#000000

Adobe Express でコンテンツのデザインを一新し、自律的な学習者が30%増加

リコージャパン株式会社

この事例をPDFで読む

創業

1959年5月

所在地:東京都港区芝3-8-2 芝公園ファーストビル

https://www.ricoh.co.jp/

約30%

増加したプラットフォームの利用者数

導入製品:

課題

・クリエイティブツールの使用経験がある社員が少なかったため、クオリティの高い画像作成が難しかった

・フリー素材を使うとオリジナリティが出にくく、動画の価値を毀損してしまう恐れがあった

・フリー素材の著作権侵害のリスクを懸念していた

成果

・魅力的なサムネイルを作成し、研修プラットフォーム利用者数が3割増

・IP補償のある画像生成AI活用で、著作権侵害のリスクの抑制

・簡単な操作でデザインを作成でき、コンテンツ制作時間を半分に効率化

・Adobe FireflyやAdobe Stockの画像などを活用し、コンテンツの品質が向上

「プロのデザイナーでなくても高品質なコンテンツ制作を内製化でき、社員の研修プラットフォームの活用も加速させることができました」

経営企画本部 人財開発センター 能力開発企画室 デジタルアカデミー推進グループ リーダー 輿石 利博氏

リコージャパン株式会社の人財開発センターでは、社内研修プラットフォームに投稿する動画のサムネイルや学習コンテンツで使用する画像やフォントのクオリティ改善と画像の著作権侵害リスク低減などを目的にAdobe Express を導入。学習動画で使われる画像のクオリティを向上させ、同プラットフォームの利用者数を約30% 増加させた。導入の経緯や導入後の効果、今後の展望などについて、同社の人財開発センターに所属する3 名に話を伺った。

サムネイルのクオリティ改善や著作権侵害リスクなどを踏まえ、Adobe Express を導入

リコージャパン株式会社(以下、リコージャパン)の経営企画本部 人財開発センターでは約1 万8,000 人に上る同社の社員教育を担当している。同部門は様々な手法で人材育成に取り組んでいるが、その中の1 つに「リコージャパンデジタルアカデミー」(以下、デジタルアカデミー)がある。デジタルアカデミー推進グループのリーダーを務める輿石氏はデジタルアカデミーについて、次のように説明する。

「デジタルアカデミーは全社員がデジタル人材を目指すための社内研修プラットフォームです。『社員の自律的な成長を促進し、企業全体の競争力を強化すること』をミッションとして、学習動画を始めとする多様な学習コンテンツを提供しています」

人財開発センターはデジタルアカデミー内に投稿する学習動画の作成も担当しているが、以前は様々な課題を抱えていた。例えば、動画のサムネイルや学習コンテンツの画像やフォントのクオリティも課題の1 つ。 3,500 本前後に上る学習動画をより多くの社員に視聴してもらうためには、学習動画のサムネイルを見た社員に「面白そう」と思ってもらわなければならない。しかし、Adobe Express 導入前はクリエイティブツールの使用経験がある社員が少なかったため、クオリティの高い画像作成は難しかった。

また、社内事例として学習サイトのスクリーンショットを社外に公開するケースも増えていたが、フリー素材を使うとオリジナリティが出にくく、動画の価値を毀損してしまう恐れがあったこと、フリー素材が著作権を侵害している可能性も0 ではないことを懸念していた。こうした課題を背景に、2024 年4 月より人財開発センターはAdobe Express を導入。Adobe Express に用意されている20 万点以上のテンプレートや2 億点以上のロイヤリティフリーの素材、画像生成AI のFirefly を用いてデジタルアカデミーの学習コンテンツや有償の研修資料、顧客向け資料・チラシを作成している。

「商用利用が可能」および「著作権侵害のリスクが低い」点に着目

Adobe Express を導入するにあたり、人財開発センターがまず着目したのは、Adobe Express ライセンスで 利用可能なAdobe Fireflyの生成物やAdobe Stockの素材が商用利用可能である点だ。なぜ商用利用に注目したのか。社外向けにセキュリティ分野に関する研修を行う人財開発センターの山本氏は「社外向けに有償で学習動画を公開したり研修を実施したりすることがあるため、動画や研修資料で使う画像は商用利用が可能である必要がありました」と語る。他に検討したAI画像生成サービスで商用利用が可能なものはなかったという。

また、Adobe Firefly については著作権侵害のリスクが非常に低いことも導入の決め手となった。Adobe Express 導入を推進した松本氏は次のように説明する。

「Adobe Firefly はAdobe Stock の素材やオープンライセンスされた作品など著作権の問題をクリアした画像のみをベースにコンテンツを作成するため、著作権を侵害するリスクは極めて低く、安心感がありました」

※ Firefly を利用して生成されたアウトプットに対して契約上の知的財産権(IP)の補償を受けることが出来るプランもあります。

デジタルアカデミーの利用者は約5,500 人増加

Adobe Express の導入により、デジタルアカデミーの利用者数は大幅に増加した。

「Adobe Firefly やAdobe Stock で生成・取得した画像を学習サイトに利用し始めてから半年間で、デジタルアカデミーの利用者数は約5,500 人増の1 万3,500 人になりました。当社社員数は約1 万8,000 人のため、利用率は30% 増の75% になる計算です。AB テストなどの結果を基に魅力的なサムネイルや動画内の画像を差し込むことで、学習の興味づけが上手くいっている結果だと考えています」(輿石氏)

利用者数だけでなく、再生回数は15% 増加、視聴完了率も10% 向上した。実際に社員からは「コンテンツの見栄えが良くなり、視聴意欲が刺激される」という声も寄せられている。輿石氏が述べたとおり、利用者数や再生回数などの増加の背景には、画像のクオリティ向上が大きく寄与しているのだ。

また、山本氏は「私たちの有償研修は専門的、特殊なものが多く、その内容にマッチした画像準備に苦労していました。今回、商用利用が可能なAdobe Express を導入したことで、画像を探したり編集したりする手間が大幅に減り、画像作成に係る業務時間が半分程度に短縮されました」と、Adobe Express が業務効率化にも寄与している点も評価している。

そのほか、デジタルアカデミーのブランディングにもAdobe Express は貢献している。

「Adobe Express でバナーやテキストのデザインを統一したり、社内ポータル用素材を作成したりすることで、一貫したデザインの提供が可能になります。これにより、デジタルアカデミーブランドが強化されていると考えます」(輿石氏)

経営企画本部 人財開発センター 能力開発企画室 デジタルアカデミー推進グループ
人事・コーポレート本部 人事センター HR・EDTech サポートグループ
松本 浩明氏(左)

経営企画本部 人財開発センター 能力開発企画室 情報セキュリティコンサルティンググループ
山本 典央氏(中)

経営企画本部 人財開発センター 能力開発企画室 デジタルアカデミー推進グループ リーダー
輿石 利博氏(右)

Adobe Express のAI 背景削除機能を利用して人物画像を加工したコンテンツ画面例

Adobe Firefly で生成した画像とAdobeExpressのテンプレートを活用したサムネイル例

引き続き、自律的に学ぶ社員の学習意欲を喚起させる学習コンテンツを作成する

人財開発センターは今後もデジタルアカデミーでAdobe Express の活用を加速させていく方針だ。

「当社は自律的に学ぶことを重要視しています。引き続き、Adobe Express を用いて、学習意欲を高める動画のサムネイルや学習コンテンツを作成したいと思っています」(輿石氏)

このコメントからも、Adobe Express がリコージャパンの重視する自律的な学習を推進する一翼を担っていることが分かる。また松本氏は、AI 自動音声合成システムの機能追加による、Adobe Express の新たな活用の可能性を期待している。

「AI 自動音声合成システムの機能も追加されれば、例えば学習動画にナレーションをより手軽に付けられます。ナレーションのある動画を増やすことで、視聴者の理解度向上にも寄与するはずです」(松本氏)

現在も社員が講師となる場合には、その社員本人にナレーションをつけてもらう場合もあるが、人によっては自動音声を要望されるケースもある。AI自動音声合成システムとの連携が実現すれば社員のニーズにも応えられる。そのほかにも人財開発センターでは、Adobe Express を用いて社内研修用の告知や社内向けビデオ編集を行うことで外注コストの削減を図ったり、社内イントラサイトのバナーや社内向け広報資料を作成して社内広報活動を迅速化させたりと、さまざまな展望を描いている。

※掲載された情報は、2024 年10 月現在のものです。

関連するトピックス

Content as a Service v3 - 9cb1f14c-bad3-3176-8511-5c956e62b09d - Tuesday, January 7, 2025 at 12:47



その他の関連トピックスを見る