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大量の文書を電子保存し紙文書を削減広報物の自社制作を推進

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

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創業

2003年

所在地:神奈川県

https://www.jrtt.go.jp/

導入製品:

課題

・大量の文書をペーパーレス化し、拠点間の情報共有を促進して業務の省力化を図りたい

・長期プロジェクトである新幹線建設は、広範なコミュニケーションが不可欠であり、より伝わりやすい広報業務の取り組みが必要

成果

・ 大量の紙文書を電子化し、保管していた書庫スペースを約4割削減

・ 全職員が同じアプリを使用し、業務を一元化することで、効率的な協働を実現

・ 情報公開法に準拠したデータ処理で個人情報を適切に保護し、安全なドキュメント運用を実現

・ 好評な動画を自主制作し、広報活動に貢献

「鉄道建設は長期間にわたる取り組みです。私たちの業務とAcrobat Proの信頼性は深い相互関係を持っていると感じています」

総務部 情報システム課 課長補佐 岡村 直貴氏

独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下、JRTT)は、拠点間の情報共有の促進を狙いとして、全職員にドキュメントソリューションであるAdobe Document Cloud を導入。Acrobat Pro の諸機能は、情報開示請求への対応等、多様な業務の省力化にも大きな役割を果たしている。またAdobe Creative Cloud による広報動画制作の内製化は、特に鉄道建設において求められるステークホルダーとのコミュニケーション促進や合意形成の迅速化に貢献している。

ステークホルダーまで含めたコミュニケーション改善が不可欠に

JRTT の主要事業の一つが鉄道建設事業だ。北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線の3 路線を建設主体として整備するほか、相鉄・東急直通線などの都市鉄道の建設や国内の離島航路などの内航旅客船と効率的な物資の輸送に欠かせない貨物船の建造も手掛け、環境にやさしく地域への貢献度の高いインフラ整備を行っている。

鉄道の多様なノウハウを蓄積する専門組織であるJRTT は、土木・軌道・機械・建築・電気をはじめとする鉄道建設技術に加え、国民や地域の方々との広範なコミュニケーションによる、様々な沿線自治体・関係機関との合意形成においても大きな役割が期待されている。

JRTT が改革に取り組むため浮上したのが、ペーパーレス化によるオフィスと在宅勤務も含む別の場所とのフレキシブルな情報共有促進と、広報活動の充実という二つの課題だった。広報という、一見つながりがないように思える業務が含まれた理由を総務部 情報システム課の岡村 直貴氏はこう説明する。

「新幹線建設は地域住民の皆様の期待値がとても大きい一方で、線路を車両基地までつなげ、電車を高速で走行させるための電車線、信号・通信等の設備を整備してはじめて一区間が開通する、息の長い仕事です。こうした壮大なプロジェクトへの期待と難しさを多くの方々と共有するには、より伝わりやすい広報業務の取り組みが必要だと判断しました」

総務部 情報システム課 課長補佐

岡村 直貴氏

データ管理の信頼性を評価しAdobe Document Cloudを採用

全職員へのAdobe Document Cloudの導入について、総務部情報システム課 伊藤 浩平氏はこう説明する。

「以前は拠点ごとに使用していたPDF編集ソフトが異なり、機能面の制約が生じていました。例えば、CADデータをPDF化して資料に貼付する際にはデータを圧縮し、軽量化する必要があります。以前は入手しやすい種類の異なるサードパーティのソフトなどをバラバラに利用していましたが、そのやり方では一部データが欠損してしまうこともありました。Acrobat Proは確実なPDFの生成やデータ統合、軽量化まで行えるので安心です」

「情報開示に対応する機能が備わることも理由の一つでした。独立行政法人は、文書の開示請求に対応することが多くあります。当然のことながら近年はデジタルデータによる開示も多いので、Acrobat Proであれば、ニーズの高いPDF文書での適切なデータを提供でき、他の実務においてもPDF文書にパスワードをかけられるため、大幅な省力化とともに機密情報の取り扱いの改善も実現できています」(岡村氏)

なお、全職員へのAdobe Document Cloud導入については、情報システム課の工数削減も課題の一つだった。その解決方法として採用されたAzure Active Directory連携は、職員へのアカウントや必要な製品・ツール群のインストール・運用管理が行えるため、クラウド認証基盤であるAzureADでのシングルサインオン(SSO)の推進においても大きな役割を果たしている。

総務部 情報システム課 課長補佐

伊藤 浩平氏

ペーパーレスで書庫スペースを大幅削減

これまでJRTTでは、各種の通知・議事録をはじめとするその他の文書については紙文書での保存が続けられてきた。Adobe Document Cloudの全面導入は、こうした文書を電子化する動きに大きく貢献している。

「新幹線の建設は、着工から完成まで15年以上かかります。文書は完成後も保管するため、その保管期間は極めて長期間に及びます。紙を保管する倉庫の管理も大きな課題になっています。職員のマインドセットの変化もあり、本社の書庫についても大幅にスペースを削減できましたし、電子化により、主としてデジタルファーストで業務を行うフリーアドレスデスクの導入にも一役買うことができました」(岡村氏)

全拠点の全職員が同一のツールでPDFの編集を行える体制となり、業務の効率化も促進された。

「拠点や部署によってPDF編集ソフトが異なることで生じた『PDFの編集を他の人に頼む(そして受け取る)』といった手間がなくなり、作業を各自で完結できるようになりました。その分、時短になり、分かりやすいUIのおかげで使い方に関する情報システム課やサポート窓口への問い合わせもほとんどなくなりました」

鉄道建設現場の映像を撮影から編集まで内製化し、好評な動画を配信

一方で、広報活動においてはAdobe Creative Cloudを本格採用しコンテンツ制作の内製化に取り組んでいる。

「以前は広報用動画の制作は外注から内製化を中心に進めていましたが、職員の広報マインドの醸成にもつながることから、現場スタッフが映像を撮影し、編集を行えるようにしました。以前から映像チェックなどの目的で利用してきたAdobe Premiere ProやPhotoshopなどのツールをソーシャルメディアの公式チャンネル向けに活用した背景にはこうした事情もあります。そもそも鉄道建設現場の映像は素材自体に希少価値があるだけに、ポイントを押さえて編集した広報動画はYouTubeでも好評です」(岡村氏)

広報部署新設や社内の協力意識の高まりもあり、Adobe Creative Cloudを活用した広報コンテンツ制作の評価は上々だ。以前は視聴数が伸び悩んでいたJRTTのYouTubeチャンネル登録者数は現在、独立行政法人の中でも上位にランクインし、JRTTと事業に対するファンの獲得に加え、職員の採用活動にも効果をもたらしている。動画制作以外にも、PhotoshopやIllustratorなども使い、各拠点のパンフレットなどの改版や、イベント告知ポスターの制作にも活用されている。

「独立行政法人としての当機構の性質上、情報発信は各部署のコンセンサスを得た上で進める必要がありますが、各部署を巻き込んだコンテンツ制作の内製化は、今後大きな意味を持つことになると考えています」(伊藤氏)

YouTube で配信する広報動画をAdobe Premiere Pro で編集している

AI画像生成や電子契約などを検討

今後のアドビソリューションの活用について総務部 情報システム課の手塚 潤氏はこう説明する。

「全職員へのAdobe Document Cloud配付により、ようやくデジタル化のスタート地点に立つことができたと考えています。JRTTは、著作権等のリスクに留意しなければならないAIによる画像生成や、Adobe Stockの活用やAdobe Acrobat Signをはじめとした電子契約の導入・運用についても検討を行っていて、単なるペーパーレス化に留まらない活用を推進していきたいです」

※掲載された情報は、2023年6月現在のものです。

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