ビジネスを成長させる顧客獲得戦略
新規顧客を継続的に獲得し、既存顧客を維持できるかどうかが、ビジネスの成功を左右します。しかし、競争が激しく飽和状態にある今日のマーケティング環境では、顧客獲得はますます困難になっており、その費用も高まっています。
SimplicityDXの最近のレポートによると、顧客獲得コスト(CAC)は過去5年間で60%増加し、現在も上昇し続けています。新規顧客獲得にかかる費用が増加していることを考えると、投資を最大限に活用するためには、しっかりとした顧客獲得戦略が必要です。
多様化は優れた基盤となります。いくつかの顧客獲得戦略を試し、結果を検証し、優れた成果を達成したものを維持しましょう。この記事では、最も効果的な15の戦術を紹介します。
- 検索エンジン最適化
- コンテンツマーケティング
- オーディエンスの定義
- 紹介プログラム
- 電子メールマーケティング
- ソーシャルメディア
- 動画マーケティング
- 有料広告とスポンサードコンテンツ
- プレゼント
- 顧客の声やレビューの活用
- ゲーテッドコンテンツとフリーミアムモデル
- バーゲンセールとプロモーション
- イベントの開催
- オフラインマーケティング
- モバイル最適化
また、次の内容も解説します。
顧客獲得コスト
顧客獲得戦略を策定する前に、自社の現在の顧客獲得コスト(CAC)を計算しましょう。新規顧客の獲得には、マーケティングコストがかかり、それには、広告、ソーシャルメディアへの投稿、屋外広告などに対する費用が含まれます。
自社の取り組みが利益を生んでいるかどうかを判断するには、マーケティング施策や期間中にかかった総費用を、獲得した新規顧客の数で割って、顧客獲得コストを算出する必要があります。たとえば、ソーシャルメディア施策で100人の顧客がクリックして購入し、その施策に1,000ドルを費やした場合、顧客獲得コストは10ドルとなります。
顧客獲得コストを算出したら、その数字を顧客の消費習慣に当てはめてみましょう。各顧客が最初の購入で平均50ドルを使い、注文あたりの粗利益率が50%である場合、純利益は注文ごとに15ドルとなります。
これらの数値は、マーケティング施策にいくら費やすべきか、完了したマーケティング活動が良い投資であったか、価格設定を調整する必要があるかどうかなどを判断するのに役立ちます。また、自社の顧客獲得コストと業界の平均的な顧客獲得コストを比較すれば、上記の判断に役立てることもできます。
顧客獲得戦略を策定する利点
顧客獲得戦略とは、新しいオーディエンスを獲得し、顧客基盤を拡大し、企業の利益を増大させるために用いられる手法のことです。 組織が 獲得 をどのように定義するかによって、顧客獲得戦略が決まります。ある組織では、収集したメールをマーケティングに活用できるため、メール収集施策を、獲得戦略と呼ぶかもしれません。また、購入だけを真の 獲得 と考える組織もあります。
顧客獲得戦略を実施することで、以下のことが可能になります。
- ターゲットとなる消費者基盤をより明確にする: 消費者データの収集と分析、競合他社の研究、市場調査動向の把握、顧客プロファイルの構築などにより、最も価値の高い顧客の行動や特性を特定することができます。そして、ソーシャルメディア、SEO、有料広告など、適切な顧客獲得チャネルに投資して、見込み客をwebサイトに呼び込むことができます。
- 顧客とつながる: 顧客獲得戦略を最適化することで、顧客とより有意義なつながりを築き、コンバージョン率を高めるために必要なインサイトを獲得できます。オーディエンスの戦略的セグメントにタイムリーなメッセージを送信したり、個々のリードに高度にパーソナライズされたメッセージを送信することで、オーディエンスを惹きつけ、企業に対する信頼度を高めることができます。
- マーケティング活動のROIを高める: 顧客獲得戦略のターゲットオーディエンスを定義することで、マーケティング活動を集中的におこなうことができ、ターゲットオーディエンスにリーチできない施策にリソースを浪費することがなくなります。マーケティング費用を集中的に投下することで、マーケティング活動から得られるビジネス全体のROIを高めることができます。
- 閲覧数を高めるだけでなく、顧客を獲得する: 広告や施策の閲覧数を増やすことは、マーケティング戦略の重要な要素ですが、それだけではROIを高めることはできません。顧客獲得戦略の成功には、潜在顧客を購買顧客に転換させることが含まれます。これは、オーディエンスがどこに住んでいるか、どのように買い物をするかなどのデータにもとづいて、オーディエンスが必要とする製品やサービスを通じて価値を提供することによって達成されます。新しい顧客に価値あるものを提供し、優れたショッピング体験を提供できれば、紹介やコンバージョンを促進することができます。
- 企業を成長させ、利益を増やす: 企業を成長させ、利益を増やすには、顧客基盤を拡大する必要があります。適切な顧客獲得戦略によって、価値の高いオーディエンスを集め、購買意欲の高い顧客に転換することができます。
顧客獲得戦略
適切なデータとインサイトがあれば、あらゆるチャネルに対応した顧客獲得戦略を策定できます。ターゲットオーディエンスが好むプラットフォームやツールを特定し、適切な獲得戦略から着手します。目標を設定し、結果を測定することで、データにもとづいて、何を維持すべきで、どこに時間をかける価値がないかを判断することができます。
顧客獲得数を増やすには、次のような戦略が有効です。
1. 検索エンジン最適化(SEO)
検索エンジン最適化(SEO)とは、検索エンジンからの無料の オーガニック トラフィックを獲得するために、webサイトのコンテンツを制作、修正する取り組みのことです。SEOにより、顧客が特定のトピックや商品をオンラインで検索する際に、自社のwebサイトが結果に表示される可能性を高めることができます。
SEOを改善するための万能の方法はもう存在しませんが、いくつかのベストプラクティスはあります。SEOの技術的な監査を実施し、検索エンジンのパフォーマンスを妨げている隠れた技術的な問題がwebサイトにないことを確認します。次に、コンテンツ戦略には、オーディエンスの最も重要な疑問とニーズに応えることのできる優れたコンテンツをコンスタントに制作することを含めます。
SEOは、あらゆる企業にとって最も重要な顧客獲得方法のひとつです。なぜなら、どの顧客やバイヤーもGoogleを利用しているからです。時間をかけて勢いをつけていく長期的な戦略なので、まず最初に開始すべき戦略のひとつでもあります。
2. コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、オーディエンスを自社のwebページに誘導したり、自社のビジネスを紹介したり、真のつながりを構築するための、あらゆる種類のコンテンツを制作することです。コンテンツマーケティング戦略では、オンサイトSEOコンテンツ、オンサイトセールスコンテンツ、メールコンテンツ、動画、ソーシャルコンテンツ、PDFなどを活用します。これには、顧客の課題に対するヒント、情報、解決策などを提供することも含まれます。人気のあるコンテンツ例としては、ブログ、ポッドキャスト、インフォグラフィックス、ハウツーガイド、動画などがあります。
SEMrushの調査では、調査対象となった企業の97%が、コンテンツはマーケティング戦略の重要な一部であると回答しています。コンテンツマーケティングは、webサイトへのトラフィックを生成し、オーディエンスが自身の好みのプラットフォームで関わり、オーディエンスにとって魅力的な方法で企業について知ることができるため、効果的な顧客獲得戦略です。
また、コンテンツは費用対効果の高い戦略のひとつであり、SerpWatchの記事では、有料広告のような従来のマーケティング活動よりも平均で62%も費用を節約できることが示されています。さらに、コンテンツマーケティングは、1ドルの支出につき3倍のリードを創出できます。
3. オーディエンスの定義
ターゲットオーディエンスを設定することで、自社の商品やサービスが適切な消費者に届いているかどうかを確認し、ROIを最大化することができます。市場調査を実施し、デモグラフィックデータを収集することで、ターゲットとすべき購買層を特定しましょう。
場所、年齢、閲覧履歴、購入履歴など、オーディエンスに関する情報を収集することで、自社ビジネスとのつながりを築ける可能性が最も高い人々にリーチすることができます。たとえば、データからオーディエンスの大半が父母であることが判明した場合、メールマガジンの配信やソーシャルメディアへの投稿のタイミングを調整し、マーケティング予算を新学期シーズンなどの主要な年間行事に集中させることができます。
顧客獲得の努力が無駄にならないよう、顧客ペルソナを常に更新するようにしましょう。
4. 紹介プログラム
紹介プログラムは、顧客が自社を他の人に紹介した場合に特典を提供するという、人気のある顧客獲得戦略です。一般的に、紹介で新規顧客が増えれば増えるほど、より多くの特典が提供されます。
これは、既存顧客に自社と関わり続けてもらうためのインセンティブとなり、正直な方法で自社を紹介してもらえるので、効果的な顧客獲得戦略です。実際、SaaSquatchの調査によると、既存顧客から紹介された顧客は、そうでない顧客よりもロイヤルティが18%高く、13%多く購入し、生涯価値が16%高いことが明らかになっています。
紹介プログラムを準備するのは簡単です。提供する特典を決め、ブログ記事やwebサイトに詳細を載せます。そして、顧客や取引先にメールを送り、紹介プログラムについて知らせます。また、定期的に顧客にリマインドし、営業部門の新規ビジネス獲得プロセスに組み込んでください。
5. メールマーケティング
メールマーケティングも、新規取引を成約させ、売上を高めるために最も効果的な顧客獲得戦略のひとつです。SaleCycleの調査によると、回答者の59%がマーケティングメールが購入の意思決定に影響を与えると回答し、50%以上が少なくとも月に一度はマーケティングメールから購入していることが明らかになっています。
メールは、オーディエンスとつながるための最も簡単な方法のひとつです。オーディエンスがメール送信に同意しているのであれば、すでに自社に興味を持ち、受け入れる状態になっています。モバイル対応のメールデザインは、オーディエンスが最も多くいる場所、つまり携帯電話に自社情報を提供します。また、メールマーケティングソフトウェアは、あらゆるメッセージをパーソナライズするのに十分な機能を備えています。
たとえば、顧客のショッピング履歴にもとづいて、パーソナライズされたメールを送信することは、顧客を惹きつける効果的な方法です。カートを放棄した顧客には、興味を示した商品と割引コードを載せたメールを送り、ただ閲覧していた顧客には、企業情報を提供するメールを送ります。
6. ソーシャルメディアマーケティング
今日の競合がひしめくマーケティング環境において、ソーシャルメディアでの活発な活動は、企業にとって欠かすことのできないものです。Statistaによると、世界中で36億人以上がソーシャルメディアを利用しており、Facebookだけでも300万社の企業が利用しているため、自社がソーシャルプラットフォームで存在感を示すことは、顧客獲得戦略において重要な部分を占めます。
これには、オーガニック投稿と有料広告の両方が含まれます。
- オーガニック 投稿では、コンテンツやコメントを通じて新しい顧客とつながることができます。オーディエンスが共有できる面白いコンテンツ、インサイトに満ちたブランドコンテンツやノンブランドブランドを投稿することで、リーチを広げ、新規顧客に対して企業を位置付けることができます。
- 多くのソーシャルネットワークの 有料広告 は、オーディエンスを細かく指定できるため価値があります。ソーシャルネットワークは、大量の利用者データを保持しているので、現在カリフォルニアに住んでいて、子育てをしているシカゴベアーズのファンといった、特定のオーディエンスを見つけることができます。
ソーシャルメディアは、オーディエンスのセグメンテーションが特に有効な顧客獲得戦略のひとつです。オーディエンスのデモグラフィックによって好みのチャネルは異なるので、自社のオーディエンスが利用しているチャネルを把握する必要があります。
7. 動画マーケティング
動画コンテンツとは、webサイトに掲載されている録画動画、YouTubeなどのストリーミングプラットフォームで共有されている動画、Facebook、TikTok、Instagramなどのソーシャルメディアプラットフォーム経由のライブ動画などのことです。
動画マーケティングは、その汎用性の高さから、効果的な顧客獲得戦略として有効です。Wyzowlの調査では、94%のマーケターが動画が自社の商品やサービスに対する利用者の理解に役立っている回答し、81%のマーケターが動画が自社の売上を直接的に押し上げている回答しています。
ターゲットオーディエンスに関するデータを活用して、動画マーケティングの取り組みに最適なプラットフォームを決定し、顧客が興味を抱いているトピックを判断します。ソーシャルメディアで共有できる動画については、インフルエンサーに頼ることもできます。
8. 有料広告とスポンサードコンテンツ
有料広告やスポンサードコンテンツには、検索エンジンの結果ページ(SERP)上の有料広告、ソーシャルメディアプラットフォーム上のパフォーマンスベースのコンテンツ、関連webサイト上のスポンサードブログ投稿などがあります。
顧客獲得における有料広告とスポンサードコンテンツの利点は、ほぼ即座に結果が出ることであり、戦略のローンチ後に、トラフィック、リード、売上を生み出すことができます。有料広告の掲載は、企業認知度を高め、新しいオーディエンスにビジネスを紹介するのに役立ちます。
有料コンテンツやスポンサードコンテンツは、費用が高額になりやすいため、ROIを最大化するためのベストプラクティスと高機能のツールを利用することが重要です。たとえば、Googleの動的検索広告では、個々の利用者が何を購入したかにもとづいて、企業のwebサイトから広告対象のコンテンツが抽出されるので、広告の関連性が維持され、時間の節約になり、コンバージョンを増加させることができます。Facebookのチャットボットでは、有料広告から流入した潜在顧客と会話を自動的に始めることができます。
顧客獲得に向けた有料コンテンツやスポンサードコンテンツの利用を開始する際には、顧客獲得コストに目を配るようにしましょう。
9. プレゼント
プレゼント施策は、新規利用者に商品やサービスを試してもらうことができるため、優れた顧客獲得戦略です。また、並行してコンテストを企画すれば、新しいオーディエンスの目に触れる機会にもなります。
プレゼント施策を実施する容易な方法は、企業のソーシャルメディアプラットフォームを利用することです。コンテストに人気のある商品やサービスを提供し、応募するには、何らかの形で企業について共有する必要があることを告知します。フォロワーに、コメントで友人をタグ付けしたり、投稿を自身の連絡網で共有したり、企業や商品をベースにした独自のコンテンツを制作するように促すとよいでしょう。コンテンツを共有することは、利用者にとっては簡単なことであり、自社を多くの新しいオーディエンスの目に触れさせることができます。
10. 顧客の声やレビューの活用
顧客の声やレビューは、顧客獲得を向上させるために活用できる、非常に価値のあるマーケティングツールです。顧客の声やレビューは、クチコミマーケティングの力を活用し、企業に権威をもたらします。
既存顧客に肯定的なストーリーやレビューを依頼して顧客の声を収集し、それを活用しましょう。
- 独立したケーススタディ、インタビュー、商品レビューなどとして紹介する
- 商品ページに引用文や星評価を掲載する
- メールマーケティング施策で、ユーザー事例を紹介する
- ソーシャルメディアチャネルで短い体験談を共有する
また、Googleなどの第三者サイトや、顧客との出会いの場であるマーケットプレイスに、レビューの投稿を依頼することもできます。多くの潜在顧客が自社に対して抱く第一印象は、Googleで自社名を検索し、SERPサイドバーに表示される詳細を調べることで得られます。
11. ゲーテッドコンテンツとフリーミアムモデル
ゲーテッドコンテンツとフリーミアムモデルは、どちらも潜在顧客に対して、情報と引き換えに価値を提供するものです。ゲーテッドコンテンツとは、PDFやウェビナーなど、顧客がフォームに入力してアクセスするタイプのコンテンツです。フリーミアムモデルは、デジタルツールへの限定的なアクセスを提供します。
フォームへの記入を 獲得 と見なすのであれば、ゲーテッドコンテンツは優れた戦略です。SEOトラフィックをターゲットにし、メール施策で宣伝できるトピックのブログ記事など公開します。webのコンテンツには、ゲーテッドコンテンツの内容の一部を載せ、完全な情報を入手するためのフォームに読者を誘導します。
同様に、フリーミアムモデルも、オーディエンスを顧客に変えることができます。このモデルでは、無料でアクセスできるコンテンツを、広告付きや機能を限定した形で制作、提供します。購読料や料金を支払えば、広告を消したり、追加機能を使ったりすることができます。これは、商品の購入を躊躇している顧客に、購入前に試してもらう最適な方法です。
フリーミアムモデルに代わる方法として、メーター制のペイウォールがあります。これは、毎月一定数のコンテンツへの無料アクセスを提供し、無制限にアクセスする場合は料金を支払うというものです。メーター制限内のコンテンツしか利用しない利用者もいますが、コンテンツに価値を見出した利用者は、有料でフルアクセスするようになり、生涯顧客価値(LCV)が高くなる傾向があります。
12. バーゲンセールとプロモーション
飽和状態の市場において、割引やプロモーションは、注目を集め、新規顧客の獲得に貢献できます。人はお金を節約したいものであり、限定的で特別なものを手に入れたと感じることを好むため、この戦略はエンゲージメントを高めます。
顧客獲得戦略の一環として、バーゲンセールやプロモーションを実施するには、いくつかの方法があります。
- ソーシャルメディアのアカウントでクーポン広告を出稿する: これにより、フォロワーは限定的なバーゲンセールを提供されているように感じ、まだ購入していない人に取引を完了するよう促すことができます。
- メール購読者にバーゲンセールを提供する: 顧客獲得用のメールを、まだ一度も購入を完了したことがないコンタクト先に送ります。たとえば、初回購入時に割引コードを提供する旨のウェルカムメールや、ショッピングカートに入れたままの商品に対するバーゲンセール情報を提供するカート放棄メールなどを送信するとよいでしょう。
- お得感を演出する: 顧客を惹きつけ、顧客獲得数を増やす方法としてよく知られているのが、顧客が一定額を購入した際に「無料のプレゼント」をつけることです。提供する景品は、在庫が少ない商品や廃盤になった商品でもかまいません。新しい顧客に景品を提供することで、購入を躊躇している顧客の背中を押すことができます。
13.イベントの開催
COVID-19のパンデミックの影響で、対面式のイベントは見送られてきましたが、ここにきて、顧客獲得のために体験型マーケティングの人気が高まっています。主催するイベントの種類は、業界によって異なりますが、実店舗のオープニング、本のサイン会、パネルディスカッションなどを開催することができます。
自社でイベントを主催したり、業界の関連イベントに参加したりすることは、新しいオーディエンスにビジネスを紹介し、潜在顧客とつながるための効果的な方法です。これは、自社についてよく知らない顧客と、より親密な状況で関わり、デジタルな交流よりも匿名性が低く、よりパーソナルに感じられるつながりを構築するための優れた方法です。
14. オフラインマーケティング
オフラインマーケティングには、雑誌や新聞などの印刷媒体の広告や、屋外広告、看板、壁面広告などのOOH(アウトオブホーム)広告が含まれます。デジタルマーケティングは、あらゆるビジネスの顧客獲得戦略において重要な役割を果たしますが、従来のオフラインマーケティングの手法も、新規顧客獲得戦略において重要な位置を占めることがあります。
Insider Intelligenceの調査によると、印刷物、テレビ、ラジオの広告は、最も信頼できる広告形態と考えられており、米国の成人の46%が印刷物とテレビの広告を、45%がラジオの広告を信頼しています。これに対し、webサイトの広告を信頼できると考える消費者は30%で、ソーシャルメディアの広告を信頼する消費者はわずか19%でした。オフラインマーケティングとオンラインマーケティングに対する消費者の信頼度の差は明らかであり、従来型のマーケティングに投資することは、効果的な顧客獲得戦略であると同時に、競合がひしめくデジタルマーケティング情勢の中で注目を集める方法となりえます。
オフラインマーケティングもデータドリブン型であるべきです。顧客データや一般に公開されているデモグラフィックデータを利用して、看板設置に適した地域や、印刷広告に最適な出版物を探し出すことができます。
15. モバイル最適化
モバイルマーケティングとは、スマートフォンで顧客にアプローチするあらゆる種類のマーケティングのことです。これには、ショートメッセージサービス(SMS)、Facebookメッセンジャー、プッシュ通知、モバイルアプリなどが含まれます。
Insider Intelligenceのレポートによると、2025年までに米国のコマース市場全体の約45%をモバイル販売が占めるようになるとのことです。また、Statistaのレポートによると、米国のインターネット利用者の約3分の1が、毎週、モバイルデバイスで買い物をしていることが明らかになっています。モバイルに最適化することは、新規顧客の獲得につながる価値ある取り組みといえます。
- SMSとメッセージ: 一般的に、利用者は、テキストやメッセージで更新情報を受け取ることをオプトインしており、その場合、オーディエンスは興味を抱いています。しかし、プライベートメッセージは、ほとんどのユーザーにとってまだ非常に個人的な印象をあたえるので、これらのチャネルの使用は控えめにしてください。オーディエンスを見込客と顧客にセグメント化し、特に購入経験のない人を戸惑わせないように注意しましょう。
- モバイルアプリ: モバイルアプリを顧客獲得に利用するには、購入未経験オーディエンスに独自の価値を提供する必要があります。多くのモバイルアプリは、既存顧客向けですが、購入を必要としない関連ツール、機能、ゲームなどを盛り込めば、顧客獲得ツールになる可能性があります。
アプリとモバイルサイトでは、さまざまな顧客接点で、自動化された一貫性のあるショッピング体験を提供できるようにしましょう。ターゲットオーディエンスが、モバイルからサイトを訪れた場合、またはモバイルアプリやマーケットプレイスから購入しようとした場合、そのプロセスはシンプルかつシームレスであるべきです。
顧客獲得ツール
明確に定義された顧客獲得戦略は、購入する可能性が最も高いオーディエンスを見つけ、つながりを構築し、マーケティング ROI と全体的な売上を向上させるのに役立ちます。既存顧客を維持することは重要ですが、その取り組みは、新規 顧客を見つけるためのデータドリブン型のアプローチとバランスをとる必要があります。
顧客獲得戦略を開始または改善する準備ができたら、この記事で解説した戦術の中からひとつかふたつを選んで着手してください。最初から明確で測定可能な目標を設定し、一定期間経過後に進捗と顧客獲得コストを評価します。戦略が有効に機能していれば、そのまま継続します。成果を出していない戦略があれば、リソースを新しい戦略に移行します。
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