事業内容: 駅構内のセブン-イレブン店舗、臨時売店、宅配便ロッカー、自動販売機の運営
従業員数: 19名
https://www.shinkeisei.co.jp/corporate/group_list/retailingnet/
新京成グループの企業として、新京成線の26駅中10駅11カ所の駅構内でセブン-イレブン店舗を運営。ほかにも駅構内にある臨時売店の管理を行い、菓子や服飾・雑貨品などの物品販売をするなど、売上を堅調に拡大している。
導入製品:
課題
駅構内コンビニ11店舗のアルバイトの雇用管理を効率化したい。
成果
・顧客契約業務の効率化
・人材配置の最適化
・ペーパーレスの実現
・多言語対応の実現
「Adobe Acrobat Signの導入は、雇用契約業務だけでなく、会社の業務全般の効率化に役立っているので、費用対効果は非常に高いです」
石川 雄介氏
代表取締役
新京成線駅構内でセブン-イレブン店舗を11店舗運営する新京成リテーリングネット株式会社は、自社で行っていた紙ベースの雇用契約業務の電子化に着手。Adobe Acrobat Signとクラウドサービスkintoneを連携させることで、早期に全社展開できる業務基盤を整備した。作業時間の大幅な短縮や人材配置の最適化を実現したほか紙の書類を保管・整理する作業が不要になるなど、顕著な導入効果が表れている。
駅構内で運営しているコンビニの雇用契約業務の効率化に着手
新京成リテーリングネット株式会社は、千葉県にある新京成電鉄のグループ会社で、駅構内でセブン-イレブン店舗をはじめ、宅配便ボックスや自動販売機等の運営を行っている。セブン-イレブン店舗は2013年にセブン-イレブン・ジャパンにFC加盟し、1号店が開店して以降店舗数を増やし、現在は11店舗を展開、鉄道の利用客のみならず駅周辺からも集客し、売上を着実に伸ばしている。一方で、利益率を高めるために業務改善にも積極的に取り組んでおり、その一環として着手したのが、セブン-イレブン11店舗の雇用契約業務の電子化だ。
「以前は、当社の雇用契約業務は全て紙ベースで行われていました。総務部で作成した契約書類を印刷して、各店舗に持参しながらやりとりしていたので、無駄な時間が非常に多かったのです」と代表取締役の石川 雄介氏は語る。
そうした中、給与システムの導入を機に各店舗にPCを配布。それにより、雇用契約業務の電子化を図る準備が整ったことから、満を持して課題解決に着手した。
総務部からメール送信された雇用契約書。サインが必要な箇所がわかりやすく確認できる。
契約業務の効率化を包括的に実現できるAdobe Acrobat Sign を選定
従来の雇用契約業務では、総務部が毎月11店舗分の雇用契約更新リストをExcelで作成し、各店舗に配布していた。それをもとに各店舗の店長がアルバイトの従業員に契約の更新可否を確認。総務部が作成した雇用契約書を手渡してサインしてもらい、それを本社に送付していた。
ところが、アルバイトの数は11店舗で260名に上り、雇用契約の更新時期がそれぞれ異なるため、管理が非常に煩雑だった。その結果、一人の更新契約が完了するまでに、約1カ月半もかかっていたという。
雇用契約業務の課題について、総務部 総務課兼経理課 係長の辻 貴子氏はこう語った。「アルバイトが雇用契約書を持ち帰り、出勤日に提出し忘れるケースもあったので、なかなかスムーズに処理できませんでした。そのうえ、雇用契約書は紙で保管していたので、必要な書類をすぐに確認できません。各店舗の雇用契約状況をリアルタイムに把握できないことも課題の一つでした」
そこで、グループ会社で取引実績のあったk&iソリューションズ株式会社に相談。提案されたのが、Acrobat Signとkintoneを連携させた業務改善ソリューションだった。まず、業務アプリを自社で簡単に作成できるkintoneを先行導入し、操作に慣れた段階でAdobe Sign連携コネクタとAdobe Signを導入。それにより、kintoneのクラウドサービス上で雇用契約書類のやりとりや電子サインが円滑に行える環境を整えた。
k&iソリューションズ株式会社の村上 啓一氏は、Adobe Signを提案した理由をこう説明する。「Acrobat Signを選定した理由は三つあります。一つ目は、雇用契約書の署名だけでなく、給与振込口座情報の提出など、付帯する契約業務の電子化を包括的に行えることです。二つ目は、多言語に対応していることです。外国人のアルバイトも多いため、母国語で署名ができる仕組みは必須でした。三つ目は、kintoneと連携させることで、文書の送信や管理まで一貫して行えることです。ほかのツールを利用する必要がないので、学習コストを最小限に抑えて早期に運用できる利点があります」
約1カ月半かかっていた更新契約が10日で完了
実際、新システムの導入はスムーズに運び、早期運用を実現している。新規雇用契約を行う場合は、アルバイトの採用が決定した段階で、履歴書に記載されたメールアドレスにAdobe Signで作成した雇用契約書を送信。そこに電子署名をして返信すれば、kintoneのクラウド上にデータが登録される仕組みだ。一方、雇用契約を更新する場合は、店長がkintone上で契約更新リストを確認し、仕事を継続するアルバイトに雇用契約書をメールで送信。後は新規の場合と同様の処理を行っている。
Acrobat Signを導入したことにより、雇用契約業務にかかるコストが大幅に改善された。「これまで一人の更新契約に約1カ月半かかっていたものが10日で完了し、業務時間が4分の1に短縮されました。そのおかげで現在は別の業務に専念できるようになっています」(総務部 総務課兼経理課 主任 望月 玲子氏)
「雇用契約業務が電子化されたことで、雇用契約書類を印刷して封入し、それを各店舗に配布する作業が一切なくなり、望月と二人で分担していた雇用契約業務が一人で行えるようになりました。紙の書類を保管してファイリングする手間が省け、ペーパーレスにも貢献しています」(総務部 総務課兼経理課 事務員 三好 亜紀子氏)
Acrobat Signとkintoneはいずれも操作がシンプルで簡単であり、PC操作に不慣れな年配の店長もすぐに使いこなせるようになったという。従来のように雇用契約書をアルバイトに手渡して回収する必要がなく、個々のアルバイトの雇用契約状況をリアルタイムに確認できると喜ばれている。
「従業員からも、メールでのやりとりによって好きな時間にサインができる点や、スマートフォンで撮影した本人確認書類をPDFに添付できる点がすごく便利になったと好評です。従業員には外国人も多いのですが、メールのメッセージをそれぞれの母国語に変換して送ればすぐに対応してくれるので、雇用契約書の回収率が100%になりました」(辻氏)
臨時売店の出店申込書や承認申請業務にも有効活用
新京成リテーリングネットは、今後駅構内の臨時売店の出店申込書や出店事業者の請求書など、現在紙で発行している書類の電子化を図っていく考えだ。さらに従業員の交通費などの申請承認業務にAdobe Acrobat Signを活用し、効率的に行うことも検討している。
「当社は、一人の従業員が何役も仕事をこなしているので、それぞれの業務負担を軽減できる基盤が整った効果は大きいです。今後も無駄な作業をなくして利益率を高めるために積極的に活用していきます」(石川氏)
(左から)望月 玲子氏、辻 貴子氏、石川 雄介氏、三好亜紀子氏
村上 啓一氏
※掲載された情報は、2021年9月現在のものです。
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