製薬業界向けイベント登壇レポート「なぜ、6ヵ月でプロモーションDXの最適解を導けたのか?」
2022年4月20〜22日に開催された製薬&ヘルスケア業界向けイベント『ファーマIT&デジタルヘルス エキスポ』にて、「なぜ、6ヵ月でプロモーションDXの最適解を導けたのか?」と題して、株式会社博報堂メディカル(以下、博報堂メディカル)とアドビ株式会社(以下、アドビ)でセミナーに登壇いたしました。その内容をレポート致します。
スピーカーは、(本記事最初の写真左より)元大手製薬会社DXビジネスプロデューサーの三澤竜之介氏、博報堂メディカル代表取締役社長の小泉直子氏、アドビ カスタマーソリューションズ統括本部エクスペリエンスビジネスサービス本部 本部長の山田智久の3名となります。いずれの講演者も、製薬・ヘルスケア業界におけるデジタル・トランスフォーメーションを推進しています。
「プロモーションDX」とは何か?
今までの製薬・ヘルスケア業界では、MRの活動が営業活動のメインとなり、属人的なアプローチで製品を売っていました。しかし、医薬品などに特化したサードパーティメディアの増加や、各メーカーのオウンドメディアの充実などにより、顧客の情報のタッチポイントが増えました。その中で、「顧客セグメント毎に、欲しい情報を、最もストレスの少ない手段で、わかりやすい表現で伝達する」ことが重要となり、それを実現するための「ニーズの把握、ストーリー設計およびコンテンツ制作、解析」といった一連のプロセスを“プロモーションDX”とここでは定義しています。
プロジェクトを推進する座組の課題
一方で、良いコンテンツを生み出し、ターゲットに届ける上で課題もあります。たとえば各ブランドにおいてマーケティング戦略や方針は存在する一方、ターゲットとなる医療従事者へのデジタルを活用したアプローチの戦術に不安が残る場合があります。また、コンテンツ戦略から定義した作るべきコンテンツを、現状のお客様の制作体制で作成しても、"良いもの"にはならない可能性が高いという懸念があります。理由としては大きく2つあり、「デジタル専用の制作リソースがないこと」と「より良いコンテンツをつくる"ノウハウ"がないこと」が挙げられます。
コンテンツ方針の課題(ジャーニー・医師の行動変容)
では、前述した課題に対して、博報堂メディカルとアドビはどのように支援できるのか。様々な支援内容のひとつとして、ターゲットである医療従事者のカスタマージャーニーである「Dr.ジャーニー」が挙げられます。ジャーニーの各フェーズにおいて、ターゲットはどのような課題を抱えており、その結果どのようなコンテンツを作成すべきか、などが明確になります。また、製品ではなく医師を主語としたコンテンツを作成することで、製品視点での訴求ポイントを、医師の困りごとを起点に医師の課題解決につなげることも行ないます。
コンテンツ方針の課題(効率的なPDCA)
続いて、効率的なPDCAサイクルを回していくために何ができるのか。アドビの技術とノウハウを、コンテンツ制作の現場と融合します。医療従事者の閲覧状況から、コンテンツニーズを探る仕組みを構築。そこから、コンテンツへのフィードバックを集めて、改善アクションを策定していきます。コンテンツの探しやすさ、情報の拡充、情報訴求の方法・改修、などいくつか改善すべき軸があります。また、コンテンツのパッケージに関しても、PDCAを回しやすくするために、パートをいくつか切り分けた構成にします。加えて、最後まで視聴されない前提で、冒頭に全体像やポイント、キーメッセージを盛り込みます。
博報堂メディカルとアドビで何ができるのか?
最後に、“プロモーションDX”を実現する上で、博報堂メディカルとアドビでどのような支援ができるのか、各講演者がまとめました。博報堂メディカルは医療用医薬品業界における深い見識を持っている一方、アドビはデジタルエクスペリエンス設計とアドビの各種プラットフォームに関する豊富な知識を持っています。それらを組み合わせることで、各種ブランドの戦略および戦術、そしてソリューションの設計、さらにはコンテンツの企画・制作が可能となります。
本講演に関して、さらに詳しい内容にご興味がある場合は、博報堂メディカルまでお問い合わせください。