導入製品:
課題
新規事業のスムーズなスタートアップ
学習やコミュニケーションのコスト
成果
開発工程を効率化あらゆるコストを削減
ツール選定、仕様書作成などの工数やコミュニケーションコストの削減に成功
学習コストをかけずに使える
アドビユーザーなら初期学習が必要なく、インストール後にすぐ使える
チーム全体で品質向上に取り組める
スクラム開発との親和性が高く、関係者全員でよりよいサービスを目指せる
クラウドサービスを一元化
素材をアセットとして共有できることで、高品質でスムーズな制作が可能に
レンタルビデオ事業を手がけたことが始まりの合同会社DMM.com(以下、DMM)。現在運営するサービスの数は、動画やアニメなどのコンテンツ事業から英会話などの教育事業、さらに水族館の施設運営など、多岐に渡る。デザイン部をはじめとする制作チームは以前から一部アドビ製品を導入していたが、Adobe Creative Cloudエンタープライズ版を全社的に取り入れることによって、プロジェクトに携わるすべての関係者がクリエイティブに参加できるようになり、さらにユーザビリティの高いプロダクトを、スムーズに制作できるようになった。
「“スクラム開発”にXDを導入することで、関係者全員で対話しながら高品質なUI/UX開発ができるようになりました」
エンターテインメント本部 デザイン部 部長 齊藤 卓真 氏
新規事業のスムーズなスタートアップに期待
DMMでは各事業体にデザイナーが配置されており、「どんなデザインが求められているか」目的やゴールを見据え、サービスデザインからクリエイティブ制作実務まで幅広い領域を担当している。様々なデザインやアウトプットのニーズに対応するため、必要とするツールは非常に多い。DMM pictures担当デザイナーである宮吉哲平氏はこう語る。
「DMM picturesでは、アニメのパッケージ、ポスター、グッズ、それらに紐づいたWebページといったように制作物自体が多岐に渡るため、最適なアプリケーションを選択しています。グラフィックはPhotoshop、イラストやロゴはIllustrator、印刷物デザインであればInDesign、WebのUI制作はXD、動画編集にはPremiere Proも活用しています」
DMMでは以前よりアドビ製品を活用していたが、「DMM.make」でPhotoshop3Dプリントプロファイルを開発し協業したことをきっかけに、全社的にCreative Cloudを導入。デザイナーだけでなく、デザインツールを必要とする様々な職能者が利用可能となっている。特に効果を発揮したのは、UI/UX開発ツールのAdobe XDだったという。エンターテインメント本部デザイン部部長である齊藤卓真氏は次のように説明する。
「現在のDMMではWebに関わらない事業はないに等しく、デザインの多くは内製化しています。新規事業の創出にも力を注いでおり、構想フェーズからデザインの相談を受けるケースが増えてきました。詳細なビジネスモデルを検討している段階でも、XDを活用することで、サービス提供イメージやユーザー体験を確認できるプロトタイプの提案が可能です。『新しいビジネスのスタートをデザインで後押しする』そういった動きが、XDの導入によって加速することを期待していました」
学習コストやコミュニケーションコストを低減
同社ではAdobe Creative Cloudに関してエンターテインメント本部デザイン部だけでも20、DMM全体では500以上のアカウントを導入している。なかでもXDは、多くのWebコンテンツを持つ同社のUI/UXの開発に大きく貢献している。開発プロダクト毎に様々なデザインツールを使い分けているが、新しいツール・サービスは一から使い方の習得が必要なため、日本語に対応していない場合は導入のハードルが高かった。一方でXDは、従来の作業で慣れ親しんだIllustratorやPhotoshopと同感覚で違和感なく使い始めることができ、学習コストを抑えることができたという。
「対面でのミーティングは総括的な意見を交わす場として位置づけ、デザインの詳細なディテールについてはXDのコメント機能を活用しています。協力会社もXD を導入していたこともあり、やりとりが円滑になりストレスが軽減されました。スピーディーに的確な判断が可能となり、時間はもちろんですが、コミュニケーションコストの大幅な削減ができています」とDMM pictures担当デザイナーの川崎美波氏。
©DMM GAMES/Visualworks/ なむあみうてなプロジェクト
チーム全体で品質向上を目指す‟ スクラム開発” が可能に
XD導入によってコミュニケーション重視の‟ スクラム開発” が加速し、高品質なUI開発が可能となった。
「以前はディレクターが開発要件をまとめ、ユーザー体験に関する議論もデザイナーとディレクターの職能者だけで進行させることが多くありました。しかしXD を企画、ワイヤーフレーム、ユーザーテスト、制作と、UI開発プロセス全てに導入することで、プロジェクトに関わる全員がXDで情報共有できるようになったのです。XDを対話のハブにして、完成イメージを全員で共有することで、高品質なUI開発、サービス開発に挑戦できるようになりました」(齊藤氏)
新たに『DMM百万長者』という公営競技サービスをスタートしたDMMは、このサービスのWebコンテンツ制作でもXDを活用。DMM百万長者 担当デザイナーの伊田はづき氏はこう語る。
「XDはアドビ製品共通の操作イメージで直感的に使用できるだけでなく、複数ページを俯瞰した制作管理が非常に楽だと感じています。新規サービスのため、合計200ページ以上のデザインを進行させていましたが、動きはまったく重くならずにサクサク使えました。私が手がけたデザインを「共有機能」でメンバーが自由に確認できたことで、様々な意見を反映することができました。それによりコミュニケーションが向上したという実感があります。XDを使用することでチームが一致団結し全員でサイトデザインに取り組めたことは大きな効果です」
他にもCreative Cloudのサービスやツールを駆使し、コンテンツの円滑な制作・進行に繋げている。
「DMM GAMESのひとつに『なむあみだ仏っ!』という人気ゲームがあり、DMM picturesでアニメ化しました。DVDリリース時の制作物はパッケージ、盤面、同梱冊子、店頭PR用の等身大パネル、チャプター選択のメニュー動画にいたるまで50以上に及びましたが、事業部を跨いだ制作シーンでもCreative Cloudであれば、素材や装飾の共有で統一感のあるデザインを作成できます。またパッケージのPR用に使用する、DVDや冊子の立体イメージはDimentionで作成しています。初めて使いましたが想像以上に簡単に作ることができました」(宮吉氏)
(左から)合弁会社DMM.com 宮吉 哲平 氏、齊藤 卓真 氏、伊田 はづき 氏、川崎 美波 氏
最新動向を見据え、常に対応できるツールに期待
職種や事業を横断して活用されているCreative Cloudには、さらなる期待を寄せている。
「弊社ではR&D部門もあり、今後新たに生まれてくるであろう新しいメディアに対しても開発を進めていかなければなりません。インターネットはもちろんのことですが、メディアの最新動向にもきちんと対応しつつ、今までのアドビ製品での媒体デザイン同様、新しくなっても違和感なく『学習』ということを意識せず自然に移行できるツールを常にリリースしていただきたいと思っています。また既存のツールについては、処理の自動化が進むなど、さらなる機能のアップデートに大きな期待を持ちつつ、学習面、時間、コミュニケーション、そして費用にいたるまで、すべてに効果を発揮してくれることを願っています」(齊藤氏)
※掲載された情報は、2019年10月現在のものです。