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「Adobe AI and Digital Trends 2026年版」金融サービス業界

金融サービス業界におけるAI活用型カスタマーエクスペリエンスへの道

アドビの AI and Digital Trends 2026年版 調査から得られた業界の主要インサイトを通じて、AIが生み出す機会を、クライアントジャーニーのあらゆる段階で信頼性の高いパーソナライズされた体験へと転換するために、今すぐ組織が取るべきアクションを明らかにします。

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金融サービス企業がAIとカスタマーエクスペリエンスを結びつける方法

金融サービス業界におけるAI活用は急速に進んでいます。業界全体の3分の2の企業が、チームをまたいだプロセスの定常的な自動化にAIを活用しており、顧客接点を持つ主要ワークフローへのエージェント型AI導入では他業種をリードしています。しかし、この勢いにもかかわらず、個別のAI成果をエンドツーエンドの統合された体験へとつなげるためのインフラが整っていない組織がほとんどです。次の価値創出フェーズに進むには、部分的な導入から全社的な連携へと戦略の軸足を移す必要があります。

このレポートでは、Adobe AI and Digital Trends 2026年版の調査結果をもとに、金融サービス組織にとって重要な3つの領域を取り上げます。エージェント型AIが切り拓く未来の展望、スケーラブルなAI基盤の構築、そして顧客の信頼と実際のAI活用の整合です。

セクション1

エージェント型AIが切り拓く未来

金融サービス業界は、顧客が実際に触れる領域へのAI導入において、他業種よりもAI成熟度が高い水準にあります。しかし、企業全体での価値を最大化するには、エージェント型AIのワークフローをフロントオフィスからバックオフィスまでエンドツーエンドでつなぎ、組織全体にわたって相乗効果を生み出す体制が不可欠です。

業界全体でワークフローの自動化が進み、エージェント型AIへの意欲的な活用計画が広がっています。

66%を示すグラフ
AIによるプロセスの定常的な自動化を実現していると回答した割合

今後18か月以内に、各組織が実装を見込むエージェント型AIの機能は以下のとおりです。

61%を示すドーナツチャート マーケティングのキャンペーンオーケストレーションを支援
55%を示すドーナツチャート 複数の企業システム間の連携調整
51%を示すドーナツチャート ブランドを代表するデジタル窓口としての機能

顧客接点ワークフローへのエージェント型AI導入では業界トップを走る一方、バックオフィス業務やトレーニング領域での活用は遅れています。

以下の主要ワークフローにおいて、事業全体または複数部門でエージェント型AIを活用している割合:
金融サービス業界と調査平均を比較した棒グラフを示す。カスタマーサポート(47% vs. 調査平均30%)、マーケティングコンテンツの作成・活用(30% vs. 調査平均22%)、ブランド発見・検索(30% vs. 調査平均24%)、パーソナライゼーションとレコメンデーション(21% vs. 調査平均18%)、バックオフィス業務(15% vs. 調査平均25%)、社員研修・営業コーチング(13% vs. 調査平均24%)を示す。

全社規模のAI導入には、リアルタイムで活用できるデータが不可欠です。

AIイニシアティブの推進において、55%が、自社のデータ統合・構造化の現状がAI活用の進展を妨げていると回答しています。

AIが最も大きなインパクトをもたらす領域は、多くの企業がすでに把握しています。

71%を示すグラフ
が、実用的かつ高付加価値なAIユースケースを特定済みと回答しており、これは調査全体の 64% を上回っています。

しかし、エージェンティックAIの実装には、次のような現実的な障壁が立ちはだかっています。

エージェンティックAI実装の障壁に関するFSI組織の回答を示すドーナツチャート。データ統合と品質の問題が77%。 データ統合および品質の問題を挙げています。
エージェンティックAI実装の障壁に関するFSI組織の回答を示すドーナツチャート。人材・スキルのギャップが72%。 人材・スキルのギャップを挙げています。
エージェンティックAI実装の障壁に関するFSI組織の回答を示すドーナツチャート。ROIまたはビジネスケースが不明確という回答が62%。 ROIまたはビジネスケースの不明確さを挙げています。
3分の1以上(36%)の企業が、生成AIまたはエージェンティックAIの本格導入を可能にする統合顧客データプラットフォームを保有していません。これは調査全体の 24% と比較しても高い割合です。

業界全体でAIの評価にコスト優先のアプローチが取られており、技術の真の価値である顧客体験が見過ごされています。

60%を示すグラフ が、AIイニシアティブの成否を判断する際に、経営層がコスト・ROI・売上といった純粋な財務メトリクスを優先していると回答しています。
54%を示すグラフ が、CX関連のメトリクスを用いてAI投資の定量的な効果を示すことに苦労していると回答しています。

AIの構想を実行に移す上で、チーム間の戦略的な連携不足が最大の課題となっています。

AI戦略について、経営層と現場担当者の間で強固な連携が取れていると回答した意思決定者は、わずか 19% にとどまっています。

連携不足の主な要因として、以下が挙げられます。

「チャネル横断でお客様データを収集して」というAIへのプロンプトと「その機能はまだ対応していません」という返答が表示された、同僚間のやり取りの画面 AIに対する経営層の理解不足
「AIの基礎トレーニングの期限が過ぎています」と表示されたAIのテキストボックス 変化への抵抗
「AIの目標と戦略デッキ」および「ファイルが見つかりません」と表示されたテキストボックス AIの目標と戦略の周知不足

こうした根本的な課題は、コンテンツサプライチェーンとジャーニーオーケストレーション全体に影響を及ぼします。

61%を示すグラフ コンテンツサプライチェーンは依然として線形で、リソース消費が大きいと回答しています。

33%を示すグラフ

ジャーニー設計とオムニチャネルオーケストレーションに生成AIやエージェントAIを活用しており、これは調査全体平均の 47% を大きく下回っています。

金融サービス業界は、AIがもたらす顧客へのメリットに対して他業界よりも強い確信を持っています。

76%を示すドーナツチャート AIが消費者体験を向上させると考えており、調査全体平均の 65% を上回っています。
67%を示すドーナツチャート AIが顧客の節約と購買力向上に貢献すると考えており、調査全体平均の 56% を上回っています。

エージェント体験への安心感を左右するのは人間の関与であると、業界は理解しています。

「顧客は、自分のパーソナルAIエージェントが自社の担当者と直接やり取りすることに抵抗を感じないと思う」
金融サービス業界69% vs 調査全体平均56%のデータを示す棒グラフ
「顧客は、自分のパーソナルAIエージェントが介入なしに自社の商品やサービス(購入やサブスクリプション更新など)の最終判断を下すことに抵抗を感じないと思う」
金融サービス業界22% vs 調査全体平均35%のデータを示す棒グラフ

エージェントAIへの顧客信頼を維持するため、業界が優先する取り組みは次の3つです。

「どのようなお手伝いをしますか」と表示されたAIのテキストボックス AIとのやり取りであることを顧客に明確に開示する
「私はJane、カスタマーサポート担当AIアシスタントです」と表示されたテキストボックスとともに写る女性の写真 人間のカスタマーサポートへの簡単なエスカレーション
「契約を確認する」「フォームに記入する」「承認のために送付する」というテキストボックスとともに写る女性の写真 人間によるレビューと品質管理のループ

前進するには、エンドツーエンドのオーケストレーションを可能にする統一された基盤が不可欠です。

データを有機的に連携させ、AI戦略においてエグゼクティブと現場担当者の連携を優先し、顧客の信頼構築に注力する企業こそが、AI投資を持続的な競争優位へと転換することができます。金融サービス機関が今すぐ取り組むべき3つの重点アクションをご紹介します。

AI and Digital Trends 2026年版調査のインサイトをさらに詳しく見る。

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付録

調査方法

アドビの16回目となる年次AI and Digital Trendsリサーチでは、Oxford Economicsがアドビとのパートナーシップのもとでグローバル調査を実施しました。この調査では、3,000名のエグゼクティブおよび現場担当者と4,000名の顧客を対象に、組織がAIをどのように活用して顧客の関心を獲得し、ブランドロイヤルティを高め、カスタマーエクスペリエンス(CX)ワークフローを強化しているか、またそうした変化に対して顧客がどのように反応しているかを把握しました。調査はオンラインおよびコンピュータ支援電話インタビュー(CATI)を通じて、2025年10月から11月にかけて実施されました。「金融サービス」とは、金融サービス業界に属する組織のエグゼクティブおよび現場担当者のグローバルな集合を指します。このグループは全回答者の17%を占め、幅広い規模の法人を代表しています。調査の全手法については、AI and Digital Trends 2026年版レポートをご覧ください。

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