スポーツの製造・小売り企業がライセンス管理を一元化。デザイン作業の効率化と、一層の品質向上も実現

株式会社アルペン

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設立

1972年

所在地:愛知
https://www.alpen-group.jp/

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デザイン作業時間が 1/5 以下に

導入製品:

課題

ライセンス管理の効率化

成果

ライセンス管理の省力化

管理画面によるアドビ製品ライセンスの一元管理を実現

デザインの表現力が広がった

Typekitの活用がデザインの幅を広げることに貢献

デザイン作業時間が1/5以下に

パペットワープなどの新機能やライブラリの活用で、デザイン作業時間が短縮

3D表現も可能に

3Dプレゼンテーションの基盤を構築

「スポーツを身近に」をテーマに多角的なビジネスを展開

株式会社アルペンは、「スポーツをもっと身近に」をテーマとして多角的に事業を展開するスポーツ関連企業だ。「アルペン」や大型ゴルフ専門店「ゴルフ5」、大型スポーツ用品専門店「スポーツデポ」などのチェーンストアを全国展開するだけでなく、独自に研究・開発した製品をオリジナルブランドで販売する製造小売(SPA)に1970年代から取り組んできたという一面も備えている。その品質は、自社開発のプロ用スキー板を使用した選手がソチ五輪で金メダルを獲得するなど、アスリートからも高く評価されている。

2017年12月現在、同社が全国に展開する店舗網は約420店舗。そのほかゴルフ場、スキー場、フィットネスジムなどのスポーツ施設を運営することも同社の特長の一つ。スポーツ用品の製造から販売、スポーツ施設運営も手がける日本のスポーツ小売業のパイオニアとして、スポーツをエンジョイするすべての人にとって身近で頼れる存在であり続けることを目指している。

ライセンス管理の効率化のためCreative Cloudに移行

同社には、数々の栄光を積み重ねた歴史あるブランド「Hart」、アスリートブランドの「TIGORA」など、11のオリジナルブランドがある。ウィンタースポーツからマリンスポーツに至る多様な商品の企画・デザインは、すべて社内で行っている。ユーザーとの距離の近さに基づく真のユーザーニーズに立脚した商品開発は、同社の強みになっている。

同社デザイン部門は1990年代にアパレル専用CADソフトによるデザインから、IllustratorとPhotoshopによるデザインに移行。10年ほど前に一人一台体制を確立し、現在に至っているが、デザイン部門のハード・ソフト購入は部署ごとに予算を組んで行ってきた関係上、バージョンが揃わない状態が続いていた。情報システム部 本社支援グループの峠 秀胤氏はその理由をこう説明する。

「デザイナーが必要とするハードのスペックは業務に応じて異なります。作業の効率性を確保するという観点から、ハード、ソフト共に必要に応じて購入してもらうことが合理的と考えたことがその理由です」

それに伴い、ソフトウェアのライセンス管理は非常に煩雑化していた。こうした状況の改善を図るため、同社はCreative Cloudへの移行を進めることになった。

株式会社アルペン

管理画面によるライセンス一元管理を実現

Creative Cloudへの移行の第一の効果は、課題であったライセンス管理の一元化が実現したことだ。管理画面で部署別にライセンスを管理することで、誰がどのライセンスを使っているのかが一目で分かるようになったことを峠氏は高く評価する。

「さらに各部署が数本単位で購入していた以前と違い、一定数がまとまることでボリュームディスカウントが利用できるようになったこともメリットの一つです。当社のCCユーザーは20名弱ですが、それ以外にも50名近くのPhotoshop、Illustratorのユーザーがいます。今後、ハード入れ替えのタイミングで、Creative Cloudへの移行を進める予定です」(峠氏)

Creative Cloudがデザイン作業効率化に貢献

常に最新機能が使えるCreative Cloud移行のメリットは、管理の容易さだけではない。主にギア商品の企画・デザインを担当するアウトドア商品部 ウィンターグループの森 祐樹氏はこう語る。

「Creative Cloudへの移行は、新機能によるデザイン作業の効率化にもつながっています。例えば、Photoshopの『コンテンツに応じた塗りつぶし機能』を活用することで、かなり効率的に作業を行えるようになりました。Illustratorでは、マウス操作などでアートワークの自然な変形が行える『パペットワープ』に注目しています。従来はアートワークの修正には、パスを一つ一つ調整していくほかありませんでしたが、パペットワープならそれが即座に行えるのでとても効率的に作業が行えます」

多様なアプリケーションで作成したデザインアセットを一元管理できるCreative Cloudライブラリも森氏が高く評価する機能の一つだ。

「例えば一つのアートワークを複数のデザインに展開する場合、これまでは展開後のアートワーク修正は一つ一つ行うほかありませんでした。しかしCreative Cloudライブラリに登録したアートワークの場合、そこで修正を行うとすべての展開先にそれが反映されるため楽ですね。修正作業時間は1/5以下に短縮されました」

株式会社アルペン

株式会社アルペン 森 祐樹氏(左)、峠 秀胤氏(右)

デザインの幅を広げたクラウド経由のサービス

Creative Cloudは作業の効率化だけでなく、デザイナーの表現力を広げることにも貢献している。

「クラウドで多彩なフォントを提供するTypekitはその一例です。デザインの印象はフォント次第で大きく変わります。私がレディース製品のデザインを担当すると硬くなりがちだったこともあり、フォントの選択肢が広がったことはとても助かっていますね」(森氏)

またスマホで撮影した写真からカラーテーマやパターンがスムーズに作成できるCapture CCは、導入後即座にデザイン部門のスタッフ全員が活用を開始しているという。森氏が現在、注目しているのは2Dと3Dのリアルな合成が簡単にできるグラフィックデザイナー向けの3Dツール、Dimension CCだ。

「自部署はゴルフボールやバスケットボールのデザインも担当しているのですが、Illustratorの表現ではどうしても平面的になります。しかし3Dで表現できれば、デザインに関する知識がない人にも分かりやすくイメージが伝えられる上、我々も立体物の仕上がりがよりイメージしやすくなります。そのため現在、Dimension CCが利用できるコンプリート版への移行を検討しているところです」

Creative Cloudが備える多彩な機能の活用促進は、現在の課題の一つだ。

「当社では簡単な動画制作なども社内で行っていますが、その編集はこれまでハードに付随する編集ソフトで行うことが一般的でした。当社ではすでに一部でコンプリート版を導入していますので、動画編集を機能的にも優れているCreative CloudのPremiere Pro CCやAfter Effects CCで行うよう、啓発に努めている段階です」(峠氏)

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