2024年のホリデーショッピングシーズン(11月〜12月)において、アドビが観測した主要なトレンドのひとつは、生成AIを活用したチャットサービスとブラウザーの利用拡大でした。アドビのデータによると、消費者が商品リサーチ、割引情報の検索、ギフトアイデアの発見にこれらのツールを活用した結果、米国小売サイトへのAI駆動トラフィックが大幅に増加しました。アドビが本日発表したレポートでは、2025年7月までの新データを含め、AIを活用したショッピングの継続的な成長が示されています。
アドビのインサイトは、米国小売サイトへの1兆回を超える訪問を対象とした直接取引データにもとづいており、その規模は他のテクノロジー会社や調査機関を上回っています。さらに、5,000人を超える米国回答者を対象とした補完調査により、消費者がオンラインショッピングジャーニーでAIをどのように活用しているかについて、さらなる文脈が提供されています。
生成AIがオンラインショッピングにおける重要な役割を確立
ホリデーショッピングシーズン中、アドビは米国小売サイトへの生成AIトラフィック(買い物客がリンクをクリックすることで測定)の初の大幅な急増を観測しました。2024年11月1日から12月31日にかけて、生成AIソースからのトラフィックは前年同期比1,300%増加しました。サイバーマンデーには、生成AIトラフィックが前年同期比1,950%増となりました。生成AIトラフィックは有料検索やメールなどの他のチャネルと比較するとまだ控えめな規模ですが、その急増は注目すべきものでした。
アドビの新データによると、生成AIトラフィックはここ数ヵ月大幅に拡大し、2025年7月には前年同期比 4,700% の増加を記録しました。ホリデーショッピングシーズン後の年初も力強い成長が続き、生成AIトラフィックは2025年1月に1,100%、2025年4月に3,100%増加しました(1月と4月の数値は2024年7月と比較したもので、それ以前は生成AIトラフィックがベースラインとして使用するには微小すぎたため)。
5,000人の米国消費者を対象としたアドビの調査では、38%がオンラインショッピングで生成AIを使用したことがあると回答し、52%が今年使用する予定だと答えています。消費者がAIを使用するショッピングタスクは、リサーチの実施(回答者の53%)や商品レコメンデーションの受取(40%)から、お得な情報の検索(36%)、ショッピングリストの作成(30%)、プレゼントアイデアの取得(30%)、ユニークな商品の発見(29%)、バーチャル試着(26%)まで多岐にわたります。
米国小売業者のAI駆動収益が上昇中
アドビは、生成AIを活用したチャットサービスやブラウザーとやり取りした後に小売サイトにアクセスした買い物客の行動について、新たなデータを公開しています。このデータは、AI以外のトラフィックソース(有料検索、アフィリエイトおよびパートナー、メール、オーガニック検索、ソーシャルメディアなど)と比較され、消費者行動の変化をプロファイルしています。
生成AIからアクセスした買い物客は、AI以外のソースと比較して10%エンゲージメントが高くなっています。つまり、小売サイトでより多くのコンテンツを探索し、訪問時間が32%長く(1回の訪問あたりのページ数も10%増加)なっています。また、すぐに離脱する可能性も低く、バウンス率は27%改善されています。これは、AIツールにより買い物客がより情報にもとづいた判断を行い、調査・検討段階で最も関連性の高い小売業者に集中していることを示しています。アドビの調査によると、ショッピングでAIを利用した人の85%が、AIによりショッピングエクスペリエンスが向上したと回答し、73%が製品調査の主要ソースとして挙げています。さらに、83%が高額または複雑な購入でAIを利用する可能性が高いと答えています。
一方、コンバージョン(訪問から購入への転換)は、AI以外のトラフィックソースに比べて遅れています。しかし、この差は縮小傾向にあり、2025年7月には生成AIソースからのトラフィックの コンバージョン率が23%低い状況 となり、2025年1月の49%、2025年4月の38%から改善しています。このコンバージョン格差は、AIが購入ボタンを押す前の調査・検討ステージでより多く活用されていることを裏付けています。しかし、ここ数ヶ月の改善は、消費者がAIを活用したチャットやブラウザーエクスペリエンスの直後にトランザクションを完了することに、ますます慣れてきていることを示しています。
コンバージョン格差の縮小により、AIによる訪問あたり売上高はここ数ヵ月で増加し、2025年1月から7月にかけて84%増加しました(AI以外のソースと比較)。これは、2025年7月時点でAIによる訪問の価値がAI以外の訪問より27%低いだけであることを意味し、1年前(2024年7月は97%低)から大幅に改善されています。また、消費者がモバイルデバイスで生成AIツールを使用する機会が増えるにつれ、衝動的な買い物が起こりやすいモバイル環境でのさらなる増加が期待されます。2025年7月、生成AIソースからのトラフィックの26%がモバイル経由(デスクトップ対比)で、2025年1月の18%から増加しています。
消費者がオンラインショッピングなど日常タスクで対話型インターフェイスを利用するようになる中、企業は様々なオーディエンスとのエンゲージメント方法を再考する必要があります。これは、より複雑なタスクを処理し、高度にカスタマイズされたレコメンデーションを提供できるAIエージェントの登場により、特に重要になっています。
Vivek Pandyaはアドビ Digital Insights(ADI)のディレクターで、各業界の上級マーケティング・eコマース担当者向けにデジタルマーケティングなどの研究を発表しています。
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