DX道場 ~セグメント・計算指標の基本編~ ④パネルドロップゾーン

アドビのカスタマーサクセスチームは、Adobe AnalyticsやAdobe Targetをはじめとした、Adobe Experience Cloud 各種製品を使い始めた方向けのコースを中心とした無償オンラインセミナー『DX道場』を定期的に開催しております。このシリーズでは、DX道場の内容を各テーマに沿ってご紹介します。今回は『セグメント・計算指標の基本』コースより、『パネルドロップゾーン』の使い方についてご紹介します。

パネルドロップゾーンとは

『パネルドロップゾーン』とは、任意のコンポーネント(ディメンション、ディメンション項目、イベント、指標、セグメント、セグメントテンプレート、日付範囲など)をドラッグ&ドロップで適用させることができるエリアのことを指します。パネルドロップゾーンはパネルの左上に存在しており、コンポーネントを適用させることで、様々な条件でパネル内のデータをフィルタリングすることができます。

パネルドロップゾーンの使い方①:セグメントフィルター

まず、セグメントをパネルドロップゾーンに適用させた場合、パネル内のデータをそのセグメントの条件に沿ってフィルタリングすることができます。

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例えば、上図は『初回訪問』のセグメントを適用させた例になります。この場合、パネル内のデータはすべて『初回訪問』のセグメント条件でフィルタリングされる形になります。

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また、パネルドロップゾーンには複数のセグメントを適用させることもできます。上図は、先ほどの『初回訪問』に加え、もう一つ『SP(スマートフォン)からの訪問』のセグメントを適用させた状態になります。この場合、これら二つのセグメントの内容を「および(and)」で組み合わせた条件でパネル内のデータがフィルタリングされます。実際にパネル内のレポートを見てみると、データがすべてその条件に沿ってフィルタリングされていることがわかります。

パネルドロップゾーンの使い方②:アドホックセグメントフィルター1

続いて、セグメント以外のコンポーネントを適用させた場合です。セグメント以外を適用させた場合は、そのコンポーネントのヒット条件でパネル内をフィルタリングすることができます。

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上図は、ユニーク訪問者数の日別レポートになります。例えばこのレポートを、「コンバージョンしたユーザー(この例ではあるイベントの登録サイトを分析対象としているため、『登録完了したユーザー』が該当)」のみが表示される日別レポートにしたい場合、パネルドロップゾーンにコンバージョン指標(この例では『e35.Success Registration / 登録完了』)を適用させることで実現できます。

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こちらは実際に該当のコンバージョン指標を適用させた状態でしゅ。パネルドロップゾーンの表示を見ると、『e35.Success Registration 存在する』というヒット条件のセグメントが自動的に作成/適用されているような形になっています。

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これにより、パネル内のデータはすべて『登録完了した』という条件によってフィルタリングされるため、先ほどのユニーク訪問者数の日別レポートも『登録完了したユーザー』のみが表示されるようにフィルタリングされています。この様にパネルドロップゾーンを使用することで、わざわざ一からセグメントを作成しなくても、ある特定の条件でレポートの表示データをフィルタリングすることが可能です。

パネルドロップゾーンの使い方③:アドホックセグメントフィルター2

例えばマーケティングチャネルやトラッキングコードといった、コンバージョン変数を定義する必要のあるディメンションを使用してレポートを作成した際、下図のようにディメンション項目『なし(=マーケティングチャネルが存在しない)』で表示されるデータがあります。

この様な『なし』の項目(ヒット条件)を取り除いた結果を表示させたいという様なケースでも、パネルドロップゾーンが役に立ちます。取り除き方は簡単で、パネルドロップゾーンに該当のディメンション(このケースでは『マーケティングチャネル』)を適用させるだけでOKです。そうすると、パネル内のデータが「マーケティングチャネルが存在する」というヒット条件でフィルタリングされるため、自動的に『なし(=マーケティングチャネルが存在しない)』という項目はデータから除外されます。

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パネルドロップゾーンの使い方④:アドホックセグメントフィルター3

複数のコンポーネント項目をまとめて選択し、パネルドロップゾーンに適用させると、それぞれの項目を「または(or)」で組み合わせた条件でパネル内をフィルタリングすることができます。例えば、ディメンション『モバイルデバイスタイプ』の内、『その他』『携帯電話』『タブレット』という3つの項目を複数選択し(ControlまたはCommandキーを押しながら選択、で複数選択が可能)、ドラッグ&ドロップでパネルドロップゾーンに適用させてみます。

すると、それぞれの項目を「または(or)」条件で組み合わせたヒットセグメントが、パネルドロップゾーン内に自動的に生成されているのがわかります。

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これにより、パネル内のデータはすべて、「モバイルデバイスタイプ=その他、またはタブレット、または携帯電話」のヒット条件でフィルタリングされる形になります。この様に、パネルドロップゾーンをうまく活用することで、複数の定義を組み合わせたセグメント(※ or条件で組み合わせ)を一から作成する手間を省くこともできます。

パネルドロップゾーンの使い方⑤:ドロップダウンフィルター

複数のコンポーネント項目を選択した状態で、Shiftキーを押しながら パネルドロップゾーンにドロップすると、ドロップダウンフィルターを作ることができます。例えば先ほどと同じように、ディメンション『モバイルデバイスタイプ』の3つの項目、『その他』『携帯電話』『タブレット』を複数選択し、ドラッグします。そしてそれらをパネルドロップゾーンに持っていき、ドロップする際にShiftキーを押しながらドロップします。

すると、そのままドロップした時とは異なり、パネルドロップゾーン内に下図のようなドロップダウンフィルターが生成されます。

このドロップダウンフィルターを使用することで、パネル内のデータを(3つのモバイルデバイスタイプの内)どの項目でフィルタリングするのか、自由に切り替えることができます。これにより、パネルを複製し、それぞれのパネルを別々の項目でフィルタリングしてデータを表示させなくとも、一つのパネル内で表示させるデータを切り替えることが可能です。

コンポーネントにある各項目はすべてドロップダウンフィルタの作成対象になりますので、自由にフィルターを作成して分析時間の短縮や表示方法の最適化が図ることができます(上図は3つの異なる日付範囲を適用させた例)。

まとめ ~セグメントの条件と演算子~

この記事では、パネル内のデータをフィルタリングする際に便利な『パネルドロップゾーン』についてご紹介しました。

パネルドロップゾーンを上手に活用することで、セグメントを新たに一から作成する手間などを省き、より効率よく分析作業を行うことが可能となります。

次回の記事では、既存の指標を演算子を用いて組み合わせて新しく作成することができる『計算指標』の機能についてご紹介します。

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