スモールスタートから短期間で 動画内製を本格化

株式会社 ベルーナ

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トヨタファイナンス

創業

1968年

従業員数:3,444名(2022年3月期 連結)

所在地:埼玉県

https://www.belluna.co.jp/

20%

商品購入率がアップ

導入製品:

課題

新たなマーケティングツールとして動画を内製で制作したい

成果

既存のCreative Cloudライセンス内で動画制作ツールを利用開始

従来の静止画に動きをつけて商品の特長をより魅力的に訴求

短期間で動画制作スキルを習得

ネイティブファイルのスムーズなやりとりで作業効率が向上

「Premiere Pro は、紙媒体の制作スタッフにも入りやすく、

動画内製化のハードルを下げてくれました。」

株式会社 ベルーナ 企画本部 制作室 室長  新井 孝史

動画広告の市場は年々拡大を続けており、通販業界においても、ECサイトやSNSを利用して商品紹介動画を配信する企業が急増している。通信販売総合商社の株式会社 ベルーナも、紙媒体やwebメディアで展開していた商品紹介の動画化を検討。動画編集ツールにAdobe Premiere Proを採用し、スキルもリソースも不十分な状態からスモールスタートで実績を積み上げ、短期間で動画内製の礎を築いた。

スキルとリソース不足が動画内製化の高いハードルに

株式会社 ベルーナはこれまで、カタログやチラシなどの紙媒体のほか、webなどのデジタルメディアを通して顧客とのコミュニケーションを図ってきた。その中で、新規顧客獲得のためのチラシ、新聞広告、ダイレクトメールなどは社内の制作チームによって内製化している。同社の制作室は17名のスタッフで構成され、アパレル、家電、雑貨などのジャンルに分かれて制作を行っている。

昨今、動画を活用したマーケティング戦略に取り組む企業が急激に増えており、同社でもその必要性を感じはじめていた。また、スマートフォンなどを利用したECサイトからの受注が伸びていることから、今後は紙媒体を通したコミュニケーションが難しくなっていくだろうという懸念も生まれていた。

しかし、これまで紙媒体を中心に制作を行ってきた制作室にとって、動画への挑戦はかなりハードルが高いものだった。同社の企画本部 制作室 室長の新井 孝史氏は当時をこう振り返る。「動画に関するスキルやリソースは全くなかったので、我々だけで始めるのは、かなりの不安がありました。当然、動画制作の知識のあるスタッフを採用したり、機材を揃えたり、コストもそれなりにかかるだろうと予測していました。何はともあれ、できるところから始めて、少しずつでも実績をつくっていかないと予算も下りないので、やるしかないという思いでした」

新井氏はまず、アドビが主催する「動画内製化セミナー」に参加し、基礎的な知識を学んだ後、セミナー講師が企業向けに動画制作コンサルテイングを行っている株式会社火燵(こたつ)の存在を知り、直接コンタクトをとって依頼することとなった。さらに、動画制作の経験のあるスタッフ1名を新たに採用し、あとは従来からのスタッフに動画スキルを習得させる方向で準備を進めた。

Premiere Proの採用で導入コストを大幅に削減

コンサルタントのアドバイスを得ながら環境の整備を進めていた同社は、動画制作の要となる編集ツールにAdobe Premiere Proを採用した。その理由について新井氏は次のように話す。「元々、制作室にAdobe Creative Cloudグループ版を導入していましたので、追加コストをかけずにPremiere ProやAfter Effectsといった動画制作ツールがすぐに使えるというのが大きかったです。ライセンス管理の手間が新たに増えるということもありませんし、日常使っているPhotoshopやIllustratorと連携がしやすいという点も、採用理由のひとつです」

同社の場合、制作物で使用する商品画像などの素材は、ほとんどがメーカーから支給されるものだ。動画化するにあたっては、まずこうした商品画像、そしてテキストやイラストといった静的な素材に動きをつけて見せることを前提に置いていた。そのため、当面は撮影機材の導入は必要ないだろうという判断で、規模やコストを抑えたスモールスタートとなった。

紙と動画のギャップを埋める、アドビ製品間の連携

主に動画制作は、それまで紙媒体の制作を行っていたA氏と、制作室で唯一の動画制作経験者であるB氏の2人が担当している。初めてPremiere Proを開いた時の感想をA氏はこう語る。「初めはどれがなんだかわからない状態ではあったのですが、1つ1つ読み解いていくと、Illustratorと似たパネルがあり、Photoshopと使い方が一緒というものが多く、入りやすかったという印象があります」

前職からPremiere Proを使ってきたというB氏は、他のアドビ製品との連携について高く評価している。「デザイン的な要素はほとんどIllustratorやPhotoshopで組み、それをPremiere Proで動きをつけています。ネイティブファイルでのやりとりがとてもスムーズで、Photoshopで修正するとすぐにPremiere Proにも反映されるので効率がいいですね」(B氏)

エンゲージメント開発部長 菅谷 慎史氏

動画掲載後に商品の購入率が20%アップしたものも

動画内製を開始してから半年以上が経過し、現在は主に家電・雑貨類を中心とした商品紹介動画の制作がメインとなっており、それらは自社ECサイト「NOAN」の商品ページに載せられている。その数は1シーズン約30本に及ぶ。従来は静止画のみの商品紹介であったが、動画を追加したことでどのような変化が生まれたのだろうか。「企画担当から、ある商品の購入率が動画掲載前と後で20%アップしたという話を聞いております。一概に動画だけの効果とは言い切れないのですが、ページの滞在時間が伸びているなど、それなりの効果は出ていると思います」(A氏)

社内の反応については、「動画内製化の認知度が上がってきています。社内の各方面からは動画をもっと増やしていきたいという声も聞きますし、実際に新たな部署からの依頼も少しずつ増えています。これまで社内では『動画は使ってみたいけどコストがかかる』という印象が強く、こうして内製でできていることがわかれば、自分のところでも使ってみたいという部署が出てくるでしょう。元々想定していたよりもコストはかかっておりませんので、そういった意味では、コスト効率の面でも貢献できているのではないでしょうか」(新井氏)

また、紙と動画という全く異なる媒体を扱ってきたA氏とB氏の2人の連携が、制作の品質向上につながる効果をもたらしているという。「Bさんに色々とアドバイスをもらいながら、シーンを切り替えるタイミングや注目させるための動きなど、お客様に商品を伝える上で紙にはない新たな表現方法を見出せたことが、とてもいい経験になっています」(A氏)。「フォントの選び方や文字の組み方など、Aさんが紙媒体で培ったスキルはすごく勉強になります。そうしてお互いのスキルを共有しながら作品のクオリティを高めていけるのは、とてもいい相乗効果になっていると思います」(B氏)

自社スタジオの新設を動画事業拡大の起爆剤に

同社では、2022年7月に撮影スタジオを完備した新オフィスを本社近くに開設した。撮影スタジオにはテイストの異なる4つのブースを設置し、アパレルやインテリア雑貨の商品撮影やインスタライブの撮影会場として、マルチに活用できる仕様となっている。「今回の新オフィスは、EC販売の取り組み強化という目的があります。自社サイトだけでなくSNSでの情報発信にもより力を入れていくという考えで、そこには当然、動画コンテンツもますます重要になってくるはずです。今後はオリジナルの動画素材の撮影などにも積極的にスタジオを活用していきたいですね」(新井氏)

アパレル、インテリア、家庭雑貨の通販事業のほか、グルメやホテルなどの分野にも事業を拡大する同社にとって、動画活用の可能性は無限に広がっている。スモールスタートで着実に実績を積み上げてきた株式会社 ベルーナの動画事業は、これからが本格的なスタートとなるだろう。

※掲載された情報は2022年7月現在のものです。

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