急成長するイノベーション企業がスピーディーなUI/UX デザインにAdobe XD を活用

株式会社ビズリーチ

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創業

2009年

所在地:東京
https://www.bizreach.jp

1.5倍

プロトタイプ変換を高速化

導入製品:

課題

・顧客ニーズに対応した多様なUIをより短期間で仕上げる必要性

・プロトタイプ変換の待ち時間の長さ

成果

プロトタイプ変換を高速化

ツール内ですばやくプロトタイプに変換。他社製品と比べて1.5倍速く作れる

コラボレーションの進化

プロトタイプによる直観的な情報共有を実現

軽い操作感が作業を効率化

アドビ製品のショートカットキーが利用できる

日本語版による作業性向上

日本語ローカライズで安定した動作。意図するUIを実現できる

人材と企業をインターネットで結ぶ転職サイトなど、働き方を変えるサービスで注目される株式会社ビズリーチ。2009 年の創業以来、急成長を続ける同社は300 名規模のデザイナー・エンジニアを擁し、自社プロダクトを内製する事業会社である。スピード感ある事業展開が求められる中、デザインの現場ではUI / UX デザインからプロトタイプ変換まで一元的に対応するAdobe XDが大きな力を発揮している。

「なにしろ軽い。そして動作が安定している。Adobe XDは私が待ち続けてきたUI/UXデザインツールです」

プロダクトデザイン部 HRMOS採用管理事業グループ マネージャー 兼ビズリーチ事業グループ マネージャー 兼 デザイン戦略室 マネージャー/IA  福山 憲司氏

プロダクト制作の内製化で事業展開のスピードに対応

人材領域を中心に事業を展開する株式会社ビズリーチは、積極的なテレビCMの影響もあり、その名を知る人は多い。しかし、同社が70名のデザイナーと230名のエンジニアを擁し、自社コンテンツを内製するクリエイティブチームでもあることを知る人は少ないはずだ。その理由をビズリーチデザイン本部プロダクトデザイン室室長の福山憲司氏はこう説明する。

「クリエイティブのインハウス化は、採用活動も含め、大きな負荷が生じるのも事実です。それにも関わらず当社が内製に取り組む第一の理由は、ずばりスピードにあります。社外の協力会社とやり取りして作業を進めるのとでは、全くスピード感が違いますからね」

スピード感は、同社を語るキーワードでもある。創業は2009年。2013年に100名だった従業員数は現在約1,300名。この急成長を支える一つに内製化があることは間違いない。

より早く、より安定的に作業できるツールが必要だった

即戦力人材の「ビズリーチ」、20代を対象とした「キャリトレ」などで知られる同社が現在、力を入れているのが、戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」と名付けられた新サービスだ。そのシリーズの一つである「HRMOS採用管理」は、採用プロセスをはじめとする多様な人事情報を蓄積したデータベースを中核にクラウドで展開しており、既に多くの企業で導入が進んでいる。それに伴い、同社の制作部門は顧客ニーズに対応した多様なUIを、より短期間で仕上げることが強く求められている。こうした中、デザイン部門のスタッフは従来のUI/UX デザインツールに不満を感じることが少なくなかった。特にプロトタイプ変換の待ち時間の長さは大きな問題になっていた。こうした中で登場したのが、デザインツール内の簡単な操作だけですばやくプロトタイプ変換が行えるAdobe XDだった。

プロトタイプ変換の待ち時間を大幅削減

Adobe XD導入の第一の効果は、プロトタイプ変換の圧倒的な速さだった。HRMOSのUIを担当するデザイン本部 デザイン戦略推進室デザイン・ブランディンググループ 兼プロダクトデザイン室HRMOS採用管理事業グループ(プロダクトデザイン)の五十嵐未夏氏はこう証言する。

「従来のUI デザインツールでプロトタイプ変換を行うには、変換ツールにデータを送る必要がありました。依頼されたその日のうちにUIを仕上げることが基本になるだけに、その待ち時間には大きなストレスを感じていました。Adobe XDを使うようになってからは、ツール内で即座にプロトタイプ変換が行えるようになり、スピード感を維持したまま、作業が続けられるようになりました」

軽い操作感が作業を効率化

レスポンスの速さも高く評価するポイントの一つだ。

「作業効率の向上には、軽い操作感でサクサクと動く点も大きく貢献しています。また機能が絞り込まれている点にも好印象を持っています。私はデザインとは本来、何かを加えるのではなくそぎ落としていくことだと考えています。そういう意味でAdobe XDには、デザイナーにとって必要にして十分な機能が備わっています」(福山氏)

アドビ製品に共通するショートカットキーが利用できる点も見落とすわけにはいかない。

「私の場合、デザインという仕事をはじめて20年になりますが、その間、ずっとIllustratorをはじめとするアドビ製品が身近な場所にありました。ベータ版が出てすぐにAdobe XDに飛びついた理由の一つには、その中で覚えたさまざまなショートカットキーがそのまま使えるという点もありました」(福山氏)

作業の慣れもあるが、プロトタイプ変換の速さと操作感の向上により、他社製品と比較しても体感的に1.5倍以上速く作成できるようになったと五十嵐氏は言う。さらに、日本語入力時の安定性や、和文欧文が混ざった文章でのプレビューの精度、またline-heightの正確性などは、日本語のUIを扱う国内のプロダクトデザイナーにとって、生産性に大きく影響する優位性であると福山氏は評価する。

より効果的なコラボレーションを実現

同社は現在、プロトタイプの共有にCreative Cloudライブラリを活用することで、デザイナーとエンジニアのコラボレーションに大きな成果を上げている。

「画面遷移やアニメーションの動きが検証できるプロトタイプは、コラボレーションの観点でも有効に機能します。当社ではCreative Cloudライブラリでプロトタイプを共有し、デザインレビュー後、デザイナーによるUI の手直しとエンジニアによる基本設計を並行して行う取り組みも進めています」(福山氏)

なおデザインレビューは、Adobe XDのコメント機能と社内コミュニケーションツールを併用しているという。

「画面内の特定の部分についてフィードバックする場合は、Adobe XDのコメントのピン留め機能を使用し、『右上見出し』など言葉で指示できる内容については、社内チャットツールにアップしたスクリーンショットをベースに意見交換を行っています」(福山氏)

株式会社ビズリーチ 五十嵐 未夏氏(左)、福山 憲司氏(右)

社内チャットツールで新機能を紹介しAdobe XD 活用を促進

Creative Cloudライブラリは、2018 年8 月時点ではAdobe XDに完全対応していない。福山氏は、双方の連携強化に大きな期待を寄せている。

「現時点では未対応ですが、例えばシンボルを共有できるようになるとすごいことになると思います。スタッフ間でアセットを共有できるようになることの意味はかなり大きいので、とても期待しています。また当社では、毎月のアップデートの都度、社内チャットツールで新機能を紹介しています。今後もAdobe XDの活用を通し、一層の業務の効率化を図っていきたいと考えています」