20%
制作期間が短縮
8割
確認作業時間削減
課題
・異なるステークホルダーが別々のファイル形式で資料をまとめるため、そのとりまとめに手間がかかっていた
・紙資料のレビューでは同じ個所への指示が複数存在した場合、その意図を別途電話で確認するなどの対応が必要だった
成果
・複数のドキュメントを形式を変えずに自動でとりまとめ
・ドキュメントレビューにおける意思疎通がスムーズになり、時間も短縮
・請求書の電子化と電子サイン利用によるバックオフィス業務の効率化と、リモートワークの実現
「協力会社への修正指示に共有レビュー機能を使ったところ、『こんなに分かりやすい指示は初めてです』と感動されました」
アドバンストクリエイティブセンター AIクリエイティブ事業部 デザイングループ クリエイティブマネージャー 飯島 美喜氏
株式会社電通デジタルは、Adobe Acrobat DCを活用したペーパーレスを推進。制作部門では制作物のやり取りをPDF上で完結する流れに置き換え、確認に要する時間を約8割も削減。またバックオフィス部門においても、請求書をはじめとする証憑書類のPDF化を積極的に推進し、ほぼすべてリモートワーク化するなど、その業務改革に大きな役割を果たしている。
コミュニケーションを巡る課題解決にPDFを活用
国内最大規模のデジタルマーケティング会社として成長を続ける株式会社電通デジタルは、2016年の設立以来、労働環境の改革という大きな流れに対応し、業務の効率化を積極的に推進している。その中で浮かび上がったのが、ドキュメントに関する課題だった。アドバンストクリエイティブセンター ブランデッドダイレクト第1事業部 第2グループ グループマネージャー クリエイティブディレクターの原田 洋平氏はこう説明する。
「分かりやすい例がファイルの統合です。コピーライターはWord、プランナーは簡単な絵コンテやExcel、アートディレクターは手書きのイラストなど、使い慣れたツールでアイデアを持ち寄ります。しかし、前述の通り、様々なステークホルダーが異なるファイル形式でレビューを持ち寄るため、こうしたアイデアを一つにとりまとめて共有するには、これまで一手間も二手間も必要でした」
この問題を解決したのが、案件に関連するファイルを元の形式のまま、1つのPDFに自動でまとめるAcrobat DCのポートフォリオ機能だった。
「以前のPDFのイメージは、企画書などのドキュメントデータを軽くできるツールという程度の認識しかありませんでした。しかし、ポートフォリオ機能以外にも、PDFに動画を埋め込めるRich Media機能やページのトリミングなど、さまざまな機能を使ってみて『これ、いいね』とすぐに思いました。制作チームではAcrobat DCが3、4年前から欠かせない存在になっています」(原田氏)
共有レビュー機能で赤字対応を大幅に効率化
Acrobat DCの効果はそれだけではない。アドバンストクリエイティブセンター AIクリエイティブ事業部 デザイングループ クリエイティブマネージャーの飯島 美喜氏が以前から感じていたのが、クライアントとの修正指示のやり取りの非効率性だった。
「赤字による修正指示は紙ベースで行うことが多いのですが、その場合まず問題になるのが、同じ個所への赤字が複数存在し、それがどういう順序で記入されたのか分からない点でした。これまでは赤字の意図を読み取り、場合によっては確認の電話を入れるなどの対応が必要でしたが、指示履歴が残るAcrobat DCの共有レビュー機能を利用することでこうした課題は大幅に改善されています」
ダイレクトで直感的な指示を実現
より直感的な修正指示が可能になったこともAcrobat DCの効果の一つだ。
「例えばメールで画像のトリミング変更を指示する場合、『中段の右の画像』などと指示したうえで、トリミング変更を指示する必要がありましたが、Acrobat DCであれば画面上で手書きするなど、より直接的に指示することが可能です。齟齬が生じにくい形でやり取りできるようになったことはとても助かりますね」(原田氏)
修正指示の効率化はパートナー会社とのやり取りでも大きな成果を挙げている。
「『こんなに便利な機能があったんですね!』と取引先担当者に驚かれたことも少なくありません。また共有レビュー機能を使ったやり取りは、共通理解を深めるうえでも大きな役割を果たしています」(飯島氏)
また、Acrobat DCの「ファイル比較機能」の活用により、赤字修正の対応漏れが素早くチェックできることで、確認に要する時間が8割ほど減り、制作期間が約20%短縮できていることもメリットの一つという。
共有レビューにコメント返信できるので、Acrobat内で指示確認が完結する
バックオフィス業務のリモートワークにも貢献
コミュニケーション効率化の観点で制作部門を中心に活用が進んだAcrobat DCは、コロナ禍に伴うリモートワーク移行でも大きな役割を果たしている。コーポレート部門 経理部長の小田原 真氏はこう説明する。
「コロナ禍に伴うリモートワーク移行は、時間が勝負という面がありましたが、Acrobat DCを活用することで、バックオフィス業務も含めたリモートワーク移行を2、3日後に控えた段階でもスムーズな対応を実現しています。電子サイン機能により経理業務もほぼリモート化できたので、2、3カ月に一度、銀行との書類によるやり取りが必要になる際以外は出社の必要がない状態が実現できています」
Acrobat DCの署名や電子サイン機能は、制作以外の業務効率化にも大きな役割を果たしている。日々発生する請求書や見積書の申請内容に齟齬がないかチェックする役割を担う、事業戦略室 事業推進部 計上管理グループの大石 愛氏はこう説明する。
「以前はその都度、紙帳票を用意して確認していたのですが、電子化によりモニター画面上でチェックが行えるようになりました。記入間違いを発見し修正を依頼する際も、これまでと違い、電子ベースでやり取りできるため、とてもスムーズになりました」
請求書の電子化は、保管スペースの削減という観点でも大きな役割を果たしている。株式会社電通 インターナショナルアカウントルーム シニアアカウント・プランナーのフフー チンバット氏はこう指摘する。
「私の部署だけでも請求書は毎月100通以上発生し、取引先用と社内保管用に加え、もう一通予備を発行するというルールもあり、その量は膨大でした。移行後はオフィス内の紙資料は目に見えて減りました」
証憑書類の電子化により、法律で定められた保存期間に対応するために必要になっていた保管スペースの確保が不要になったこともメリットの一つだ。またAdobe Scan(モバイルアプリ)のOCR機能により、紙資料のテキスト化が可能になったことも大きい。
共有レビューにコメント返信できるので、Acrobat内で指示確認が完結する
デジタル化によるペーパーレスが全社的な業務改革に結びつく
「制作サイドでは確実にAcrobat DCの活用が進んでいますが、まだまだクライアント側には浸透していないのが実情です。情報共有の促進は、クライアントにとってもメリットは大きいはずなので、制作業務の全領域でAcrobat DCが使われるような状況を推進していきたいですね」(原田氏)
バックオフィス業務でもAcrobat DCを活用し、さらなる業務のデジタル化を推進していくという。
「Acrobat DCを使って実感したのは、まず紙をデジタル化することで多くの業務効率が向上したことです。取引先や協力会社と取り交わす契約書類によってはPDFでデジタル化してやり取りが可能で、これにより郵送代や時間・保管コストが大幅に削減されています。今後も、電子帳簿保存法改正やインボイス制度などのルールを見極めながらドキュメントを電子化し、さらなる業務改革につなげていきたいです」(小田原氏)
※掲載された情報は、2022年5月現在のものです。
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