアプリの開発に投資し、アプリのようなweb体験を提供することで、カスタマージャーニーを向上させ、コンバージョンを高めることができます。
質問:モバイルアプリ開発にはどのような課題がありますか?
回答: マーケターは、モバイル顧客が何かの合間にモバイルデバイスを使用することを想定しています。たとえば、通勤中、TVのCM中、映画を観るために行列に並んでいるときなどです。そのようなとき、消費者は、情報を検索してすばやく手に入れようとします。
モバイルアプリ開発の最大の課題は、スピードと優れた体験を両立させることです。スピードは最も重要ですが、使いやすくて記憶に残る体験であることも必要です。
質問:モバイルアプリ開発は今後、どのように進化していきますか?
回答: かつて、業界では「アプリありき」の戦略が取られていました。しかし、マーケターやモバイルアプリ開発者は、スタートアップ企業が提供する無数のアプリが市場にあふれている中で、一貫した体験を提供し続けることはあまりにも難しく、コストもかかることにすぐに気が付きました。
現在、開発チームはマルチプラットフォームのアプローチに投資して、アプリが提供する期待感と双方向性を損なうことなく、デスクトップとモバイルの両方で使用できる体験を構築しています。そこで登場するのが、PWAです。webとモバイルの両方でスムーズに動作し、コスト効率も高くなります。
モバイルアプリ開発者は、接続を高速化し、アプリケーションをより豊かにするために、革新を続けていくでしょう。5Gが標準になると、利用者はモバイルデバイスをこれまでの10倍の速さでインターネットに接続できるようになります。これにより、リアルタイムのコンテンツアクセスが実現します。5Gのスピードでは、重いデータを扱うアプリケーションがより一般的になります。また、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)のプレゼンスが増し、モバイル市場に進出していくでしょう。
その数年後、6Gのスピードでは、開発者はさらに多くのことが実現可能になり、また、より高速で小型のデバイスが登場するでしょう。