Adobe Experience Manager Assetsのダイナミックメディア、MPEG-DASHによる動画配信をサポート

Adobe Experience Manager Assets Dynamic Media launches MPEG-DASH support for video delivery

重要なコミュニケーションツールの1つとして動画を活用するマーケターが増加

エンゲージメントを生み出すツールとして、動画を活用する企業が増え続けています。2022年のホリデーシーズンのピーク時に、Adobe Experience Manager Assetsのダイナミックメディアを通じて配信された動画数は、1ヶ月あたり24億件に達しています。また、2022年の動画再生数は、2021年と比較して約70%増加しました。しかし、質の高い動画体験を顧客に提供することは、簡単なことではありません。最初のバイトまでの時間(TTFB)、バッファー数、バッファー時間など、様々なサービス品質(QoS)指標を測定する必要があります。これらの指標を活用すれば、webサイト上で動画を視聴する際のエンドユーザーエクスペリエンスの質を測定できます。

アダプティブストリーミングが成功の鍵に

バッファーがなく、読み込みが速い動画は、視聴者のエンゲージメントを高め、動画のメッセージを明確に伝えることができます。これにより、webサイトのGoogle Lighthouse Scoresや全体的なSEOランキングが向上します。

これは、動画のアダプティブビットレート(ABR)ストリーミングによって実現できます。ABRストリーミングでは、様々なビットレートエンコードで動画を配信し、視聴者の利用可能なインターネット帯域幅に応じて、動画プレーヤーのエンコードを切り替えることができます。これにより、優れた動画配信が可能になり、スムーズな視聴体験を実現できます。プログレッシブダウンロードでは、単一品質でエンコードされた動画をダウンロードしながら視聴できます。多くの場合、動画の品質とエンドユーザーの視聴体験を両立することが困難です。一方、ABRストリーミングなら、どちらも最適化できます。

ダイナミックメディアは、エンコードの作成および動画配信プロセスを簡素化します。Adobe Experience Managerを活用すれば、デフォルトのアダプティブストリーミングプロファイルを適用し、webサイトでの動画配信を最適化できます。さらに、エンコードパラメーターを定義するためのカスタムプロファイルを作成することもできます。

帯域幅を5 Mbps未満に制限し、60秒のサンプル動画をいくつかテストしました。動画を720pでエンコードし、プログレッシブダウンロードで配信した場合、バッファーは50~60回発生しました。また、動画を540pでエンコードし、プログレッシブダウンロードで配信した場合、バッファーは30~40回発生しました。一方、ABRストリーミングで同じ動画を配信した場合、バッファー数はわずか5回未満でした。webサイトで1080pの動画を配信する場合、アダプティブストリーミングは、視聴体験を向上させる上で重要な役割を果たします。

ダイナミックメディア、アダプティブストリーミング向けのDASHサポートを開始

ダイナミックメディアは、HLSに加えて、Dynamic Adaptive Streaming over HTTP(DASH)による動画ストリーミングをサポートするようになりました。DASHは、動画ストリーミングのオープンソース標準であり、ストリーミングおよび再生オプションの柔軟性を向上させることができます。DASHは、コーデックに依存しません。ダイナミックメディアのURLは、ストレージを最適化しながら、HLSおよびDASHのストリーミングをサポートします。また、ダイナミックメディアの動画プレーヤーURLは、エンドユーザーのブラウザーに基づき、DASHおよびHLSを介して動画をスマートにストリーミングします。

ダイナミックメディアのサポートチケットを作成することで、Adobe Experience Manager Cloud ServiceおよびAdobe Experience Manager 6.5で、DASHを有効にすることができます。

ダイナミックメディアの動画に関する詳細については、こちらをご覧ください。

今後のリリース予定

DASHのサポートを有効にすると、Adobe Experience Managerを活用して、様々なオーディオやキャプションを添付できるようになります。これにより、動画のアクセシビリティを向上させ、世界中のオーディエンスに最適な視聴体験を提供できます。

アドビは、Adobe Experience Managerおよびダイナミックメディアを活用した動画の管理と配信を強化したいと考えています。簡単なアンケートにご回答いただき、フィードバックをお寄せください。

Riya Midhaは、Adobe Experience Manager Assetsおよびダイナミックメディア担当プロダクトマネージャーです。