全事業所で製品バージョンの統一を実現。共同作業の効率化と、ライセンス管理の負荷軽減にも貢献

三菱電機エンジニアリング株式会社

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創業

1962年

従業員数: 5,362
所在地:東京

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製品バージョンの統一により作業効率が一気にアップ

導入製品:

目標/課題

膨大なマニュアルの制作業務

バージョン違いによるエラーで作業効率が低下

成果

製品バージョンの統一により作業効率が一気にアップ

バージョン違いによる文字やレイアウトの崩れを解消

ストック素材の利用を効率化

Adobe Stockにより、素材の購入手続きにかかっていた時間を大幅に短縮

ライセンス管理の負荷を軽減

メディアの管理やシリアル番号の入力といった手間を削減

事業所間の共同作業を次のレベルへ

シームレスなファイル共有を実現するクラウドサービスに期待

「 Creative Cloud 導入から1 年で、以前よりも生産性は確実に上がっています。バージョン違いによって起こる問題は、ほぼなくなりました」

e-ソリューション&サービス事業部  西田 義行 氏

三菱電機エンジニアリング株式会社は、総合電機メーカーである三菱電機株式会社の開発・設計を担うパートナー企業。その中で、各種ドキュメントやデジタルコンテンツの制作を行っているのが、e-ソリューション&サービス事業部だ。同事業部では、家電から宇宙システムまで幅広い製品・システムのマニュアルや取扱説明書などの制作業務にCreative Cloudを活用。これまで各事業所ごとに管理されていた製品バージョンを統一し、事業所間の共同作業を大幅に効率化。また、煩雑だったライセンス管理の問題を一気に解消した。

家電から宇宙システムまで、膨大なマニュアルの制作業務を内製化

三菱電機エンジニアリングのe-ソリューション&サービス事業部は、元はドキュメント事業部という名称で、製品に付随するマニュアルや取扱説明書といったドキュメントの制作、印刷をメインとした業務を行なっていた。やがて紙から電子へという時代の潮流にも乗って、2002年にe-ソリューション&サービス事業部と名称を変更し、デジタルコンテンツの業務にも着手するようになった。現在では紙のドキュメントのほか、CGコンテンツやWebサイト、タブレット端末などに向けた幅広いコンテンツの企画制作に積極的に取り組んでいる。

こうした制作業務のほとんどが内製で行われており、全国に約20箇所の制作拠点を置いている。スタッフの数は800人を越え、そのうち約300人がドキュメント制作に携わっている。対象となる製品は家庭用機器から産業用プラント、宇宙システムまで多岐にわたり、年間を通じて膨大な量のドキュメントが制作されている。

バージョン違いによるエラーで作業効率が低下

ドキュメントの制作には、主にIllustrator、Photoshop、InDesignといったアドビ製品が使用されている。以前は、製品の購入や管理を各拠点が個別に行なっていたため、どの事業所がどの製品を何本持っているか、なかなか把握しづらい状況にあった。また、各事業所ごとに使用しているバージョンがばらばらなこともあり、それが制作効率を低下させる大きな要因になっていたと、同事業部クリエイティブセンター 戦略事業推進グループ 主席技師の西田 義行氏は話す。

「以前は、各事業所がそれぞれ決められた製品のドキュメントを制作していたのですが、製品出荷のタイミングが製品ごとに異なるため、忙しい時期とそうでない時期が各事業所ごとばらばらでした。そこで、各事業所が連携し、一箇所に集中している仕事を分散させるという取り組みを行いました。しかし実際にやってみると、制作に用いるアドビ製品のバージョンが違うという問題が出てきました。受け取ったファイルが開かないだけでなく、表現や文字組みの一部が崩れるといったケースもありました。そうなると、それをチェックしたり修正したりといったところに、かなりの時間をとられてしまうわけです」

バージョン違いによる問題を解消。ライセンス管理の手間も軽減

同事業部の課題は作業効率だけではない。三菱電機のセキュリティポリシーではサポート対応期間を過ぎたソフトウェアの利用は認められておらず、CS3やCS4といった旧バージョンも更新を求められていた。そうした問題も踏まえて、2017年2月、Creative Cloudエンタープライズ版を導入し、全ての事業所においてアドビ製品のバージョンの統一化が図られた。新しい制作環境に対するスタッフの反応について、西田氏は次のように話す。

「Creative Cloudになって作業効率を改善する新しい機能も数多くありますが、制作者は新機能よりもこれまで使い慣れた従来のやり方で作業を進めることが多くあります。今回の導入にあたってアドビ製品のトレーニングが開催されたのですが、そこで新機能の説明を受けてみると、だいぶ興味を持ったようです。導入したばかりの時期は、一時的に生産性が落ちるのではないかと心配していたのですが、実際のところ、以前よりも生産性は上がってきています。バージョン違いによって起こるような問題は、ほぼなくなりました」

また、Creative Cloudエンタープライズ版の導入効果として、西田氏はライセンス管理の負荷が軽減されたことを評価している。

「最大のメリットは、メディアによる管理がなくなったこと。いざインストールしようとするとディスクが見当たらなかったり、どのライセンスを誰が使っているのかわからなくなったり、スタッフの入れ替えの時などは非常に大変でした。今は、インストールやアップデートは各自がサーバーからダウンロードして行なっています。その都度シリアル番号を探して入力する手間もないので、作業を止めなければならない時間が少なく済みます」

e- ソリューション& サービス事業部 クリエイティブセンター 戦略事業推進 グループ 主席技師 西田 義行 氏

「InDesignで制作したドキュメントを電子マニュアル化するのも簡単ですし、紙のマニュアル用に作成した画像やイラストなんかも容易に転用できる。

ワンソース・マルチユースといった観点からみてもCreative Cloudは非常に強力なツールだと思います」

e- ソリューション& サービス事業部 クリエイティブセンター 戦略事業推進グループ 主席技師  西田 義行 氏

クラウド活用により、事業所間のさらなる連携強化を目指す

Creative Cloudエンタープライズ版を導入して1 年が経過し、制作効率も確実に向上している現在、同事業部では、かねてからの課題であった事業所連携の強化に向けて動き出している。そこには、Creative Cloudのクラウド機能が不可欠であると西田氏は言う。

「事業所間の連携をいかにスムーズにするかは、ファイルをどのように共有するかがポイントになります。バージョン違いによる問題は解消されたものの、遠隔地同士で大量のファイルをやり取りするのは大変です。例えば、Creative Cloudライブラリのような機能を使えば、効率はかなり上がるでしょうね。ほとんど何もしなくてもアプリ間で簡単に素材の共有ができてしまう。素材に変更が入れば、誰かが編集するだけで他のすべてのドキュメントに自動的に反映される。まさに我々が求めている理想の形ですね。」また一部の事業部で、アドビのストックフォトサービスであるAdobe Stockエンタープライズ版を導入し、カタログやプロモーション動画の制作に活用している。

「今までもストックフォトサービスは利用していましたが、画像1 枚買うにしても、毎回申請書を書いて、少額の場合はクレジットカードで立替えて、後で清算するという非常に面倒な手続きを踏まなくてはなりませんでした。そうなると時間がもったいないので、仕方なく既存の画像で済ませてしまう。Adobe Stockはそうした手間がかからず、印刷物や動画などに自由に使えるので、制作者たちは積極的に活用しています。妥協がなくなる分、クオリティの向上にもつながりますしね」。

紙のドキュメント制作以外にも、Premiere ProやAfter Effectsを使用して動画コンテンツを制作するなど、同事業部におけるCreative Cloudの活用範囲は広い。また今後はマニュアルの電子化にも積極的に取り組んでいく構えだ。最後に西田氏は、Creative Cloudへの今後の期待をこう語った。

「電子マニュアルは一部ですでに始めてはいますが、今後もっと増やしていきたい領域です。InDesignで制作したドキュメントを電子マニュアル化するのも簡単ですし、紙のマニュアル用に作成した画像やイラストなんかも容易に転用できる。ワンソース・マルチユースといった観点からみても、Creative Cloudは非常に強力なツールだと思います」

※掲載された情報は、2018年3月現在のものです。

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