新車のサブスクリプション契約「ClickMobi」をオンライン化。契約にかかる手間が顧客、事業者ともに大幅削減

日産自動車株式会社

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日産自動車株式会社

事業内容: 自動車の製造、販売および関連事業

従業員数: 22,825名(単独)、131,461名(連結)

http://www.nissan.co.jp/

「人々の生活を豊かに、イノベーションをドライブし続ける――。」をパーパスとして掲げる大手自動車メーカー。「他がやらぬことをやる」という創業以来の精神のもと、革新的な技術や、商品を生み出すことに情熱を注ぎ挑戦を続けている。

導入製品:

Adobe Sign エンタープライズ版

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課題

車のサブスクリプションサービスの契約をオンラインで完結させたい。

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成果

・オンライン上で契約手続きを完結

・契約書の不備がゼロに

・事務手続きの省力化

・契約手続き期間を短縮

「Adobe Signを基盤に、オンラインとオフラインを自由に行き来できる新しい購買体験の提供を目指しています」

Japan-ASEANデジタルトランスフォーメーション部 主担 東郷 茉莉氏

顧客体験の向上を目指し、グループ全体で電子化を進めている日産自動車株式会社。同社はその取り組みの一環として、新車のサブスクリプションサービス「ClickMobi」のオンライン契約にAdobe Signを採用し、大きな成果を上げている。今後はオンラインでの契約や電子書面を、通常の車購入契約の際にも活用し、さらなる電子化を進めていく考えだ。

車を購入したことがない層へ向け、オンラインで契約完結する仕組みを導入

近年、毎月定額の料金でマイカーに乗れる車のサブスクリプションサービスが注目されている。初期費用が不要で、毎月の料金には自動車税やメンテナンス費用も含まれるこのサービスは、カーライフをより気軽に始める方法として、市場規模を確実に広げつつある。

こうした中、日産自動車株式会社(以下、日産自動車)打ち出したのが、これまで自動車を購入したことがなく、販売店に出向くのもハードルが高いと考える“マイカー初心者”をターゲットとしたサブスクリプションサービス「ClickMobi」だ。

「『ClickMobi』の最大の狙いは、販売店からのアプローチが難しかった顧客層を取り込む点にあります。あえてグレードや装備を絞り込むことで車種と色を選ぶだけで手続きが済み、店舗に行くことなくオンラインで契約が行えるなど、簡単で分かりやすいサービスをご提供しています」とJapan-ASEANデジタルトランスフォーメーション部の中尾 壮登氏は説明する。

サービス開始当初、「ClickMobi」の契約手続きはwebサイト上で申込手続きを行った申込者に契約書類を郵送し、署名捺印後に返送してもらう形で行っていた。しかし今年5月からは、契約手続きもオンラインで完結可能になっている。これを可能にさせたのが、電子サインサービスAdobe Signだ。

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直感的な設定操作や優れたUIを高く評価

「ClickMobi」は現在、オンラインで申込を行った顧客に二通りの契約方法を提供している。一つは紙の契約書を郵送する方法、もう一つがAdobe Signによる電子契約である。サービスを運用する株式会社日産フィナンシャルサービスリース事業部リース企画部主任の山田凌大氏は、電子サインソリューションとしてAdobe Signを選んだ理由をこう説明する。

「一番の理由は、顧客と事業者双方の視点で優れたUIが提供される点でした。契約書の署名欄や各種情報の入力欄がドラッグ&ドロップで直感的に配置できるほか、ショートメッセージで本人認証を行うSMS認証の設定がスムーズに行えることもポイントです。さらに、入力欄ごとに簡単な解説を行うポップアップが設定できるなど、顧客にも分かりやすい点が魅力でした」

また、トランザクション件数に応じたリーズナブルな契約が選択できることも、評価したポイントの一つだったという。

手続きの簡素化で契約手続き期間を短縮

「ClickMobi」では現在、9割以上のユーザーがAdobe Signによるオンライン契約を選択しているという。この数字からも、オンラインで契約手続きが完結する仕組みへのニーズの高さがうかがえる。さらに契約手続き期間の短縮化も注目すべき点の一つだ。

「紙の契約書を郵送するやり方の場合、契約までに平均1週間ほどかかっていましたが、オンライン契約ではそれが4日に短縮化されています。その理由として挙げられるのは、SMS認証と免許証画像による二段階の本人認証により、印鑑証明書の添付が不要になった点です」と株式会社日産フィナンシャルサービス リース事業部 リース企画部 主担の田村 平和氏は説明する。

オンライン契約により、契約書類の不備がほぼゼロになったことにも注目したい。

「紙の契約書の場合、5件に1件程度の割合で、契約書への記入漏れなどの理由から書類を返送する課題が生じていました。オンライン契約では、未入力項目や誤った入力があると手続きが進まない仕組みなので、こうした不備は今まで生じていません。また、手続き画面上のアナウンス等を当社で設定したことで、手続きに関する問い合わせは今のところゼロです。Adobe Signの導入は大きな成果を上げていると感じています」(山田氏)

新たな購買体験の創造をサポート

コロナ禍によって人々の消費行動が大きく変容した中、日産自動車が目指しているのは、価値観やライフスタイルに応じ、オフラインとオンラインを自由に行き来できる新たな購買体験の提供だ。

「完全なオンライン化という方向性も考えられますが、車は決して安い買い物ではありません。販売店で実車に触れたうえでオンラインの契約手続きへと進む、オンラインで情報を収集して販売店で契約を行うなど、多様なニーズに応じた購買体験の実現を今後目指していきたいと考えています。Adobe Signはその基盤としても注目しています」(Japan-ASEANデジタルトランスフォーメーション部 主担 東郷 茉莉氏)

「ClickMobi」の場合も、オンラインのみで購買行動が完結するユーザーと、販売店で試乗をしたり、実車を確認しているお客さまが一定数いる、と同社は分析する。一方、販売店で契約手続きまで行う場合、手続きだけで30分以上掛かることが一般的だ。商談のみを販売店で行い、契約手続きは手が空いた時間にオンラインで行うという選択肢は既存顧客にとっても大きな意味を持つに違いない。今後同社は、「ClickMobi」で実現したオンライン契約の仕組みを幅広く水平展開していく考えだ。

すでに新世代クロスオーバー電気自動車(EV)の日産アリアは、オンラインによる注文・契約を行うことが発表された。日産自動車の新しい購買体験の実現に向け、Adobe Signが大きな役割を果たすことが期待できる。

東郷 茉莉氏
中尾 壮登氏
田村 平和氏
山田 凌大氏

(左から)東郷 茉莉氏、中尾 壮登氏、田村 平和氏、山田 凌大氏

※掲載された情報は、2021年8月現在のものです。

* Adobe Signは2022年3月にAdobe Actobat Signにリブランドしました。

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