顧客起点コンテンツ制作 - メルマガ開封率40%の秘訣とは?

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カスタマーサクセスチームで定期開催している「Marketo Studio(通称Mスタ)」。本ウェビナーでは、毎回ゲストのユーザー様をお招きし、Adobe Marketo Engageの活⽤実践例を存分に語っていただいております。今回は株式会社クボタ様に「顧客起点」のコンテンツ制作について語っていただきました。アドビ 松井真理子よりご紹介します。

One to Oneマーケティングで持続的なビジネスの成長を目指す

世界120カ国以上で、農業機械、建設機械、上下水道や水処理施設など、様々な事業を展開されている株式会社クボタ様。数ある事業の中でAdobe Marketo Engageを導入いただいているのは、トラクタや田植機、コンバインなど、多種多様な農業機械を生産/販売されている国内農機事業です。

日本の農業といえば、高齢化が進み、デジタルとは距離があるイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。事実、日本の農業従事者の平均年齢は67.8歳。高齢化による離農が進む一方で、一部の「担い手農家」と呼ばれる農業経営者が土地を集約し、1経営体当たりの耕作面積拡大が進んでいる側面もあるのだとか。「こうした現状により、農業機械に対するニーズは多様化/高度化している」と同社 農機国内営業部 営業企画課の若園真理恵氏は語ります。

もう1つ、農機事業のビジネスの特徴として、商流が複雑であることが挙げられます。メーカーであるクボタ様から販売会社を通してお客様へ販売するルートの他、各地域にある農機具屋さんのような販売店を通すルート、JAを通すルート、あるいはそれらを組み合わせて販売するルートもあると言います。ちなみに、どのルートであっても、足を運ぶのはお客様ではなく各チャネルのセールススタッフ。お客様の自宅で商談を行う訪問営業が主体の業界だそうです。

クボタ様は全国にきめ細かな販売サービス網をお持ちです。しかしコロナ禍で加速した米の消費量減少が農家へ与える影響は少なくなく、長期的にも人口減少による農産物への需要減少による農家への影響が懸念される環境にあります。このような中で、クボタ様がビジネスを持続的に成長させていくには、既存顧客が中心の市場でLTVを高めることが欠かせません。

そのためには「セールス活動の効率化」と「営業活動とデジタルの分断」の2つの課題を克服する必要がありました。従来のようにすべての営業活動を1人のセールススタッフが担い続けるのは非効率です。また、多様化/高度化する担い手農家のニーズに応えるには、これまで以上に幅広い知識やスキルが必要となることから、個人の力では対応しきれない問題もあります。また、webサイトに情報を載せてSNSで発信しても、そこから営業に送客できず、売上に対する貢献が見えない状態にあったと言います。

「お客様が欲しい情報を欲しいタイミングで、最適なチャネルでお届けしたい」「お客様の中でクボタに対する『いいね』度合いを高め、“クボタファン”を育てたい」、これらを実現するためにAdobe Marketo Engageを導入し、One to OneコミュニケーションによってLTV向上を図ろうと考えられたのです。

メルマガ開封率40%を実現した「顧客起点」のコンテンツ制作

続いては、クボタ様がAdobe Marketo Engageを導入してから約2年間の取り組みをご紹介します。

「2020年12月に導入した後、翌年1月にはオンラインイベントとwebセミナーで活用したいという目標があったため、導入コンサルを通じてスムーズなスタートを切ることができました」と語る若園氏。21年4月からは月に1度のメルマガ配信を開始したところ、初回の開封率が高かったことから、その後の配信にも弾みがついたと言います。

では、なぜ初回からメルマガの開封率が高かったのでしょうか? その答えはとてもシンプルで、「お客様のお悩みに対して、自社が提供できる価値を伝えることに注力したから」です。クボタ様がメルマガのコンテンツを制作する際に気をつけているのは、「お客様の『困りごと』から発想する」「役立つ情報を優先して伝える」「信頼を貯める」の3つだそうです。

「つい『新商品を発売しました』と言いたくなるところですが、そこはグッと我慢。『夏の暑い中、重いタンクを背負ったり、ホースを引っ張ったりする防除作業にお悩みではありませんか?』と困りごとに寄り添います。また、お役立ち情報にかなりのスペースを割いて、重点的に載せているのも特徴です」(若園氏)。ウェビナーの情報を載せる際も、考え方は同じとのことで、まずは困りごとに寄り添い、それに対する解決策としてウェビナーを紹介されています。

開封者のうちのクリック率は平均約16%。農家の方からは「メンテナンスや農作業安全など、役立つ情報が多いから毎回読んでいる」といった喜びの声が届いているそうです。

このようなコンテンツは、カスタマーセンターの担当者様も含む複数名で作成されており、顧客起点を徹底するために、編集会議では最初に「お客様がこの時期お困りのことは何か」という話題から始めていると言います。そして原稿作成をする担当者には、「『お悩み』から発想する入力シート」と「お客様目線の発信となっているかのチェックリスト」の2つを渡し、上がってきた原稿をマーケ側で修正する際には、「なぜ直したほうが良いのか」をしっかりとフィードバックしていると明かしました。

マーケティングが売上に貢献できることを実証したAdobe Marketo Engage活用

次に、クボタ様が提供されている営農・サービス支援システム「KSAS」に関するAdobe Marketo Engage活用法のご紹介です。「KSAS」は、田んぼや畑の場所の管理/日々の作業記録/クボタの農機と連携したメンテナンス情報の確認/作物の収穫量の分析などができるクラウドシステムです。

当時、この「KSAS」には大きな課題があったと言います。「KSAS」はwebから利用者自身が申し込み、クボタと直接取引するサービスだったため、日頃、主力製品を取り扱っているセールススタッフの契約者拡大活動がどうしても後回しになりがちだったのです。「そこで『KSAS』の入会前から入会後までをAdobe Marketo Engageでサポートすることにした」と語る同社 農機国内営業部 KSAS推進課の柚山奈々氏。「カスタマージャーニーを作成し、それぞれの状態のときにお客様がどういった悩みがあるのかを想定しました。そこに対してどのような情報をお届けすればお役に立てるのかを考え、エンゲージメントプログラムに落とし込みました」。

エンゲージメントプログラムのコンテンツを制作する際には、次のポイントを心がけているそうです。

・お客様の課題を書き出すブレストをする

・ユーザーの声から言葉を探す

・「新機能リリースしました!」といったプロダクトアウト的な情報発信はしない

・難しい内容にならないよう、お客様が知らない言葉を使わない

・堅苦しくなりすぎないよう、親しみを持ってもらえるような文章にする

・急に配信停止が増えない限り、些細なアップダウンは気にしない

・読まない人にフォーカスをするのではなく、読者にとって価値のある情報を届けることを大切にする

その結果、約2カ月間をかけてエンゲージメントプログラムのメールを受信したお客様が、見事「KSAS」に入会。その後、ログイン促進メールをはじめとするオンボーディングに向けたコンテンツを通じて、実際に活用いただける状態まで持っていくことができたと言います。

このように、お客様の悩みに寄り添いながら、着実にOne to Oneコミュニケーションへと歩みを進めておられるクボタ様。まだMA(マーケティングオートメーション)とSFA(セールスフォースオートメーション)の連携を開始したばかりで、マーケティング部門と営業部門の連携には課題が残ると言いますが、成約事例を創出するために行った単発のキャンペーンを通じて、Adobe Marketo Engageにデマンドジェネレーションの大きな可能性があることを実感されているそうです。

「今後さらにAdobe Marketo Engageを活用しながら、もっと多くのお客様と農業経営の課題を解決していきたい。マーケティングとセールスがタッグを組み、お客様が欲しい情報を適切なタイミング、最適なチャネルでお届けできる未来を目指したいと考えています」と同社 農機国内営業部 営業企画課の吉岡雅之氏は語り、セッションを締めくくりました。

https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.page/jp/blog/fragments/page-marketo-user-groups