ユーザーエクスペリエンス
ユーザーエクスペリエンスとは、webサイトやアプリなどを利用することで、人々が体験するデジタル体験のことです。
ポイント
- ユーザーエクスペリエンスとは、消費者が、企業のwebサイトやアプリなどのデジタルインターフェイスを通じてやり取りする体験における、ある特定の部分を指します。
- ユーザーエクスペリエンスを最適化する最も優れた方法は、顧客がプラットフォームインターフェイスの何を好み、何を嫌うのかを観察することです。そして、それに応じてユーザビリティを改善します。
- ユーザーエクスペリエンスは、音声、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、の体験がますます重視される中、今後もカスタマージャーニーの重要な部分を占め続けるでしょう。
ユーザーエクスペリエンスに関する様々な疑問に、Ben Jordanが回答します。Benは、シニアエクスペリエンスデザイナーです。15年以上、エクスペリエンスの設計と開発に携わってきました。ユーザーインターフェイスとwebサイトの両方を設計し、マーケティングマネージャーと協力してシームレスなユーザーエクスペリエンスを構築してきました。アドビでは、優れたチームを率いて、満足感と成果をもたらすユーザーエクスペリエンスの構築に取り組んでいます。
もくじ
- ユーザーエクスペリエンスとは何ですか?
- なぜユーザーエクスペリエンスが重要なのですか?
- 優れたユーザーエクスペリエンスを作成するにはどうすればよいですか?
- 企業におけるユーザーエクスペリエンスの責任者は誰ですか?
- ユーザーエクスペリエンスはどのように分析、測定するのですか?
- 優れたユーザーエクスペリエンスを作成するには、どのようなツールが必要でしょうか?
- ユーザーエクスペリエンスはどのように進化してきましたか?
- ユーザーエクスペリエンスは今後、どのように変化していきますか?
ユーザーエクスペリエンスとは何ですか?
ユーザーエクスペリエンスとは、webサイトやアプリ、オンラインチャット、eコマースソリューションなど、消費者が企業のインターフェイスとやり取りする際の特定の体験を指します。
カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)と ユーザーエクスペリエンス という言葉は似ていますが、全く異なるものです。ユーザーエクスペリエンスとは異なり、顧客体験には顧客とブランドとのやり取りのあらゆる要素、例えば、営業担当者との会話、実店舗への来店、カスタマーサービスへの電話などが含まれます。どちらの用語も、カスタマージャーニー管理(CX)には欠かせないものです。
なぜユーザーエクスペリエンスが重要なのですか?
ユーザーエクスペリエンスの質が低いと、消費者は不満を抱きます。このような感情は、自社のビジネスとは結びついてほしくないはずです。ユーザーエクスペリエンスがシームレスでシンプルであれば、消費者はそのインターフェイスをまた使いたいと思うでしょう。優れたユーザーエクスペリエンスは、顧客のロイヤルティを高め、売上を向上させ、直帰率を低減させるため、投資回収率(ROI)の向上につながります。
優れたユーザーエクスペリエンスを作成するにはどうすればよいですか?
優れたユーザーエクスペリエンスの基本要素は、顧客が、探しているものを見つけられることです。オンラインストアへの移動、セールス部門やカスタマーサービスへの連絡方法、企業ポートフォリオの検索など、顧客は目指す場所へ容易に移動できる必要があります。
使いやすいというだけでなく、プラットフォームは実際に機能する必要があります。顧客が在庫を購入したり、デモを依頼したり、カスタマーサービスと一緒にトラブルシューティングを実行したり、ポートフォリオを閲覧したりする際に、技術的な問題があってはなりません。不具合や接続のタイムアウトは、ユーザーエクスペリエンスを損なうものです。
この最も基本的なふたつの基準を満たしたうえで、ユーザビリティの残りふたつの段階では、機械的なことよりも感情面に重点を置きます。まず、顧客に提供する情報は、顧客にとって役に立つ情報である必要があります。情報が役に立てば、顧客はこれまでのインタラクションに時間を費やす価値があったと考えます。最後に、インターフェイスは視覚的にも感覚的にも魅力的である必要があります。人目を引くビジュアルやパーソナライズされた要素は、ポジティブなユーザーエクスペリエンスを持続させるのに役立ちます。
企業におけるユーザーエクスペリエンスの責任者は誰ですか?
一般的に、多くの企業ではユーザーエクスペリエンス(UX)デザイナーに主導権があります。しかし、優れたユーザーエクスペリエンスを生み出す責任は、多くの部門や職務で負っています。UXデザイナーは、アートディレクターやビジュアルデザイナー、web開発者、エンジニア、コピーライターなどと協力して作業します。UXデザイナーの最大の仕事のひとつは、このような様々な専門家たちとの共同作業です。 また、UXデザイナーは、製品に関するフィードバックを収集して、エクスペリエンスを改善します。
ユーザーエクスペリエンスはどのように分析、測定するのですか?
ユーザーエクスペリエンスの測定には、定量分析と定性分析のふたつの方法があります。
定量分析 では、顧客に関する望ましい結果や行動についての数値データを収集します。これには、成立した取引数、コンバージョン率、ページクリック数、直帰率などが含まれます。定量分析は、ユーザーエクスペリエンスに質的な変化を加える際に、比較の基準点となります。
定性分析 では、製品を実際の顧客の目の前に置いて、その体験を観察するユーザビリティテストなどで、事例的なデータの収集が行われます。定性分析には、A/Bテストのような調査や顧客フィードバックの収集があり、顧客が苦労している点、不満を感じている機能、製品の気に入っている点などの情報を把握します。このようなテストは、ユーザーエクスペリエンスを測定する最良の方法です。なぜなら、調査対象が、企業が関心を引いて満足させたい顧客そのものであるからです。
優れたユーザーエクスペリエンスを作成するには、どのようなツールが必要でしょうか?
ユーザーエクスペリエンスデザインは、ツールを利用することなく始めることが可能です。重要なのは、最初の考えやアイデアを記録することで、これは紙と鉛筆があればできます。webサイトやアプリなどのデジタル体験の実際のページを構築するデザインプロセスに着手する準備が整ったら、Adobe XDなどのUXデザインツールを使用して、ワイヤーフレームやアニメーション、プロトタイプなどを作成します。
ユーザーエクスペリエンスはどのように進化してきましたか?
現在のようなデジタルの時代になる前は、ユーザーエクスペリエンスはあまり重要視されていませんでした。しかし、デジタル化のスピードが加速する中、企業は、ユーザーエクスペリエンスが取引を成立させるかどうかの分かれ目になることにすぐに気付きました。企業は、顧客とのコミュニケーションを改善するための答えを見つるために、ユーザーエクスペリエンスの研究に投資するようになりました。テクノロジーは年々向上し、ビジュアルデザイン、開発、分析が大幅に容易になるツールが開発されています。
ユーザーエクスペリエンスは今後、どのように変化していきますか?
今後10年間で、音声技術を中心としたUXデザインが増えていくと考えられています。音声UXは、使いやすさとアクセシビリティの両面から、UXデザインの強力な検討対象となるでしょう。また、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)も主流になり、総合的なユーザーエクスペリエンス戦略の一環として、新しい革新的な入力フォームが導入、検討されるようになるでしょう。