最短10日
でAdobe Signベースの電子契約ソリューションを構築
導入製品:
課題
最大数十ページにおよぶ契約書が月平均400件
コロナ禍でのリモートワークにより契約手続きを早急に電子化したい
成果
ペーパーレスによる業務の省力化
契約書発行から締結まで大幅な時間短縮
電子化による契約手続きの簡素化
社内契約合意などにはMegaサイン機能を活用
「コロナ禍のリモートワーク促進に、Adobe Signによる
新ソリューションが大きな役割を果たしています」
日本ビジネスシステムズ株式会社 モダンワークプレイス本部 クラウド開発部長 森 則慶氏
企業のDX を支援するシステムインテグレーターである日本ビジネスシステムズ株式会社は、コロナ禍のリモートワーク移行を受け、Adobe Sign とMicrosoft 365 を組み合わせた新たな電子契約ソリューションを開発。リモートワークへの対応と共に、ペーパーレスによる作業省力化、契約手続きの簡素化、内容確定から締結までの時間大幅削減などの成果を挙げている。
Customer First を企業理念にDXを支援
日本ビジネスシステムズ株式会社はITプロフェッショナルとしてコンサルティングから設計、構築、運用、活用までを一貫して提供するインテグレーターだ。‟Customer First”の理念のもと、金融、製造・物流、公共、サービスをはじめとする多様な顧客に最適なITソリューションサービスを提供。近年は、クラウドソリューションを基盤に、オンプレミスとクラウドの双方が語れるクラウドインテグレーターとしても高い評価を得る。
同社の契約業務は長年、紙の契約書をベースとして行われてきた。業務システムを開発するという特徴もあり、契約書は最大で数十ページに及ぶ。加えて秘密保持契約(NDA)や反社会的勢力排除条項などが加わるため、その製本や捺印に必要な労力は決して小さくなかった。
「特別な依頼がない限り、紙の契約書を作成して押印した後に営業担当が持参する、もしくはお客様に郵送して契約手続きを進めていました。月平均400件ほどの契約業務の電子化は以前から検討はしていましたが、移行にはお客様の理解も必要になるため、導入の決め手には欠けていたというのが正直なところでした」と総務部法務・コンプライアンス課担当課長の佐藤愛子氏は当時を振り返る。
情報システム部長 稲葉 祥紀氏
総務部 法務・コンプライアンス課 担当課長 佐藤 愛子氏
コロナ禍を受け、Adobe Signを基盤とした電子契約に移行
しかしコロナ禍でリモートワークが普及し、接触機会の削減という観点からも、契約業務の電子化を早急に進める必要が出てきた。電子契約への移行を決断した同社が基盤として採用したのがAdobe Signである。新たな印鑑レスソリューションを法務部門と共に設計・構築した情報システム部長の稲葉祥紀氏は理由をこう説明する。
「理由は大きく2 つあり、ひとつはMicrosoft 365をはじめとするマイクロソフト製品との親和性の高さです。マイクロソフト社と密に連携して事業を行うため、これは非常に重要なポイントでした。もうひとつがAcrobat文書ファイルとのシームレスな連動です。この2点を決め手にAdobe Sign導入を決定しました」
導入にあたりMicrosoft 365と連携した電子契約の仕組みを構築。モダンワークプレイス本部クラウド開発部長の森則慶氏はその仕組みをこう説明する。
「契約書の決裁を受け、まず当社の法務部門が顧客担当者にAdobe Signを使って電子サインを依頼します。その際のアドレス検索は、顧客管理システムの情報に基づいて行います。Adobe Signの電子署名をトリガーに契約ドキュメントがSharePointに自動保存される仕組みです」
さらに契約書にサインが行われると、営業担当に即座に通知されることもその大きな特長だ。これにより契約手続きの進捗を営業担当もリアルタイムで認識できるようになった。
法務部門電子サインシステム構成図
契約締結までのリードタイム大幅圧縮で内容精査の時間もさらに得られる
新システムのリリースは2020年8月。運用開始から4ヵ月を経たが社内の評価は上々だ。
「以前とやり方が大きく異なるため、当初は戸惑いの声が出ることも想定していましたが、むしろ製本や郵送もなく、Adobe Sign 上で契約手続きを終えられるので助かるという意見が多く寄せられています。また印紙税が不要になることも高く評価されています」(稲葉氏)
これまで契約書送付後2、3週間掛かることが一般的だった手続きが電子化によって瞬時に終えられるようになったことも大きい。総務部法務・コンプライアンス課主任の柿島直樹氏は語る。
「案件によって、『2週間後にビジネスを開始したい』との要望もあるのですが、その際は時間に追われながら契約内容を固める必要がありました。しかし、電子契約であれば時間に余裕が生まれる分、内容を精査しながら交渉することが可能になります。1 点、運用において注意しているのは、電子契約はメールアドレスで本人認証を行うため、署名者のアドレスが必要になることです。署名者が先方の担当者とは異なることも多いため、電子契約への移行ではご説明した上で、署名者様のアドレスを提供いただいています」(柿島氏)
社宅契約など福利厚生利用手続きには「Megaサイン」機能を活用
Adobe Signは社宅利用契約改定への入居者合意など、社内手続きにも活用されている。社宅入居者は約300名で、紙の手続きでは人事総務部門に負荷が掛かる。そこで活用したのが、「Mega サイン」機能だ。
「Megaサインは、CSV形式のメールアドレスを読み込み、定型化された契約手続きを一括配信し、同意を得ることができる機能です。総務部門にCSVファイルを用意してもらうことで、約300名への合意依頼手続きが5 分ほどで完了しました。コロナ禍で在宅勤務が主流となった今、効果は非常に大きいです」(稲葉氏)
モダンワークプレイス本部 クラウド開発部長 森 則慶氏
総務部 法務・コンプライアンス課 主任 柿島 直樹氏
Adobe Signを基盤に独自開発した電子契約ソリューションを広く提供
現在、同社が独自開発した電子契約ソリューションを体験・評価できるサービスも提供している。「Adobe Sign×Microsoft 365ペーパーレストライアル」の名称で、多くの企業が導入しているMicrosoft 365をAdobe Signと連携するもので、ポイントはクラウドサービスを組み合わせたシステム構築がスピーディーに行える点だ。
「Adobe Signとお客様側で導入済みのMicrosoft 365を当社のテンプレートと組み合わせ、お客様のビジネスに即した契約書類作成から押印・保管まで、オンラインで完結するシステムを最短10日ほどで構築可能です。コロナ禍のリモートワーク促進や郵送事故、情報漏えい回避にぜひご活用いただきたいと考えています」(森氏)
“捺印のための出社” が論じられる昨今、Adobe Signの導入がスタンダードになっていくことは間違いない。
※掲載された情報は、2020 年12 月現在のものです。