世界130カ国で商品を販売する味の素グループがAdobe Signを採用。契約リードタイムが大幅に短縮

味の素株式会社

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味の素株式会社

事業内容: 食品事業、アミノ酸事業、医薬事業

従業員数: 単体 3,184名、連結33,461名(2021年3月31日現在)

www.ajinomoto.co.jp

高品質アミノ酸の独創的な製法・利用法の開発を通して事業領域を拡大し、国内外で食品事業、アミノサイエンス事業を柱とした幅広い事業を展開する味の素グループの中核企業。事業を通じて「健康なこころとからだ」「食資源」「地球持続性」の課題解決に取り組み、世界中の人びとのウェルネスに貢献している。

導入製品:

Adobe Sign

Enterprise Edition

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課題

年間数千件に及ぶ契約業務を効率化したい。

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成果

・よりスムーズなテレワークに貢献

・契約締結プロセスが大幅に簡素化

・契約リードタイムが大幅に短縮

・契約業務以外にも利用が可能

「グローバル展開する当社のビジネスに、スムーズに対応できるプラットフォームだったことが導入の決め手です」

執行理事 法務・コンプライアンス部長 竹原 修平氏

世界一のアミノ酸企業である味の素グループは、世界130カ国で商品を販売するなど、グローバルに事業を展開している。近年新たな課題として浮上したのが、紙ベースの契約におけるリードタイムの長さだった。グループ全体の電子契約プラットフォームとしての活用を視野に、味の素株式会社が導入したAdobe Signは、スムーズなテレワークも含め、業務の効率化に貢献している。

契約手続きのリードタイムがグローバル展開の足かせに

「"アミノ酸のはたらき"で食習慣や高齢化に伴う課題を解決し、人びとのウェルネスを共創する、"食と健康の課題解決企業"」。それが味の素グループの掲げるビジョンだ。グルタミン酸というアミノ酸の一種を原料にするうま味調味料「味の素」が世に送り出されたのは1909年のこと。世界一のアミノ酸メーカーに成長した味の素グループの事業領域は、今日、食品だけに留まらない。その一例が、アミノ酸を洗浄成分とした肌に優しいシャンプー・ボディソープだ。また同グループが供給する高品質のアミノ酸が点滴の輸液に用いられるなど、アミノ酸の役割は多岐に及ぶ。

現在同グループは、世界35の国・地域に拠点を展開。味の素ブランドの商品は130以上の国・地域で販売されている。また2019年にオペレーション業務改革を目的とした合弁会社をアクセンチュア株式会社と設立するなど、デジタルトランスフォーメーション(DX)による改革にも積極的に取り組んでいる。

こうした中、課題として浮上したのが、特に国内外の取引先・関係会社と取り交わされるさまざまな契約締結に要するリードタイム削減だった。電子契約ソリューション導入に当初からかかわってきた、執行理事法務・コンプライアンス部長の竹原修平氏はこう振り返る。

「従来の紙ベース契約の場合、契約書の郵送だけでも数日必要になり、締結までに1カ月ほど掛かることが一般的でした。また大きな取組の場合、3、4社間で契約を交わすことも珍しくないため、郵送によるやり取りにはさらに時間が掛かるのが実情でした。年間数千件に及ぶ契約業務の効率化に向け、調達部門から提案されたのが電子契約の導入でした」

味の素株式会社

(左から)執行理事法務・コンプライアンス部長 竹原修平氏、知的財産部 契約・商標グループ 黒田雅人氏、法務・コンプライアンス部 岩井涼子氏

グローバル運用を視野にAdobe Signを採用

味の素株式会社が、電子契約への取り組みを開始したのは2019年秋のこと。その検討において最も重視したのが、グローバル展開するビジネスにスムーズに対応できるプラットフォームであるという点だった。

「世界各国で事業を展開していることもあり、グループ全体の電子契約プラットフォームという将来像も視野に製品選定を行いました。検討を進めた結果浮上したのが、34の言語に対応し、グローバルなサービスを提供するAdobe Signでした。また個人的な印象になりますが、プレゼン時にアドビさんならしっかりとしたサポートが期待できるのではと強く感じられたこともAdobe Signを推した理由の一つでした」(竹原氏)

紙ベースの契約から電子契約への移行にあたり、運用に関するルール策定などを行ったことも注目したいポイントの一つだ。「契約書PDFはオンラインストレージにアップロードし、事業部ごとに管理しています。そのほか、Adobe Signによる契約手続きの簡易的なマニュアルを作成し、契約の都度、取引先にもお渡しできるように準備しています」(法務・コンプライアンス部 岩井涼子氏)

コロナ禍のスムーズなテレワーク移行にも貢献

Adobe Signの運用を開始したのは2020年4月。導入効果としてまず挙げられるのが、コロナ禍を受けて本格化したテレワークへの貢献だった。「当社の場合、緊急事態宣言下の事務部門の出社率は15%前後で、今も8割前後がテレワークを行う態勢が続いています。契約相手も含め、出社し、捺印を行うプロセスが不要になったことは大きな成果の一つと考えています」(岩井氏)

もちろん紙出力した契約書を製本、捺印し、必要に応じて印紙を貼って郵送するという手間が不要になった効果も大きい。知的財産部 契約・商標グループの黒田雅人氏はこう語る。

「事業部門側で契約相手と契約書の内容を擦り合わせてもらい、知的財産部、法務・コンプライアンス部が最終的に契約書をAdobe Signにアップしてメールしています。もともと製本、捺印、郵送などの締結手続きは各事業部門が担当しているため、我々の部門での定量的な比較は難しいのですが、以前に比べて契約手続きのリードタイムが大幅に圧縮できていることは間違いありません。例えば、ブラジルの関連会社との契約で、夕方にAdobe Signのリンクを送ったところ翌朝には契約が締結されていた、というケースもありました。以前であれば、契約書締結のやり取りだけでも1週間以上みる必要があったことを考えると効果はかなり大きいと思います」

グループの電子契約基盤としての活用を推進

現在、法務・コンプライアンス部はAdobe Signによる電子契約の一元化に向け、グループ関連会社への説明会も積極的に行っている。

「すでに財務関係を扱う関連会社がAdobe Sign導入に手を挙げています。また契約書以外で、例えば品質管理に関する取り決めに活用できないかといった問い合わせも多いですね。特に医薬品の承認手続きでは、品質管理に関するさまざまな書類が必要です。こうした関門が突破できれば、グループ内の普及も一気に進むと思います」(岩井氏)

社内の承認システムとの連携も今後の関心事だ。

「契約内容などの社内承認には、ワークフローシステムで別途導入しています。このシステムとAdobe Signを連携することができれば、契約内容の確認から実際の契約締結まで、シームレスな業務が可能になるのではと期待しています」(岩井氏)

さらに取締役会議事録の電子化も今後の検討テーマの一つ。現時点では法的要件を満たすことのハードルの高さもあり、Adobe Signの電子署名による議事録の電子化には踏み出せていないという。味の素グループは今後、課題を一つ一つ乗り越え、Adobe Sign普及を図っていく考えだ。

※掲載された情報は、2021年7月現在のものです。

* Adobe Signは2022年3月にAdobe Actobat Signにリブランドしました。

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