

本社 : 大阪
創立:1937年
www.takenaka.co.jp
「最良の作品を遺し、社会に貢献する」という経営理念のもと、人びととの対話を深め、技術の研鑽を続けることでお客様と時代が求める最良のソリューションを提供。その想いを「まちづくり」を通してかたちにし、未来のサステナブル社会の実現にまい進している創業
導入製品:
課題
設計者のイメージに合った画像を迅速に探し出し、著作権を気にすることなく活用したい。
成果
- 多様なStock素材を使ってアイディアを表現
- あいまいなキーワードでも適した素材を簡単に発見
- ストックサービスの一元化で画像を即座に購入
- 著作権に関する懸念を解消
「自由に使える画像がフリーキーワードで即座に探し出せる。その安心感は大きいですね」
平岡 健太郎氏
大阪本店 設計部 第3部門 設計3グループ グループリーダー
手掛けた建築物を「作品」と呼び、技術や情熱の限りを尽くした「作品主義」を貫く株式会社竹中工務店。「作品」を生み出すためには設計力はもちろん、設計コンペにおける提案力も大きな意味を持つ。建物自体より、建物が建つことで実現する人々のアクティビティが重視されるようになる中、多様なストック素材をスムーズに提供するAdobe Stockは、同社が設計コンペで勝ち抜く上で求められるプレゼンテーション品質の向上に大きな役割を果たしている。
アクティビティ重視に伴い、提案にストックフォト活用が不可欠に
大手ゼネコンの一角を占める株式会社竹中工務店。同社の第一の特長は、設計・施工を一貫して請け負う設計施工率の高さにある。それを支えるのが設計部門の充実度だ。一級建築士の資格を保有する社員は2,047名(2021年1月現在)。業界トップクラスの規模を誇るその体制は、国内の優秀な建築作品を表彰するBCS賞をはじめとする、各種建築賞の受賞数に結実している。
長期的な視点でまちづくりに取り組む同社が直面し続けてきたのが、設計コンペで勝ち抜くという課題だ。大阪本店設計部 第3部門 設計3グループ グループリーダーの平岡 健太郎氏は近年の傾向をこう説明する。
「提案資料はこれまで3D CADの外観やウォークスルーで作成することが一般的でしたが、近年は建築物よりもむしろ、それによって実現される人々のアクティビティを重視する傾向になっています。例えばオフィスビルのフリースペースを提案する際、ランチミーティングのイメージを挿入することは分かりやすい例です。そのため、近年は提案の都度、イメージに合致した画像素材を探すことが業務の一つになっています」
こうした中、新たな課題として浮上したのが、提案資料に使用する画像の著作権への懸念だった。本社 設計本部 設計企画部 設計企画グループの鹿島 孝氏はこう振り返る。
「ネット上で見つけた画像が安易に転用されてしまうこともありえる状況については、知的財産部からの指摘もあり、会社として早急な改善が必要であると考えていました。また同時期に設計部門以外、特にプレゼンテーション資料作成を支援する部署からもストック素材を自由に使いたいという声が挙がっていました」
本社 設計本部 設計企画部 設計企画グループ
鹿島 孝氏
大阪本店 設計部 第3部門 設計3グループ グループリーダー 平岡 健太郎氏(中央)
大阪本店 設計部 第3部門 設計3グループ 鈴木 翔大氏(左) 高橋 洸太氏(右)
著作権の遵守という課題を受け、Adobe Stockを導入
より高品質なプレゼンテーションに求められるストック素材の利用基盤として同社が選択したのは、クリエイティブ制作に最適なストック素材を提供するAdobe Stockだった。まずは一部の部門で試験運用した上で全社的な導入に至った。その理由について、社内にツール展開を担う大阪本店 設計部 情報事務部門 企画管理・情報グループの馬場 祐次氏はこう説明する。
「当初はAdobe Stockのコンテンツが他社サービスと比べると素材数に物足りなさを感じていました。しかし、急速にコンテンツの拡張が進み、写真やイラストはもちろんのこと、動画素材やオーディオ素材まで提供されるようになったことで活用できると判断しました。本格展開にあたってはアドビさんのご協力のもと、著作権の啓発も含めた部内学習会を広く開催しています」
設計者のイメージに合った画像の迅速な発見に貢献
Adobe Stock導入は、同社のプレゼンテーション品質の向上に大きな成果を挙げている。設計者と連携しプレゼンテーション資料制作の役割を担う、大阪本店 設計部 スペースデザイン部門 ビジュアライゼーショングループの樽植 享子氏はその効果を説明する。
「コンペの準備では、最後の最後に良いアイデアが出てくることが珍しくありません。特にアクティビティシーンの場合、限られた時間内に設計者のイメージに合う画像を探し出すことに本当に苦労していましたが、キーワードのほか、フィルター検索やビジュアル検索を活用し、いろいろな条件を組み合わせて画像が検索できるAdobe Stockを導入してからは、設計者が求めるスピード感にも対応できるようになりました。ほかにも、『キッチンには料理人が立っている』と言葉でイメージを説明されても、作られている料理がフレンチなのか和食なのか、受け取り方はさまざまです。そうした場合もAdobe Stock画像で複数のパターンを用意しておくことで、より設計者のイメージに近い提案ができるようになりました」
社内で幅広くライセンスを付与することで、ストックフォト購入の申請手続きが不要になった効果も大きい。
「以前は、ストックフォトの利用は申請手続きが必要だったため、承認まで一週間待つことも珍しくありませんでした。その時間が不要になったことは、現場としてはとても助かっています。またロイヤリティフリーであるため、一度購入した画像は何度でもダウンロード可能なので、再利用を心掛けています」(大阪本店 設計部 スペースデザイン部門 ビジュアライゼーショングループ 由村 智子氏)
プレゼンテーションで設計者が伝えたいイメージを、さまざまな角度から検索。複数のパターンを用意することで、より設計者のイメージに近い画像で資料を作成できるようになった。
多種多様なストック素材をフルに活用し、高い提案力を生み出す環境を実現
もちろん設計者にとっても、Adobe Stockの効果は大きい。
「ブラウザで検索するような感覚で、欲しいイメージに沿った画像を読み込ませた画像検索や、キーワード検索を行えるところが便利です。動画素材もダウンロードできるので、より提案内容に沿ったプレゼンテーション資料を作成できます」(大阪本店 設計部 第3部門 設計3グループ 高橋 洸太氏)
またプレゼンテーション資料だけでなく、施工物件への活用も進んでいる。
「インテリアデザイナーとの仕事では、建物各階の休憩コーナーに地球という切り口で、海中、砂浜、空など、階に応じた壁紙を配置しました。この際Adobe Stockの画像をクロスに転写して利用しています」(平岡氏)
さらに、アイデアの拡張という観点でもAdobe Stockへの期待は大きい。
「例えばパース(完成予想図)の印象は背景の空次第で変わります。Adobe Stockで空をキーワードに画像を検索していると、『この建物なら夕景の方がよさそうだ』など、さまざまな気づきがあることはその一例かもしれません」(大阪本店 設計部 第3部門 設計3グループ 鈴木 翔大氏)
大阪本店 設計部 情報事務部門 企画管理・情報グループ 馬場 祐次氏(右)
大阪本店 設計部 スペースデザイン部門 ビジュアライゼーショングループ 由村 智子氏(中央) 樽植 享子氏(左)
大阪本店 近影
提案資料作成における効率的なクラウドサービスのさらなる活用を模索
設計コンペで勝ち抜くためのプレゼンテーションにおいてAdobe Stockが大きな役割を果たす中、同社が次の課題として挙げるのは、提案資料の作成におけるクラウドサービスの一層の活用である。
「当社の場合、提案書のまとめやプレゼンテーション資料を作成するのは若手社員が担当することが多く、プレゼンテーション資料制作にIllustratorやPhotoshopを利用する当社の場合、自席にいなくても密度の高いコミュニケーションが可能になるCreative Cloudアプリや、クラウドーサビスの活用は、今後積極的に推進していきたいと考えています」(鹿島氏、馬場氏)
※掲載された情報は、2021年12月現在のものです。