プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)

A project management office (PMO) meeting in an office

自社にプロジェクトマネジメントオフィス(PMO)が必要かどうかわからない方もいるかもしれません。自問してみてください。自社組織は、多くの要素を調整する必要がある大規模なプロジェクトを扱う、大企業規模の組織でしょうか?業務は、標準化されたプロセス、効率性の向上、より優れたチームワーク、サポートと成功を測定するための指標の設定、より効果的な予算管理から恩恵を受けるでしょうか?

これらの質問に「はい」または「たぶん」と答えた方は、このブログをお読みください。よく組織されたPMOがどのように役立つかについて説明します。

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プロジェクトマネジメントオフィスとは?

プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)は通常、組織全体のプロセスを標準化し、効率性を向上させることを目的として、あらゆるプロジェクト管理活動を監督する社内部門です。この業務は外部グループに委託することも可能です。

PMOの歴史は1800年代に遡り、当初は農業産業を統括する国の機関として始まりました。その後、その職務は進化を遂げ、20世紀初頭から半ばにかけて「プロジェクトマネジメントオフィス」と呼ばれるようになり、管理する業務の範囲も拡大しました。

今日、PMOは、さまざまな業界や状況において、関係者、プロジェクト、プログラムなどに価値を提供しています。PMOは、企業や組織全体におけるプロジェクト管理の基準の設定と監視、ベストプラクティスのモニタリング、プロジェクトの進捗状況のモニタリングなど、さまざまな役割を担っています。

PMOが活用されている業界には、次のようなものがあります。

プロジェクトや管理手法にはさまざまな種類がありますが、次の普遍的な原則が適用されます。

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PMOの手法には、一般的に次の6つのタイプがあります。

PMOの設置方法やその組織との関わり方は、採用する手法によって異なります。しかし、厳しいスケジュールで真の価値を提供するには、PMOは一連のベストプラクティスを運用する必要があります。これには、プロジェクトのライフサイクルと完了基準の定義、スコープと要件の概要、チームの編成、品質管理プロセスの導入、プロジェクト計画の策定、是正措置の手順の決定などが含まれます。

PMO:目的とメリット

よく組織されたPMOは、組織とプロジェクトチームに、次のような大きな利益をもたらします。

継続的なサポート

PMOは組織のプロジェクト全体を把握しており、各プロジェクトの状況も把握しています。そのため、計画や管理など、プロジェクトのライフサイクル全体を通じて、経営陣をサポートするのに適役です。このサポートにより、正確性、コスト削減、全体的な標準化、品質保証などの領域を改善することができます。

PMOは、組織の官僚体質を改善し、必要に応じたトレーニング、コーチング、指導をおこなうことで、プロジェクトチームが本来の業務に専念できるようにします。

高い透明性

PMOは、その組織内での認知度により、プロジェクトの成果に対するリスクを評価するのに最適な立場にあり、この現実的な評価をもとに、関係者全員が合意した事実と目標を一致させることができます。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトのマイルストーン達成を妨げる課題やや障害について認識しているにもかかわらず、それを必要とする人々に情報を提供する手段や手順がないことがよくあります。

透明性と可視性を高めることで、状況と今後の課題について全員が同じ認識を共有することを保証し、感情や直感ではなく、既知の事実にもとづいて意思決定をおこなうことができます。プロジェクトを単一の記録システムで一元管理することで、関係者はビジネス活動の全体像を把握することができます。

有益な指標の追跡

PMOは、関連指標を綿密に追跡することで、チームのパフォーマンスを向上させることができます。指標は、事実にもとづくプロジェクトの選択と意思決定をサポートします。また、指標は経営陣がチームの能力を把握する手助けとなり、生産、サービス提供、製品開発のより優れた計画を立案することを可能にします。また、指標は品質の確保、コストの管理、重要な業界トレンドの特定にも役立ちます。

指標を導入することで、企業は、任意のプロジェクトの成功パラメータを決定でき、プロジェクトマネージャーは、チームの生産性や今後のリスクを含むプロジェクトの状況を追跡し、計画から逸脱した場合には必要な調整をおこなうことができます。

情報の文書化と標準化

PMOは、ベストプラクティスを構築するためのプロセスを文書化し標準化することで、知識を共有します。これにより、各プロジェクトチームは、それぞれ独自に方策を考案する必要がなくなり、PMOを、教訓、テンプレート、最善の作業方法などに関する情報源として活用することができます。

ウォーターフォール手法を採用すると、プロジェクトのあらゆる特徴、機能、タスクなどを事前に文書化することで、チームがプロジェクト目標を確実に達成することができます。プロジェクト要件は、コンセプト段階で把握すべきであり、「何をすべきか?」、「どのように作業をおこなうか?」、「パフォーマンスの基準は何か?」といった質問に答える必要があります。

サイロの打破

PMOは、企業内のサイロを打破する優れた方法を提供します。プロジェクトのメンバーは、組織内のさまざまな部門から集められることが多く、それぞれの優先事項や管理者が異なる場合もあります。プロジェクトを成功させるには、全員が同じ目標とビジョンを共有する必要があります。

PMOは、プロジェクトチーム内に調和の取れた部門横断的な協力関係を築くことで、コミュニケーション不足や非協力的なサイロによる分断を排除し、企業全体文化をより優れたものに変えることができます。

戦略的意思決定の指針

組織のリーダーは、PMOからのフィードバックにより、どのプロジェクトに投資を継続すべきかについて戦略的に決定できます。PMOは、組織の戦略目標に情報を提供できますが、組織は、PMOがより広範な企業の戦略目標と目的に注力できるように、その情報にもとづいて方向転換し、それをチームはプロジェクト計画に組み込む必要があります。

また、PMOはガバナンスの支援もおこない、正しい情報にもとづいて意思決定できるようにします。ガバナンスには、監査やピアレビューの実施、プロジェクト構造やプログラム構造の構築、あらゆるレベルでの説明責任の履行なども含まれます。

競争優位性の獲得

PMOは、プロジェクトチームがより効果的かつ戦略的に業務をおこなえるよう支援することで、より低コストの製品やサービスの提供、真に価値のある業務の実施支援、競合他社の製品やサービスとの差別化、競争優位性などをもたらすことができます。

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PMOの組織のタイプ

一般的に、PMO組織にはプロジェクトに対する統制と影響力の度合いに応じて、次の3つの基本的なタイプがあります。

プロジェクト管理の最適化

効果的に機能するPMOは、プロジェクト管理を次のレベルに引き上げます。ひとつのチームでベストプラクティスを特定し、確立することで、ほかのプロジェクトに取り組むチームが再現できる成果を得ることができます。機能的に運営されているPMOが一元管理することで、プロジェクト管理チームの活性化と組織化が事業全体で促進され、組織全体の業務運営と成功の測定方法に革命的な変化がもたらされます。