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クラウド版「Adobe Experience Manager」導入により webサイト構築を内製化。顧客企業を見据えたパフォーマンス向上と業務効率化を実現

ソフトバンク株式会社

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創業

1986年

所在地:東京都

https://www.softbank.jp/

1/3

サイト制作の工期が短縮

70%

Webパフォーマンスが導入前よりアップ

導入製品:

課題

・顧客の思いや行動を踏まえたコミュニケーションの適正化を図り、手付かずだったマーケティング業務で顧客体験の向上を目指したい

・顧客流入の窓口となるwebサイトの改修と構築のあり方を見直し、サイト制作の内製化を実現したい

成果

・サイト制作の内製化により工期が短縮され、顧客視点のコミュニケーションに注力する時間を創出

・マーケターが顧客との対話を自ら行い、顧客にとって価値の高いページ作成を実現

・毎年、制作に相応のコストがかかっていたのが自社リソースで0円へ。残業時間も大幅に減少

・顧客に合わせたコンテンツや話題キーワードのSEO対策でパフォーマンスが向上

「B2Bマーケティングにおいて顧客企業を中心に考え、対話をしていく『オーディエンスセントリック』の視点が欠かせません。その実現に向けて、自らでテクノロジーを効果的に使いこなし、成果につなげていくことが大事です」

山田 泰志氏

法人マーケティング本部 担当部長

製品担当と外部のweb制作会社の仲介窓口からの脱却を目指す

日本を代表する先端的テクノロジーカンパニーの一角を担うソフトバンク株式会社。主力となる通信事業を核に、情報/テクノロジー領域で多種多様な事業やサービスを推進し、社会や人々の課題解決を目指している。

今回はB2Bマーケティング強化に向け、法人向けwebサイト構築の内製化を実現するべくAdobe Experience Manager as a Cloud Serviceを導入した経緯や活用法、成果について、法人マーケティング本部 担当部長の山田泰志氏と同本部 マーケティング戦略統括部 マーケティングオペレーション室2課課長の松村健司氏の2人に聞いた。

山田氏は、2019年10月に、同社の法人マーケティング戦略全体の統括を担うべくジョイン。松村氏は21年より現職で、法人向けwebサイト運営/設計制作を担当するチームをけん引している。

当初の課題として、法人マーケティング本部という組織名ながらも、「実態は社内の法人向け製品担当者に要望やイメージを聞き、web制作を委託している外部の制作会社に引き渡し、ディレクションを行うのが主な役割でした」と松村氏は話す。

マーケターのミッションである、顧客とのコミュニケーションの適正化、顧客体験の向上といった業務は手つかずの状況だったという。

山田氏の入社を契機に、マーケティング施策のプラットフォームとなるwebサイトの改修、そもそものサイト構築のあり方を見直し、内製化を目指すべきと認識。「業務プロセスを見直すとともに、マーケティングテクノロジースタックについても再構築を進めていくことになりました」(山田氏)

「Adobe Experience Manager as a Cloud Service」導入から 3か月でwebコンテンツの大枠を内製化

そこで導入したのが、20年3月に新たに登場したクラウド版の「Adobe Experience Manager as a Cloud Service」だ。従来のオンプレミス型やマネージド型のCMSと異なり、HTMLなどのコーディングの手間いらずで、webコンテンツの制作、リニューアルが実現。多様なデバイスに向けたレスポンシブ、定型テンプレートの利用やカスタマイズが簡単にでき、パーソナライズされたコンテンツ主導のエクスペリエンスの最適化がスピード感を持って実現する。

内製化に向けては、公式eラーニングやヘルプ機能などのサポートが充実していることも決め手となったという。

使ったことのない新たなソリューション導入、業務プロセスの大幅改革を目前に、当初は不安だったという松村氏だが、マニュアルやeラーニングをもとに、チームで勉強を推進。次第に操作に慣れるとともに作業もスピードアップしていった。

「従来であれば、製品担当者からの要望を聞き、制作会社への指示プロセスも含め、新しいページを作成/ローンチするまで1~1.5か月かかっていたのが、工数/所要時間も3分の1程度に減少しました」(松村氏)

20年12月の契約後、翌年1月から作業を開始し、2月には自前のwebページ第1弾の公開にこぎ着く。3月の時点で、webサイトの大枠をAdobe Experience Manager as a Cloud Serviceで管理し、4月からは新しいページはすべてAEMでの制作に移行したという。

webパフォーマンス向上に加え、社員の働き方改革も実現

Adobe Experience Manager as a Cloud Serviceの導入/活用により、どのような成果、変化が出ているのか。

1つ目が、従来「作る」だけで精一杯だったのが、顧客の目線で伝わりやすい内容になっているか、「どう伝えるか」を最優先に既存のページについてもチェックすることができるようになったことだ。Adobe Analyticsなどを活用しながら分析し、テキストや構成の改善に生かしている。

2つ目に挙げられるのがwebパフォーマンス向上だ。webからの問い合わせや資料ダウンロード数、フォームの流入数など、様々なコンバージョンポイントが導入以前と比較して7割ほどアップしたとか。

3つ目は、大規模イベントに際しての特設サイト構築もすべて自前でできるようになったことだ。以前は予算を組み、外部の委託会社に制作依頼をしていたが、「毎年恒例の自社イベント『SoftBank World』についても、22年はサイト構築を自社で行うことで、制作費は実質0円。工数もこれまでの3分の1程度となり、直前での内容変更も柔軟に対応できるようになりました」(松村氏)

4つ目が社員の働き方改革が実現したこと。「21年10月から、webチームについては18時退社を徹底しました」と山田氏。従来ならば、大規模イベントの前などは特設サイト構築のため、長時間残業を強いられていた課題も是正されたという。

5つ目が、チームメンバーの仕事に対する向き合い方の変化だ。マーケティングの要諦である顧客を中心に考えるオーディエンスセントリックな視点を大事に、能動的にページの最適化や内容の提案を推進。対話を通じて顧客体験の改善を進めるという、あるべきマーケターとしての姿を具現化する風土醸成が進んでいるのは大きな進化と言える。

そして6つ目が、個々のチームメンバーが主体的に学び、成長を目指す文化が確立されたこと。マーケティングにかかわらず、ライティングやテクノロジーなど幅広い分野にかかわる書籍をチームメンバー全員が週1冊を目標に読み、毎週テーマを決めた勉強会も実践しているという。

Adobe Experience Manager as a Cloud Serviceのような高機能なソリューション導入に際しては、「スモールスタート、クイックウィンで取り組みを進めること」「すべての機能を使いこなそうとせず、まずは標準的な活用スタイルに限定し、しっかり成果に結びつけること」などを挙げる山田氏。

その点では、導入時にコンサルタントによるサポートサービスを受ける際にも、何でも尋ねるのではなく、自分自身でまずは基本的な特性や操作法を学び、「自分たちに合った使い方」を見極めてから助言を求めるスタイルが有効だという。

今後の展望としては、「これまで内製化の実現に注力してきましたが、さらに踏み込んでAdobe Experience Manager as a Cloud Serviceの活用の幅を広げていくことを目標に、より“高度なweb”を実現したい」と松村氏は語る。すでにヘッドレス型のページ展開など新しい取り組みをスタートさせているという。

webパフォーマンスのさらなる向上を目指すなら、同社のケースも参考にしながらAdobe Experience Manager as a Cloud Serviceに着目し、自社ならではの導入スタイルを検討してみてはいかがだろうか。

法人マーケティング本部 担当部長
山田 泰志 氏

法人マーケティング本部マーケティング戦略統括部
マーケティングオペレーション室 2課 課長
松村 健司 氏

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