Adobe Signでペーパーレスな住宅ローン契約を実現。契約締結までの期間も大幅に短縮

創業

2001年

従業員数:498
所在地:東京
https://sonybank.net

2~3週間要していた契約締結までの期間が、最短で 1時間 程度に短縮

Products:

目標/課題

契約業務にかかる時間を短縮

ワークフローのデジタル化

契約業務のワークフローを既存の顧客管理システムと統合

成果

2~3週間要していた契約業務が最短1時間程度に

電子化することで、紙の契約書類を郵送する必要がない

実印・印鑑証明、印紙税が不要に

実印や印鑑登録証明書が不要となり、お客様負担が軽減

業務負荷とコストの削減

書類受け渡しの進捗管理から解放され郵送費などのコストも圧縮

契約件数の大幅な増加に対応

締結までの時間短縮で、増加している契約にも迅速に対応

「契約の電子化はお客様へのサービス価値向上と当社の業務の省力化につながり、10%の業務コストカットも期待されています」

ローン業務部 副部長 兼 業務企画課長**  重田 浩治氏**

ソニー銀行株式会社は、2001 年に設立された新しい取り組みに積極的なインターネット専業銀行だ。非対面で完結する住宅ローンのほか、外貨預金、投資信託、カードローン、外国為替証拠金取引(FX)など、「個人のための資産運用銀行」をコンセプトに豊富な商品・サービスを提供。11通貨対応のVisaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」、ベンチャー企業を支援する投資型クラウドファンディング「Sony Bank GATE」など、最新のテクノロジーとユニークな発想を生かした金融商品をリリースしている。

契約の業務フローを見直しリードタイムを短縮したい

同社の主力商品の1つが住宅ローンだが、近年はマイナス金利政策の影響を受け、銀行間で金利引き下げ競争が激化。利益を高めるのが困難な状況下、契約手続きや審査のスピードを上げることで、業務の生産性向上が大きな課題としてクローズアップされるようになった。そこで同社は、独自に開発したAIを用いた住宅ローンの仮審査を実施。蓄積されたデータをAIに学習させることで審査担当者の判断に近い精度の審査が短い時間で行えるようになった。借入までの期間をさらに短縮するために次にフォーカスしたのは本審査終了後の契約手続きだった。ローン業務部副部長兼業務企画課長の重田浩治氏は次のように話す。

ソニー銀行

契約におけるお客様とのやり取りも非常にシンプルになった

ソニー銀行

契約書類の署名欄をタップするとウィンドウが現れ、タイピングによって署名が完了する

契約書類の署名欄をタップするとウィンドウが現れ、タイピングによって署名が完了する

「審査を完了したお客様には紙の契約書類を郵送し、実印の押印と印鑑登録証明書の準備をお願いしていました。発送から当社への返送までの期間は余裕をもって設定していますが、押印が不鮮明であったり、記入漏れがあったりといった不備が認められると再度書類をお送りすることになり、2~3週間かかってしまいます。これではお客様は二度手間となりますし、当社の業務にとっても非効率です。この状態を改善するには、『紙書類のやり取り』という業務フローを根底から見直す必要があると考え、電子化への移行を検討するようになりました」

「1つは、銀行が扱う仕組みとして高いセキュリティを備えている一方で、当社にとってもお客様にとっても操作が簡便であるという点です。そのバランスが最も良いと感じられたのがAdobe Signでした。

ローン業務部 業務企画課 シニアアドバイザー  清水 陽介氏

セキュリティと操作性の高さのバランス

複数のソリューションを検討した同社は、文書の送信から署名の取得、作成された契約書データの保管まで、ワークフローを100%デジタル化するAdobe Signの導入を決めた。ローン業務部業務企画課シニアアドバイザーの清水陽介氏は、選定の決め手となったポイントを挙げる。

「1つは、銀行が扱う仕組みとして高いセキュリティを備えている一方で、当社にとってもお客様にとっても操作が簡便であるという点です。そのバランスが最も良いと感じられたのがAdobe Signでした。もう1つは、当社の利用している顧客管理システム『Salesforce』との連携性の高さです。『Salesforce』のUI にAdobe Sign の署名ワークフローを追加でき、画面を切り替えたりすることなく、これまでの顧客管理業務の延長線上で使えることに魅力を覚えました」

電子的な署名は実印と同等の効力を持つが、銀行としては顧客本人が自らの意思で契約したことを証明できなければならない。それに関しては、リスク部門や関係部署で議論・調整が重ねられた結果、Adobe Signに記録される証跡と2段階認証を使用することなどで十分に担保できると判断した。

「郵便の往復や、お客様に印鑑登録証明書をご用意いただく必要がなくなったことで、従来2 ~3週間要していた契約締結までの期間が、最短で1時間程度に短縮。実印の押印が不鮮明であるために契約書を作成し直すこともなくなりました」

ローン業務部 アドバイザー1 課長 山本 綾子氏

すべてをWeb上で完結させ、煩雑な進捗管理からも解放

契約手続きがWebサイト上で完結する住宅ローン「電子契約サービス」開始に伴って紙書類の受け渡しが完全に撤廃。契約締結後に郵送していた契約書の控えも、導入後は契約完了を知らせるメールが自動送付され、契約書のデータがPDFとして添付されるようになった。

「郵便の往復や、お客様に印鑑登録証明書をご用意いただく必要がなくなったことで、従来2~3週間要していた契約締結までの期間が、最短で1時間程度に短縮。実印の押印が不鮮明であるために契約書を作成し直すこともなくなりました」と、ローン業務部アドバイザー1課長の山本綾子氏は語る。

「お客様が署名されたことがシステム上に通知され、未手続きのお客様にはリマインドメールを自動送信するようになり、日々電話やメールで行っていた煩雑な進捗管理業務から解放されました」と話すのは、ローン業務部アドバイザー1課シニアアドバイザーの山田育美氏。

「Adobe Sign の導入で『紙がなくなることによって、業務プロセスが大幅に変わり複雑になるのでは』という不安は正直あったのですが、実際に操作をしてみると『ここまで簡単になるのか』と驚きさえありました。お客様側もシンプルでわかりやすく、『住宅ローンの契約がこんなにスムーズにできるとは思わなかった』と多数の声をいただいており、評判も上々です」と両氏はいう。

「お客様が署名されたことがシステム上に通知され、未手続きのお客様にはリマインドメールを自動送信するようになり、日々電話やメールで行っていた煩雑な進捗管理業務から解放されました」

ローン業務部 アドバイザー1 課 シニアアドバイザー  山田 育美氏

10%のコストカットと契約締結件数アップ

「サービス開始から日が浅く、本格的に検証するのはこれからですが、さまざまな効率化を鑑みての体感としては期待どおり10%程度のコストカットが実現できていると思います」(重田氏)

同社にとって業務コストの圧縮とともに大きな収穫が、住宅ローンの締結件数の増加である。申し込みから契約完了までの期間が短縮されたことに加え、契約書類に貼付する印紙代や、印鑑登録証明書の交付費用を負担しなくて済むことがその要因だろうと清水氏は分析する。

将来的にはさまざまな銀行業務に活用

Adobe Signによる業務効率化の効果を実感した同社は今後、住宅ローンの契約内容変更等に際しても電子契約サービスを採り入れることを検討する意向だ。重田氏はAdobe Signに寄せる期待をこう語る。

「導入前は、電子化によって‟紙書類の受け渡し”という、プロセスがなくなることに対する心理的な抵抗感が少なからずありました。しかし、思い切ってそのハードルを乗り越えた今は、どのスタッフも契約手続きが大幅に簡略化したことを実感しています。このメリットは私どもだけではなく、お客様にも感じていただけているはずなので、将来的には書類のやり取りを必要とする他の銀行業務にも広く適用できればと思っています」

※掲載された情報は、2019 年9 月現在のものです。

* Adobe Signは2022年3月にAdobe Actobat Signにリブランドしました。

PDF

この事例のPDFをダウンロードする

すべてのユーザー事例を見る