タグマネージャー
タグマネージャーとは、シンプルなユーザーインターフェイスを使用して、webサイトやモバイルアプリのタグをすばやく簡単に管理できるソフトウェアのことです。
ポイント
- タグとは、webサイトに配置されるJavaScriptコードのことです。
- タグマネージャーを利用することで、マーケターはwebサイトのソースコードを編集することなく、ユーザーインターフェイスからタグを管理できます。
- タグマネージャーは、web開発サイクルの短縮に役立ちます。開発者の負担が軽減し、開発者は他の重要な仕事に専念できるようになり、マーケターは、webサイトのデータをより適切に収集、整理、管理できるようになります。
タグマネージャーに関する様々な疑問に、Jon Virayが回答します。Jonは、アドビのシニアプロダクトマネージャーです。マーケターおよびそのマネージャーとしての10年のキャリアの中で、Go To Market戦略の策定や、魅力的な消費者体験の創出に取り組んできました。
もくじ
- 部門の垣根を越えて最高の価値を提案
- タグマネージャーとは何ですか?
- なぜタグマネージャーが重要なのですか?
- タグマネージャーのプラットフォームにはどのような製品がありますか?
- どのような企業がタグマネージャーを利用するべきですか?
- タグマネージャーはどのように機能しますか?
- なぜタグマネージャーがマーケティング戦略に重要なのですか?
- タグ管理は今後、どのように進化していきますか?
タグマネージャーとは何ですか?
タグとは、webサイトに配置されるJavaScriptコードのことで、コンテンツにラベルを付けて分類します。タグマネージャーは、タグ管理システムのことで、webページ上のJavaScriptコードの管理を容易にするソフトウェアの一種です。マーケターは、タグマネージャーのインターフェイスから、webサイトのソースコードを編集することなく、新しいタグの設置や編集をおこなえます。
なぜタグマネージャーが重要なのですか?
タグマネージャーは、web開発サイクルの短縮に役立ちます。これまで、「今すぐ購入」ボタンのパフォーマンスを追跡するなど、webサイトの管理者が自社のwebサイトに変更を加えたい場合、webサイトのソースコードを編集し、そのボタンに関する新しいJavaScriptを記述する必要がありました。タグマネージャーを利用すれば、管理者がユーザーインターフェイスを使って、表示したいボタンやトラッキングを選択し、新しいタグを作成できます。このプロセスにより、webサイトのソースコードとデータの整合性が守られます。また、権限の低い人がJavaScriptのソースに変更を加えて、web体験全体に影響を与えるような間違いの発生を防ぎます。
タグマネージャーにより、開発者の負担が軽減し、開発者は他の重要な仕事に専念できるようになります。また、マーケターは、必要に応じてマーケティングタグを変更して、webサイトのデータを容易に収集、整理、管理できるようになります。
タグマネージャーのプラットフォームにはどのような製品がありますか?
タグマネージャーとして、様々な製品が提供されています。Adobe Experience Platform Launchは、他の製品と比べて容易に利用でき、使いやすいインターフェイスで操作できます。さらに、マーケターが顧客データを定義し、取得するために必要な統合機能と拡張機能を、テクノロジープロバイダーが直接開発して保守できる唯一のタグ管理システムです。
タグ管理システムの候補を評価する場合は、そのシステムを提供している企業についても考慮すべきです。タグマネージャーは、webサイトアーキテクチャの重要な部分であるため、システムを開発した企業が、製品を継続的に最適化し、サポートを提供する必要があります。
タグ管理システムに何を求めればよいのかわからない場合は、次のFAQを参考にして、製品を検討しましょう。
- 柔軟性: タグマネージャーには柔軟性が求められます。自社固有のマーケティングタグを設定する、システムをデバッグする、といった場合にカスタムのJavaScriptに対応している必要があります
- 拡張性:3rdパーティータグのサポート、独自の拡張機能の構築、他のテクノロジープロバイダーが構築した拡張機能やプラグインとの機能を制限することのない統合など、タグマネージャーには拡張性が必要です。
また、タグマネージャーを提供する企業が、頻繁に製品をアップデートすることも重要です。 web体験は常に進化しているので、タグマネージャー製品も進化する必要があります。年に一度ではなく、数か月に一度の頻度でアップデートされることで、常に最新かつ最高のテクノロジーを利用できます。
どのような企業がタグマネージャーを利用するべきですか?
webサイトに頻繁に変更を加える予定がある場合は、タグマネージャーを使用することをお勧めします。また、新しいデータを追跡する場合や、webページ内で様々なテクノロジーを使用する場合も同様です。タグマネージャーはこれらの作業を容易にし、テクノロジーの機能性を高めます。
タグマネージャーはどのように機能しますか?
タグマネージャーのアカウントを使って新しいタグを作成すると、そのコードがwebサイトのバックエンドのJavaScriptに挿入されます。タグ管理の実装には、非同期と同期の2種類があります。
- 非同期 実装では、1行のJavaScriptコードをwebページの先頭に配置します
- 同期 実装では、webページの先頭に1行のJavaScriptコードを配置し、下部に別のコードを配置します
これらの実装を区別することが重要な理由は、webページが上から下に向かって読み込まれるからです。同期 広告タグを使用した場合、タグはページのコンテンツに合わせて順番に読み込まれます。コードがすべて読み込まれるまでページは読み込まれないので、ページの表示が遅くなったり、若干の遅延が発生したりする可能性があります。一方、非同期 広告タグは、webページの他の要素とは関係なく読み込まれます。ページの読み込みは早くなりますが、タグの読み込みが完了する前にユーザーが操作を始めてしまう可能性があります。
同期タグは、A/Bテストの実行のような特定の状況で役立ちます。非同期タグは、一般的にデータの追跡や収集に適しています。
タグマネージャーは、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)でホストされます。このタイプのインターフェイスでは、マーケターはどのようなデータ、タグ、顧客行動が重要であるかを定義します。タグマネージャーは、その情報にもとづいてトラッキングコードを作成し、webページに新しいタグを挿入します。
なぜタグマネージャーがマーケティング戦略に重要なのですか?
企業は常に、効率的に成果を上げることを求められています。特にweb開発チームは過剰な負担とストレスにさらされています。ブランドに俊敏性を求めるのであれば、タグマネージャーは有用なソリューションです。今日のデジタル社会では、コンテンツをすばやく展開できないことは、競合他社に負けることを意味します。ビジネスの目的が変化しても、タグマネージャーがあれば、新しい目的にも可能な限りすばやく対応できます。
マーケターは、タグマネージャーを使用して、web開発チームに負担をかけることなく、新しいキャンペーンの設定、アンケートの作成、ユーザーエクスペリエンスを構成する要素のテスト、ページビューやその他の重要指標の追跡、新しい場所へのデータの配信などができるようになります。これにより、どちらのチームもビジネスの推進に専念できます。
タグ管理は今後、どのように進化していきますか?
タグマネージャーは、webサイトだけでなく、ネイティブアプリの市場にも進出し始めています。近い将来、マーケターは、iOSやAndroidのソースコードの機能を損なうことなく、モバイルアプリのエクスペリエンスを変更したりカスタマイズしたりできるようになるでしょう。
また、サーバーサイドの製品も開発されています。タグマネージャーは、データを特定の宛先に送信するとき、そのアクションをwebサイト自体で実行するため、webサイトに多くの作業を強いることになり、顧客体験のスピードが遅くなります。webサイトのあらゆるページからデータを送信する代わりに、タグマネージャーがデータをベンダーに送信できるようになり、ベンダーは、顧客のコンピューターやwebブラウザーではなく、自社のサーバーを使用してデータを第三者に送信するようになるでしょう。