Adobe Target| Update ABテスト施策事例のご紹介

Text, letter, calendar Description automatically generated

WEBサイトには様々な目的を持ったユーザーが訪問してきます。その違いを考え、それぞれに対して最適な機能を提供できるかどうかが重要な課題になってきます。この記事では、その様な課題の解決にAdobe Target のABテストがどのようにお役立ちできるかを、実際の活用事例を交えてご紹介いたします。

Adobe Targetとは?

Adobe Targetとは、迅速なテストとパーソナライゼションにより、効果的なエクスペリエンスを構築するための包括的な最適化ソリューションです。Adobe Targetという一つの製品に複数の機能を含有しており、それぞれの課題や用途に応じてそれらを使い分けることで、最適な解決策を導き出すことができます。

主な利用シーン

・訪問者に対するエクスペリエンスをテスト

・特定のセグメントに対して最適なエクスペリエンスを提供してその効果を測定

・指標を最適化し、データドリブンの意思決定

主な機能

・A/B/Nテスト

・多変量テスト

・ルールベースターゲティング

・自動パーソナライゼーション(Premium)

・レコメンデーション(Premium)

Graphical user interface, application, Word Description automatically generated

Adobe Target活用事例:UNDER ARMOUR -商品一覧のチュートリアル表示-

続いて、実際にAdobe Targetの機能の一つであるABテストの活用し、株式会社ドーム様が扱うブランド「アンダーアーマー」が、WEBサイトおよびアプリにおけるCVR(コンバージョン率)やRPV (訪問あたりの売上)を向上させた事例をご紹介します。

Graphical user interface, application Description automatically generated

◎課題

UNDER ARMOURサイトおよびアプリでは、新規訪問時のCVRが課題の一つであり、事前のAdobe Analyticsによる分析結果から、新規訪問時とリピート訪問時の行動において、商品の絞り込み検索の利用率とソート順変更機能の利用率に大きな差があることが分かっていました。

◎仮説

この様な課題を解決するために、商品一覧での絞り込み方法や並び替えの方法が分からないお客様に対して、ジェンダーやカラー、サイズでの絞り込みが行えることや、価格順や人気順での並び替えができることをチュートリアルとして伝えることで、サイトの使い勝手・買い物の利便性を向上し、CVRおよびRPVが向上できるのではないかと仮説を立てました。

◎A/Bテストによる仮説の実証

上記で立てた仮説を実証するため、Adobe Targetを活用し、以下のような条件の下でテストを実施しました。

・初めてサイトやアプリを来訪したユーザーに対してのみチュートリアルを表示

・『商品一覧ページ』を配信対象ページとし、当該オファーをひとりあたり1回のみ配信するように制御

Graphical user interface, application Description automatically generated

◎結果

上記条件を適用させ、絞込み検索ができることをチュートリアル形式で伝えるようにしたパターンと、デフォルトのパターンを比較した結果、新規訪問者の絞り込み検索利用率に関して10%の上昇が見られました。また、それに伴いCVRは13.7%、RPVは10%改善させることに成功しました。

Timeline Description automatically generated

◎Adobe Analyticsによるテスト結果の解析

さらに、テストで得られた結果をAdobe Analyticsで解析してみると、そこからさらに新たな仮説を立てることができます。例えばこの事例では、

・アプリユーザーは絞り込み検索の利用経験者が多いためか、「スタート」ボタン(下図⑤)のクリック自体が6.8%と少ない中で、フィルタリング機能の利用ユーザーが多い状況である

・「×」によるクローズをするケースが多く(「×」のクリック率が36.8%)、かつ、ステップ2/ステップ3(下図参照)の遷移率は非常に高く、サイトからの離脱も発生していない

といったことが解析結果からわかりました。このことからは、**場合によっては最初からステップ2を表示する形でも良いのでは?**というまた新たな仮説を立てることができます。この様に、『Adobe Targetでテストを実施➡1次結果を出す➡結果をさらに深堀り分析➡新たな仮説の設定➡テストの実施』といったPDCAを回していくことは、UXの最適化を目指す上では必ず必要になってきます。Adobe TargetやAdobe Analyticsを活用することで、このPDCAサイクルをスムーズに回すことができるようになります。

Diagram Description automatically generated

◎担当者の声

**“ECサイトについてのアンケートから、新規のお客様において商品の探しやすさに課題があることがわかり、商品の見つけやすさを改善する必要がありました。**ABテストを活用することで現在のパターンと改善したパターンの結果を同じ条件下で確認できるため、根拠を持って仮説を立証することができました。特に本件は、記述していただいたご意見から読み取れた課題でした。

**定性的なデータを定量的なデータとして検証する選択肢を持てたことで大きなチャンスにつなげられました。**また、デザインや表示頻度など一つのテストからさらなる改善を見込み、次のテストへ結びつけることもでき、サイト内体験を改善し続けられると感じます。”

内山 元晴 様

株式会社ドーム

コンシューマーインサイト部

“UNDER ARMOURサイトおよびアプリでは、新規訪問時のCVRが課題の一つであり、事前のAdobe Analyticsによる分析結果から、新規訪問時とリピート訪問時の行動において、商品の絞り込み検索の利用率とソート順変更機能の利用率に大きな差があることが分かっていました。

初めてサイトやアプリへ来訪したお客さまへのデジタル接客として、フィルタリングの機能を利用することで、スポーツやカラー、サイズ、金額での絞り込みが行える点や、人気順、新しい順、価格順でのソートが行える点をチュートリアルとしてご案内することで、商品の探しやすさを改善し、お客さまの目的やお好みに応じたアイテムにたどりつきやすくするようUXの最適化を図りました。

Adobe Targetにより、チュートリアルの表示対象者を初めてサイトやアプリを来訪したユーザーに限定するとともに、動的ページである商品一覧を配信対象ページとした上で、当該オファーをひとりあたり1回のみ配信するといった制御を行っています。Adobe Targetの機能を活用することで、短期間にチュートリアルの仕組みを実現し、A/Bテストを繰り返すことにより最適なオーディエンス、最適なオファーを見出すことができました。

UNDER ARMOURサイトでは、既に数多くのパーソナライゼーション施策が実行されていますが、本施策のような 新規訪問時のCVRの改善のためのデジタル接客施策も重要度が高く、日々Adobe Targetの活用の幅が広がっています。

橋本 翔

アドビ株式会社

カスタマーソリューション統括本部

シニア コンサルタント

Appendix:アクティビティワークフローの拡張について

最後に、Adobe Targetの機能Update情報についてご紹介いたします。

  1. 「エクスペリエンス」「ターゲット」「目標と設定」の、どのアクティビティ編集画面からも、保存・保存して閉じることが可能になりました。

Graphical user interface Description automatically generated

  1. アクティビティの編集について、従来は「エクスペリエンス」→「ターゲット」→「目標と設定」の順番に設定変更をすることが前提でしたが、設定したい項目へ直接遷移が可能になりました。(直接「ターゲット」の設定変更画面へ遷移が可能)

Graphical user interface, text, application Description automatically generated

  1. アクティビティ作成途中のオーディエンス選択の際に、オリジナルに作成されたオーディエンスに関して、アクティビティ作成を閉じることなくオーディエンスの「確認」「編集」「コピー」が可能になりました。

Table Description automatically generated

◎この記事のPDFファイルはこちら

「Adobe Target ABテスト施策事例のご紹介」