Experience Makers Live 2021:顧客体験ドリブンの徹底的な実践に向けてPloom Xとデジタルマーケティング

屋内, 座る, テーブル, 大きい が含まれている画像
自動的に生成された説明

2016年以降、たばこ自体の「デジタル親和性」が飛躍的に上昇しました。それは、紙巻たばこから加熱式たばこへのトレンドの転換がきっかけです。「購買が店頭からオンラインに、情報収集やロイヤルティ形成の場も、徐々にオンラインに移っていった」と平谷氏は説明します。そして顧客行動の変化に伴いJTにはデジタルの能力が求められるようになりました。

加熱式たばこ市場は大きく成長しています。コロナ禍により外出できないことで自宅での喫煙が増える、という顧客の行動変容がありました。そこで、ステイホームをチャンスと捉えて、低温加熱式たばこ「Ploom TECH+」を用い、臭いが少なく煙が少ない点を、お客さま向け統合サービスプラットフォーム「CLUB JT」を用いて訴求しました。重要なのは、この取り組みを通じてデジタルマーケティング専門の部署を立ち上げ、JTのデジタルマーケティングの遂行能力を高めていったという点です。

しかし、大きな課題もありました。それは競合に比肩するような高温加熱式デバイスの投入が不可欠だったことです。そしてその製品を取り巻いて、最適化されたデジタル体験を提供しなければなりませんでした。そこで投入に至ったのが高温加熱式たばこ「Ploom X」です。

ここからは 、デジタルによって製品を取り巻く体験をつくれるかどうかが問われます。そこで立ち上げたのが、専用のロイヤルティプログラム「Ploom X CLUB」です。「Ploom X」を購入した顧客に「Ploom X」をより魅力的に感じてもらうためのものです。ここでは、顧客ごとに表示されるコミュニケーション内容が大きく違っており、そこにJTが培ったナレッジが詰め込まれています。

その実現のために、まず、コンシューマーエクスペリエンスマップを作成しました。そしてデジタルが注力すべきポイントを特定しました。さらにそこからお客さまの心理的なセグメントを抽象化し、セグメントごとに顧客の体験をつくっていきました。

ただし、コンシューマーエクスペリエンスマップは、抽象概念として忘れ去られることも多いのが実情です。そこで、マップから導かれる要素をユースケースに分解し、優先度の高いと判断できるものから確実に実装するようにしました。これがJ Tの顧客体験ドリブンな手法と言えます。

今回の鍵は、顧客のファネル、セグメントを特定することです。機械学習を使い、すべてのお客さまのファネルとセグメントを推計することで、お客さまがタッチポイントを訪れた際、適切なコミュニケーションを図れるようにしています。例えば「Ploom X」に興味があると推測されるものの購入に至ってない顧客に対して、特別なクーポンを提供します。特定セグメントでは配信対象者のうち、約半数がクーポンを利用して購入に至りました。

また、クリエイティブの動的な変更も試みました。購入前、購入後、入会直後、利用中というファネルの変化に応じて、顧客の次のファネルへの移行を促すため、クリエイティブの力を使っています。そしてリアルタイムのダッシュボードを構築し、施策やコンシューマーエクスペリエンスの妥当性について、即座に検証できる運用体制を構築しています。

平谷氏は、「ブランディングとマーケティングを融合させ、さらに製品の体験とも一体化させていくことが重要です」とセッションを締めくくりました。