音声アシスタント機能に関する15の驚くべきデータ
ここに、米国の調査会社Juniper Researchによる興味深い予測をご紹介しましょう。同社は、2024年には、消費者が84億台以上の対応デバイスを使って音声アシスタント機能を利用することになると予測しています。これは世界人口を上回る台数で、今年末までに42億に達すると予測されている音声対応デバイス数が、さらに113%増加する計算になります。
これは、企業にとって顧客とのエンゲージメントのために用意された大きなチャンスであり、音声アシスタント機能がもはや「未来の技術」ではないことを示しています。とはいえ、企業による音声アプリの提供や、消費者によるテクノロジーの高度な活用といった点では、まだ黎明期にあると言えます。そこで、音声アシスタント機能の市場、顧客行動、そして周辺環境の現在位置を把握するために役立つデータ(アドビの内部データから得たものも数多く含む)を集めてみました。
- 2020年4月から6月までの3か月間に、スマートスピーカーの所有者の46%が、音声アシスタント機能をより頻繁に使用していると回答しています(アドビ)。
- 米国のスマートスピーカー所有者(18歳以上)の36%が、COVID-19の感染拡大以来、音楽やエンターテインメントを楽しむ目的で、デバイスをより多く使用していると回答。18〜34歳の回答者に至っては、52%でした(NPR/Edison Research)。
- 消費者が最も利用している音声アシスタント機能は、AppleのSiriとGoogle Assistantが36%の市場シェアと、同率で1位を分けています。2位はAmazon Alexaで、市場シェアは25%、3位はMicrosoft Cortanaで19%でした(YouGov)。
- 調査対象の米国のオンライン成人回答者のうち、スマートスピーカーを使用している人の中で、最も利用頻度が高いタスクは天気の確認(65%)で、最も低いタスクは商品の注文や再注文(5%)でした。オンライン検索、請求書の確認、支払い、商品の注文など、複雑なタスクや企業とのやりとりはまだ比較的少ないといえます(Forrester)。
- 2020年7月の米国消費者1,043人(18歳以上)を対象とした調査では、51%がスマートスピーカーで広告を聞いたことがあると回答しており、2019年5月の25%から増加しています。また、最新の調査では、85%がこれらの広告を少なくとも毎週聞いていると答えています(アドビ)。
- 7月には、消費者の58%が、他の主要な広告フォーマット(テレビ、紙媒体、オンライン、ソーシャル)に比べ、スマートスピーカー広告のほうが「出しゃばり度」が低いと回答しており、57%が「ニーズや興味との関連性が高い」、52%が「より魅力的」としています(アドビ)。
- 7月には、消費者の51%が、他の主要な広告フォーマットと比べ、スマートスピーカー広告のほうがブランドを想起しやすいと回答しています。さらに53%が、スマートスピーカー広告が後日の購入に繋がったと答え、2019年5月調査時の39%からの増加を示しました(アドビ)。
- 調査回答者の半数以上(55%)が、スマートフォンで調べ物をするときに音声を利用する可能性が高いと回答しています(Perficient)。
- 消費者の64%が運転中に音声コマンドを使用していると回答(Perficient)。
- 米国の消費者の3分の1近くが、スマートスピーカー経由でカスタマーサービスを受けることに興味があると回答しています(Statista)。
- 市場を世代別に見てみると、米国のミレニアル世代(24〜39歳)の41.1%がスマートスピーカーを使用しており、次いでX世代(40〜55歳)の34.0%、ベビーブーマー(56歳以上)の17.6%となっています(eMarketer)。
- 2020年末までに北米のマーケターの34%がAlexaスキルやGoogleアクションなどの音声アプリを立ち上げていると予測(Voicebot.ai/Voices.com)。
- 企業は音声に大きな可能性を感じており、ビジネスの意思決定者の66%が音声がコンバージョンの促進と収益の増加に役立つことに強く同意しており、71%が顧客体験の向上に役立つと考えています(アドビ)。
- 2023年までに、従業員とアプリケーションとのやりとりの25%が音声で行われるようになり、2019年の3%弱から増加すると予測(Gartner)。
- 16%の消費者が音声システムによるヘルプを好むと答えたのに対し、71%の消費者は人によるヘルプを好むと答えました。AI音声アシスタントを好むと答えた人のうち73%が、パンデミックによって音声アシスタントに魅力を感じるようになった、と答えています(Morning Consult)。
※本記事は、2020年9月21日にゲイル ケステン(Gayle Kesten)氏が寄稿したブログの抄訳版です。