オンライン・オフラインのデータをつなぎ、リアルな消費者像を可視化

 

ライオン株式会社

ライオン株式会社

設立

1918年

従業員数:7,151人
https://www.lion.co.jp

AI機能によるセグメント拡張でクリック率が約5倍

課題

多数の顧客接点から得られる膨大なデータの横断的分析

データの分析から得られた結果をアクションにつなげる仕組みづくり

成果

横断的なデータ分析

各種データを横断的かつリアルタイムに分析し、的確な施策をタイムリーに実行

消費者の実像を可視化

オンラインとオフラインのデータを連携・分析し、リアルな消費者像を可視化

迅速な開発と高い連携性

トレンドに合わせて迅速に開発し、豊富な周辺ソリューションと容易に連携

セグメントを拡張

AI機能で類似する属性のセグメントを推計・拡張し、個別に最適化したコンテンツを配信

消費者の日常生活に目を向け、新たな価値を提案することで、今日の地位を築き上げたライオン株式会社(以下、ライオン)。複数のオウンドメディアやオフラインのデータをつなぎ、そこから消費者のインサイトを発見するため、同社エクスペリエンスデザイン デジタルコミュニケーション開発チームは、Adobe AnalyticsとAdobe Audience Managerの導入を決断。点在していたデータを横断的に分析し、タイムリーな施策を展開できるようになった。


「日本の消費者のリアルな姿が可視化されれば、それをファクトとして小売業のみなさまと一緒にモノを売っていくことができる、アドビのソリューションはその根幹になると期待しています」

 

エクスペリエンスデザイン デジタルコミュニケーション開発チーム ディレクター 比留間


多数の顧客接点から得られる膨大なデータの横断的分析が課題

 

創業以来一貫して、人々の健康や快適な暮らしに役立つ企業であることを目指してきたライオン。日用品全般を手がける同社にとって、人々の生活習慣や行動に常に目を向け、その変化やインサイトを把握することは、ビジネスの根幹をなす重要な取り組みだ。

その活動の一環として同社は、2014年から生活情報メディア「Lidea」を運営している。これは、「暮らしのマイスター」と呼ばれる5名のスペシャリストが、オーラルケアやヘルスケアなどに関するコンテンツを発信し、日常生活上の素朴な疑問に答えるというもの。デジタルメディアを通じて消費者に寄り添うと同時に、コンテンツ閲覧状況などのデータを収集・蓄積してマーケティングに活かすのが目的だ。

このほかにも同社には、ブランドごとに運営する複数のオウンドメディアやECサイト、実店舗など、多くの顧客接点がある。そこから得られる膨大なデータをいかに活用し、新たな価値の創出と顧客への提案へつなげるか。同社の中でその重要なミッションを担っているのが、デジタルコミュニケーション開発チームだ。同チーム ディレクターの比留間 徹氏はいう。

「せっかくたくさんのブランドやお客様との接点を持っていても、広報活動やコミュニケーション活動をそれぞれの場で個別に展開していては、その価値が半減してしまいます。そこでわれわれのチームが、各ブランドのお客様のデータをつないでインサイトを発見し、新たな価値を生み出すという、組織横断的な役割を担っています」(比留間氏)

しかし、その取り組みには少なからず課題もあった。そう話すのは、同チーム マネジャーの榎本 裕美子氏だ。

「オウンドメディアやオフラインのデータを横断的に分析するのがわれわれのミッションですが、実際には各ブランド単位で計測するだけで、それなりに有用な示唆は得られても、それを次のアクションへなかなかつなげられませんでした。また、たとえば『Lidea』の各コンテンツの閲覧状況と購買データの関連性を分析したいというとき、必要な仕組みをそのつど用意しなければならないなど、開発の時間と手間がかかる状況でした」(榎本氏)

エクスペリエンスデザイン デジタルコミュニケーション開発チーム ディレクター 比留間

開発スピード、周辺ソリューションとの連携を評価

 

そうした課題を解決するため、同社は2018年、Adobe AnalyticsとAdobe Audience Managerを導入。選定の理由について、比留間氏はこう語る。

「やはりデータを蓄積・分析するソリューションというのは、トレンドに合わせてすばやく開発でき、豊富な周辺ソリューションと容易に連携できることが大事。それが可能なAdobe AnalyticsAdobe Audience Managerなら、長きにわたってデータを蓄積し、のちのちまで柔軟に活用できます。そういう潜在能力の高さが決め手になりました」(比留間氏)

実際、開発スピードは想定を上回る速さだった、と同チームの南川 潤子氏はいう。

「アドビのコンサルタントの方々と直接やり取りするので、技術的な不安がなく、われわれが内容をきちんと理解しながら開発を進めることができました。もともと、マーケティング施策をタイムリーに実行したい、というのがアドビを選んだ理由のひとつでしたが、実際にコンサルタントと仕事をする中で、アクティビティへつなげる圧倒的な力とスピードを実感しています」(南川氏)

 

AI機能によるセグメント拡張でクリック率が約5倍に

 

同チームは、Adobe Analyticsを利用して「Lidea」や各ブランドサイトから得られる全データを横断的かつリアルタイムに分析。コンテンツの効果をセグメントごとに評価することで、コンテンツの質をさらに高め、タイムリーな施策を打ち出せるようになった。

「以前なら、新しい指標などは、ある一定の開発期間を経て初めて見られたようなデータを、お客様がwebサイトにアクセスした翌日から、ダッシュボードやレポートで分析できるようになりました」(南川氏)

「横断的な分析の結果を踏まえてアクションを起こし、その結果を検証してまた次のアクションへ、というマーケティング活動の連続性、一貫性が生まれたのは大きな成果です」(榎本氏)

同時に同チームは、Adobe Audience Managerで、オウンドメディア上での顧客の行動データだけでなく、サードパーティのデータ(オフラインの購買データや属性データ)をシームレスに連携。その結果、精度の高い分析が可能になり、顧客に対する理解をより深めることができるようになった。比留間氏はいう。

「お客様のweb上での行動データとオフラインの購買データなどが連携されたことは非常に大きな進歩です。これまであまり活用できていなかった、購買データなどを蓄積した社内のDMPの価値が格段に上がりました」(比留間氏)

さらに同チームは、蓄積されたセグメントデータをもとに、Adobe Audience ManagerのAI機能を利用して類似する属性を持つセグメントを推計し、その拡張したセグメントに対するコンテンツ配信を試験的に開始。「Lidea」はコミュニケーションアプリLINEのアカウントを有し、約600万人のユーザーを抱えているが、コンテンツを一律に配信しても関心を持たれない、クリックされないという課題があった。そこで、Adobe Audience ManagerのAI機能で拡張したセグメントに対して効果的と考えられるコンテンツを配信するようにしたところ、クリック数が約5倍にまで跳ね上がった。

「ひと口にセグメントを拡張するといっても、どういうアルゴリズムでどの変数を拡張するかによって、精度は大きく変わります。そのあたりの統計的な処理がきっちりしていなければ、こんな数値は出るはずがない。あのスピード感でそれができたのは本当にすごいことで、正直驚きました」(比留間氏)

「ペット関連商品のよさを発信する手法としてLINE拡張を利用したところ、その商品を扱うグループ会社から『純広告を出稿するよりはるかに大きなインパクトがあった』という感謝の言葉が届きました。そのように、われわれの部門や会社以外での活用も始まり、効果が出ています」(榎本氏)

榎本 裕美子 氏

エクスペリエンスデザインデジタルコミュニケーション開発チーム マネージャー 榎本 裕美子

南川 潤子 氏

エクスペリエンスデザインデジタルコミュニケーション開発チーム 南川 潤子

目標は「日本の消費者のリアルな姿を浮き彫りにすること」

 

アドビのソリューションを活用して課題を克服し、大きな成果を上げた同チーム。今後の展望について比留間氏は、Adobe AnalyticsとAdobe Audience Managerが同チームのすべての活動の根幹となっていくだろう、と語る。

「『Lidea』のどのコンテンツが注目され、どのように見られているか、それに付随するキーワードにどのような特徴があるか。そういうミクロ的な分析を重ねていき、日本の消費者のリアルな姿を浮き彫りにしたいと考えています。それが可視化されれば、『今の消費者はこうだから、こういう売り方をするべきだ』というファクトにもとづいて、小売業の皆様と一緒にモノを売っていくことができる。アドビのソリューションはその根幹になると期待しています」(比留間氏)

 

 ※掲載された情報は、2020年8月現在のものです。

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