アドビ、より深いインサイトをもたらすAdobe Analytics Cloudの最新機能を発表
カスタマージャーニーの詳細を明らかにし、顧客エンゲージメントを支援
多くの企業は、データ量が増加する一方で、潜在顧客から購入に至るまでのカスタマージャーニーの実態を捉えることに苦労しています。消費者からの大きな期待、自社保有コンテンツの増大、配信先の増加などは、オンラインにおけるカスタマージャーニーを瞬時に混乱させます。深い顧客分析が競合他社との差別化の鍵となる一方、カスタマージャーニーの詳細を基にした体験の提供が、ワンタイムバイヤーを長期的な顧客に変えることに繋がります。
アドビは、Adobe Summitで、カスタマージャーニーをかつてない精度で把握できる方法をデータサイエンティストやビジネスアナリストに提供すべく、Adobe Analytics Cloudの最新機能を発表しました。業界をリードするAdobe Analyticsは、今回、Adobe Advertising Cloudとの連動およびAdobe Audience ManagerのPeople-Based Destinationsとの連動を可能にし、Journey IQをもってより深いインサイトが取得できるようになりました。これによってブランド企業は、データ管理プラットフォーム(DMP)を使用し、主要ソーシャルプラットフォーム上で自社のオーディエンスデータを活用することが初めて可能になりました。
Adobe Analytics Cloudのプロダクトマーケティング担当シニアディレクターであるジェフ アレン(Jeff Allen)は、次のように述べています。「消費者の全体像を理解するために、オフラインとオンラインでの接触を結びつけるプロセスは、ブランド企業にとって引き続き大きな課題です。このプロセスができないと、消費者と接触した際に、一貫性のある魅力的なエクスペリエンスを場所や時間を問わずに継続的に提供することが困難になります。企業は、Adobe Analyticsによる業界初の新機能を利用することで、カスタマージャーニーのより詳細な全体像を即座に捉えることができます。」
Adobe Analyticsの新機能には下記が含まれます。
より深い顧客インサイトの取得: ブランド企業がマーケティングの機会を逃したポイント、エンゲージメントレベルの時間経過に伴う変動、特定のイベント前後における顧客行動の詳細を提供します。例えば、顧客が商品を購入する直前に何をしていたのか、またその直後に何をしたのかを確認することができます。さらに、新しいJourney IQは、パス分析、フォールアウト分析、フロー分析といったユーザー行動把握を行う前に、データをコホート別にスライス&ダイスできる強力な機能を備えています。これにより例えば、小売店は、ブラックフライデーのセール中に、どのブランド企業によるエンゲージメントがより多くの衣類購入に繋がったのかを正確に追跡し、コンバージョンに至らなかった顧客と比較することで、今後のマーケティング戦略の策定に活用できます。
データと広告ワークフローの簡素化: 多くの企業では、マーケティングと広告活動がサイロ化しており、カスタマージャーニーの全体像を把握することが難しくなっています。Adobe Advertising Cloudを活用することで、ペイドメディアによるエンゲージメントとサイト上での行動を繋げることができ、広告がサイト上の行動に与える影響の知見を得ることができます。これによって、どのクリエイティブ戦略またはターゲティング戦略が効果的にサイト上のパフォーマンスへ繋ぐことができたかなど、特定の広告キャンペーンに関連する深いインサイトを即座に得ることができます。
Adobe Audience Managerの新機能には下記が含まれます。
チャネルをまたいだパーソナライゼーション: 企業は、消費者が集まる場所でマーケティングする必要性を感じている一方、ソーシャルメディアを含むチャネル間においてオーディエンスデータをシームレスに活用することが、特にワークフローやレイテンシーの観点において困難になっています。Adobe Audience Managerは、ソーシャルメディアプラットフォーム上のハッシュ化された識別子を企業が使用し、自社のデータをより効果的に活用できる唯一のDMPです。Adobe Experience Platform Identity Serviceに統合された新しいPeople-Based Destinationsを利用することで、自社のオーディエンスデータを使ってソーシャルキャンペーンを始動させ、メディアバイイングで活用できる情報を今まで以上に正確に伝えることができます。例えば自動車ディーラーの場合、ユーザー向けのコンテンツやハッシュ化されたメールアドレスを使用することで、ショールームには来店してもサイトにはアクセスしない消費者をソーシャルメディア上で潜在顧客としてターゲットにし、サイトへの訪問や将来的な購入を促すことができます。また、顧客データの使用に関しては、Adobe Experience Platform Identity Serviceに搭載されているデータガバナンスとプライバシーコントロールにより、顧客側の希望と常に適合するように管理できます。
セグメントの拡大に有効なインサイトの発掘: アドビの人工知能(AI)およびマシーンラーニングであるAdobe Senseiが組み込まれたAdobe Audience Managerは、オーディエンスの拡大を支援するため、セグメント構築ワークフローにおいて特性(treat)の提案が可能になりました。これらの特性は、類似性スコアを高い精度で演算処理するアドビ独自の手法(特許出願中)に基づいています。例えば、冬物のアパレルを販売している小売店の場合、通常、過去にコートやセーターを購入したことのある人をターゲットにします。しかし、AIを活用したTrait Recommendationsを利用することで、一見販売対象者と分かりにくい夏季に水着を頻繁に購入したことのある人もターゲットできるようになります。また、リアルタイムのレコメンデーションにより、顧客に関する理解を深め、キャンペーンのリーチを拡大させ、最終的にはコンバージョン率を向上させることが可能になります。
Adobe Summitで発表したAdobe Experience Cloudにおける最新のインベーションについては、こちらのリンク(英語)を参照ください。
静的でサイロ化された顧客プロファイルを持つ従来のエンタープライズプラットフォームとは異なり、Adobe Experience Cloudは、企業が顧客のタッチポイントやチャネル全体で一貫性のある継続的で説得力のあるエクスペリエンスを提供できるようにします。 業界アナリストは、他のどのテクノロジー企業よりも、経験に焦点を当てた20以上の主要なレポートの中で、アドビをリーダーに位置付けています。
※本記事は、2019年3月26日にAdobe Communications Teamが英語で公開したブログの抄訳版です。