「私たちは常に複数のアイデアやプロジェクトを同時並行で実験的に進めています。その中で最も大切にしているのは、“お客様への提供価値”に焦点を当てることです。だからこそ、私たちは最終的にすべてのお客様がAdobe Experience Manager as a Cloudによって最高のパフォーマンスを享受していただきたいと考えています。ですが、それを押し付けることはありません。お客様ご自身の優先順位に基づき、お好きなタイミングで、お好きなイノベーションを採用していただけるようにしています」(Alexander)
「プロジェクトの中で最も印象的だったことの一つが、英国王チャールズ3世の戴冠式の前にAdobe Experience Manager as a Cloudを稼働させたことです。このイベントが分かったとき、Telegraph社のチームはごく当たり前のように、『これは今年(23年)英国で起こる最大のイベントの一つ。webサイトが落ちることは、絶対に許されません』と言いました」
結果的に、戴冠式に関するページは、最大5000万PVを獲得。記者たちもライブ配信をしていたことから、表示の遅延は常に5秒以内に抑えなければなりませんでした。その後、戴冠式よりもさらに多くのトラフィック量となった英国総選挙の際にも、Adobe Experience Manager as a Cloudは常に安定稼働して、サービスを提供し続けています。
また、同社がAdobe Experience Manager as a Cloudへの移行により実現できたことが、もう一つあります。それは、「加入者数を100万人にする」という、同社が掲げた目標を達成するまでの時間を短縮できたことです。その理由について、「プライベートな環境で管理していたスタッフの努力を、Adobe Experience Managerによって付加価値を生む活動に充てられたからだ」と同社から伝えられたとのことでした。
「Telegraph社の移行が成功した背景には、『ベストプラクティスアナライザー』や『コンテンツ転送ツール』などをうまく活用できたことが挙げられます。そして本稼働後には、アドビのサポートプラン『Ultimate Success』とCloud SMEチームを活用していただくことで、Adobe Experience Manager as a CloudのROI最大化に集中できるようになっています」とAdamは語りました。
Adamのプレゼンテーションを受け、「Telegraph社は私たちが抱える最もチャレンジングなお客様の一社であるが、彼らと協働したことでAdobe Experience Manager as a Cloudがほぼすべてのお客様に対応できる状態になっていると自信を持つことができた」と言うAlexander。最後に、Adobe Experience Managerの展望について、次のように述べました。
「Adobe Experience Managerのオンプレ版は、カスタムができる点は良いのですが、逆にバージョンアップやセキュリティ対策などの足枷になってしまう可能性があるといったデメリットもあります」と述べた上で、パートナーの視点からAdobe Experience Manager as a Cloudを利用する4つのメリットを挙げました。
「こうしたメリットを最大限に享受するためには、Adobe Experience Managerが提供する標準コンポーネントを活用して、サイト全体を標準化することが肝要です」と語る胎中氏。「アドビの提供するCloud Acceleration Managerを活用したサイト診断を行うことが、クラウド版への移行を検討する一歩となります。Adobe Experience Manager as a Cloudへ移行することで、浮いたコストや工数をさらにマーケティングの施策実行に振り分けていただければと思います」と語り、セッションを締めくくりました。