重要なサポート業務を支える
柔軟で拡張性の高い電子サインサービス
株式会社 オービックビジネスコンサルタント(OBC)
目標/課題
製品サポート講習の報告書のお客様確認や社内共有を効率化したい
製品サポート講習の報告書のお客様確認や社内共有に手間と時間がかかっていた
報告書のお客様確認を電子化するにあたり、既存のkintoneシステムと連携させたい
報告書のお客様確認を電子化するにあたり、既存のkintoneシステムと連携できるソリューションが必須だった
成果
1 日平均2時間かかっていた事務処理がゼロに
報告書の作成からサイン取得、共有、保管までをその場で実現
既存の業務システムと容易に連携
文書作成画面から電子サイン機能をシームレスに実行、自動保管
月あたり約1,750,000 円のコストを削減
高価な複写用紙と、残業代を含む人件費コストをゼロに
電子メールを介さない署名にも対応
スマートフォンアプリを使って対面署名が可能
「我々の要件を全て満たし、将来的に拡張していくことを考えた結果Adobe Signを導入すべきだと判断しました」
OBC 営業本部 マーケティング部 ユースウェア支援グループ リーダー 宮地 実里 氏
株式会社オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)は、会計システム「勘定奉行」を筆頭とした基幹業務システム「奉行シリーズ」の開発、販売を手がけ、主に中堅・中小企業から圧倒的な支持を集めている。「顧客第一主義」をモットーに掲げる同社は、顧客満足度調査で数多くの賞に選ばれるなど、徹底したユーザーサポートやアフターサービスにも定評がある。
紙の報告書の作成と確認がサポート業務のネックに
現在、OBCでは、自社製品を購入した企業に対して、製品の使い方から運用方法までを、専任のインストラクターが訪問またはリモートにて指導するユースウェアを提供している。このサービスにおいて、指導内容の報告書作成と完了確認の業務フローに大きな課題を抱えていた。同社営業本部 マーケティング部 ユースウェア支援グループ課長の岩見 洋一氏は次のように語る。
「以前は、インストラクターが訪問先で指導内容を紙の用紙に手書きで記載し、終了後にお客様から完了確認のサインをもらっていました。それを会社に持ち帰り、まず報告書として上長の承認印をもらい、次にPDFにスキャンしてCRMシステムにアップロードしたり、情報共有として販売パートナーに送ったりするなど、こうした作業を毎回行わなければならず、インストラクターにとってはかなりの負担になっていました」
リモートでの講習の場合は、手書きで記載した指導内容を顧客にFAXで送り、サインされた用紙をFAXで送り返してもらう。中には、すぐに送り返してもらえず、何度も催促の連絡をしなければならないこともしばしばあったという。
OBCでは月に1,000以上の講習が全国で実施されており、過去数十年間分の報告書が紙で保管されている。この紙での保管について、同ユースウェア支援グループ リーダーの宮地 実里氏は次のように話す。
「講習の内容はそれぞれの会社の環境やスキル、利用目的などに合わせてカスタマイズしており、どれもが同じというわけではありません。例えば、ある製品を導入して講習を受けたお客様が、1年後に別の製品を導入し、今度は別のインストラクターが指導に行くとします。その場合、前回のインストラクターが作成した報告書を見て、どのような指導が行われたかを確認する必要があります。膨大な資料の中から、目的のものを探し出すのは本当に時間と手間がかかるものでした」
営業本部 マーケティング部 ユースウェア支援グループ 課長 岩見 洋一 氏
既存の業務システムと連携する電子サインサービスを検討
こうしたインストラクターの作業負担を軽減するために、OBCではまず紙の報告書の電子化に取り組んだ。以前より、業務システムの1つにサイボウズ株式会社のkintoneを導入しており、このシステムを使ってインストラクターがWeb画面上で指導内容を記録し、かつ自動的にシステム内に保存できるアプリを開発。問題は、顧客側の完了確認のサインをどうするかだった。いくら報告書を電子化しても、結局それを紙に出してサインするのでは意味がない。そこで、電子的なサインの取得を可能にするソリューションを検討することになった。
OBCが電子サインサービスを選定するにあたって最も重視したのが、既存のkintoneシステムとの連携である。「報告書作成の部分と電子サインの部分が別々のシステムで分断されてしまっては、我々が目指す効率化には繋がりません。kintoneで報告書を電子化することが決まった段階で、このシステム内で実行できる電子サインアプリというのが絶対の要件でした」(宮地氏)
営業本部 マーケティング部 ユースウェア支援グループ リーダー 宮地 実里 氏
導入の要件を全て満たす柔軟で拡張性の高いAdobe Sign
OBCは複数の電子サインサービスを比較し業務フローと合わせて検討していくうえで、いくつかの問題点を発見した。1つは、メールを介した電子サインのフロー。訪問先の会社によっては、セキュリティの都合上でパソコンにメールが入っていない場合もあるという。そのため、メールを介さずにサインをもらう方法も考えなければならなかった。また、報告書は毎回その講習によって内容が変わってくるため、完全に定型化されたものではなく、署名欄や記入欄を自由な場所に埋め込めるようにしたいという要望も上がった。
そこで、システム構築の見直しを図るため、電子契約などのシステム構築やコンサルティングを業務とするコントラクトマネジメント株式会社にアドバイスを求めた。同社の代表取締役 加藤 晴久氏は、OBCからの要件をもとに検証を行った結果、Adobe Signの採用を提案。その理由について次のように述べている。
「対面署名や非定型的な文書へのサイン、さらに上長やパートナーとの共有にも柔軟に対応するためには、多機能で拡張性のあるサービスが必要だと思いました。また、将来的に様々な業務で使えるように拡張していきたいという要望もあったため、それならAdobe Signしかないという結論に達しました」
コントラクトマネジメント株式会社 代表取締役 加藤 晴久 氏
1日平均2 時間かかっていた事務処理がゼロに
加藤氏の提案により、OBCは2020年1月下旬にAdobe Signの導入を決定した。「こちらの要件を全て満たしていること、そして将来的に拡張していくことを考えると、Adobe Signを導入すべきだという判断でした」 (宮地氏)
2020年2月にAdobe Signの運用を開始。コントラクトマネジメント株式会社とアドビが一体となって導入のサポートを行い、わずか2日程度のテストを経てすぐに本番稼働に入った。導入効果は業務効率やコストの面ですぐに表れたという。
「報告書の作成からサインの取得、保管までを、一度も紙に出すことなくその場で完了できるため、インストラクター1人あたり、1日平均約2時間かかっていた事務処理がゼロになりました。おかげで、インストラクターが講習後に帰社して残業したり、この業務のためだけに出社したりすることもなくなり、働き方改革が一気に加速した感じです」(岩見氏)
また、報告書の印刷には専用の複写用紙が使われていたが、そのコストがゼロに。そして何より、全体で月約1,750,000円かかっていた人件費コストを削減できたのが大きかったという。
業務の電子化は、ナレッジの共有という面でも効果を出している。従来は、報告書は各拠点ごとに紙で保管されていたため、他の拠点の報告書を見ることは難しかった。今回の電子化により全国どこからでも容易に閲覧することができるようになり報告書を通じてノウハウの共有ができるようになりました。また、電子署名やタイムスタンプが残ることで、コンプライアンス対策にも有効だといえます。
New Normal な時代に向けた新しい働き方を推進
電子サインの導入から3 ヶ月以上が経過し、使いやすさと便利さで顧客やパートナーから高い評価を得ている。また、OBC社内での反響も大きく、他のサポート部署でも早速導入を開始しているという。これまで改革が進んでいなかった請求書や契約書などの電子化についても、今後は積極的に取り組んでいく構えだ。
最後に宮地氏は、Adobe SignがOBCの業務改革にもたらした想定外の効果について次のように語った。
「システムの稼働を開始したのが今年(2020年)の3月、まさに新型コロナウイルスの感染が拡大している最中で、もしこれがなかったら業務は大混乱になっていたと思います。このシステムがあったおかげで、スムーズに乗り切れたといっても過言ではありません」
New Normalな時代が始まり、リモートワークやテレワークが急速に進むなか、今回の導入実績が、OBCにとって新しい働き方を見い出す大きな一歩になったことは間違いない。
※掲載された情報は2020年6月現在のものです。