Adobe Premiere ProとAdobe After Effectsには、世界中のビデオ制作者が思い通りにストーリーを伝えることができるよう、様々なツールが搭載されています。500社近いパートナーとの緊密な連携により、Adobe Premiere ProとAdobe After Effectsの機能はさらに強化され、常に高速化、信頼性の向上、機能強化が図られています。国際放送コンベンション(IBC)が間近に迫る中、Adobe Video Ecosystemが、プリプロダクションからポストプロダクションまで、プロのビデオ編集者のワークフローのあらゆるステップをどのようにサポートしているか、そのすべてを確認してみましょう。
このエンドツーエンドのワークフローの重要な要素となるのが、10月にリリースされる Premiere Pro 2025と After Effects 2025です。これにより、業界をリードするビデオ編集ソフトと業界をリードするモーショングラフィックツールが、さらに強力で多機能なものになります。Premiere Proの新機能には、革新的な新しいカラーマネジメントシステムと、状況を認識する新しいプロパティパネルが含まれています。一方、After Effectsには、強化された4Dワークフローと、多数の新しいアニメーションプリセットが搭載されています。また、両アプリケーションのパフォーマンスはさらに高速化し、モダンでリフレッシュされたユーザーインターフェイスを備えています。Premiere Proについて詳しくはこちら、After Effectsについて詳しくはこちらをご覧ください。
Premiere ProとAfter Effectsは、サードパーティテクノロジーパートナーの大規模なエコシステム、パネル拡張機能、プラグインなどにより拡張されており、動画制作者は、スポーツ中継、ソーシャルメディア動画、バーチャル制作、台本なしのテレビ番組、さらには 12th Fail のような受賞映画などのプロジェクトに対して、最適なツールを見つけることができます。どのような種類の動画であっても、Adobe Video Ecosystemには、作業を楽にしてくれるソリューションがほぼ間違いなくあります。もしなくても、すでにパートナーと協力して実現に向けて取り組んでいるはずですので、ご安心ください。
この記事では、Premiere Proと After Effectsの統合により実現した、インポートからエクスポートまでの主な機能とツールを紹介します。
Premiere Proのサポートするフォーマットの拡大により、ワークフローがさらにシームレスに
Premiere Proへのファイルのインポートは、対応しているカメラとファイルフォーマットが継続的に増加しているため、これまで以上に簡単になっています。最新のカメラのネイティブメディアフォーマットの多くを、トランスコードやファイルの再ラッピングなしで使用できます。
対応しているカメラの一部を紹介します。
- Canon: Premiere Proは、以下の最新鋭のカメラを新たにサポートします。EOS C400、EOS R1、EOS R6 Mark II
左から右へ:EOS C400、EOS R1、EOS R5 Mark II
- RED: RED V-RAPTOR XL [X]およびV-RAPTOR [X]カメラの拡張ハイライト機能に対応するPremiere Proサポートを追加しました。この機能は、画像の非常に明るい部分でより多くの色と詳細をキャプチャするように設計されています。
- Sony: FX3、FX6などのシネマラインカメラすべてからメディアをインポートし、直接編集することができます。また、VENICE 2デジタルシネマカメラや、小規模な制作チーム向け専用に設計された、非常に多用途でコンパクトなフルフレームシネマカメラである新型のBURANOなど、ソニーのハイエンドCineAltaカメラのラインナップもサポートしています。
この記事では、Premiere ProでSony BURANOを使いこなすための5つのヒントを紹介しています。また、Adobe Liveの独占配信では、Premiere ProでSony BURANOの潜在能力を最大限に引き出す方法について詳しく解説しています。
https://www.youtube.com/watch?v=baJ_STBYrmY&list=PLMMOwZoEbhuwTaqX8HA4EEtaL75KBGVLP&index=2&t=153s
プロジェクトをより簡単に設定できる統合機能もいくつかあります。
- Insta360:Insta360 Reframeプラグインを使用すると、Premiere Proで直接360度動画を編集できます。また、「つなぎ合わせ不要」の編集プラグインを使用すると、Insta360 Proユーザーは映像をつなぎ合わせることなく、すぐに360度動画の編集に取り掛かることができます。
- LTC: LTC(リニアタイムコード)のサポートは、Premiere Pro v24.6でリリースされ、動画とオーディオのソースの正確な同期のためにオーディオ信号にタイムコードデータをエンコードします。
この機能は、Tentacle Sync、Rode、Ambientなどでサポートされています。例えば、AmbientのLockit製品は、セットでのLTC同期が可能で、ポストプロダクションのワークフローをスピードアップします。また、NanoLockitは、Frame.io Camera to Cloudと統合して、リアルタイムのログ記録も可能です。
タイムライン上のクリップの整列を非常に簡単にできる2つの機能をご確認ください。
https://www.youtube.com/watch?v=bccpHW85ttg
さらに、ストレージとメディアアセット管理ソリューションにより、クリエイティブチームのメンバーがどこにいてもコラボレーションを強化できます。以下は、アドビのテクノロジーパートナーが提供しているツールの一部です。
- Watchtower:Knights of the Editing Tableによるこのパネル拡張機能は、Adobe Premiere Proプロジェクトのビンをシステムフォルダと自動的に同期します。これにより、最近追加したファイルを検索して、適切なビンに手作業でインポートする必要がなくなり、編集作業を継続できます。
- CineCert IMFプラグイン:CineCert Premiere Pro統合機能により、Premiere ProでIMFファイルを直接編集できます。コンポジションプレイリスト(CPL)を読み込むだけで、タイムラインを編集で利用できるようになります。
- Edit Cloud:このソリューションは、アドビの全製品ファミリーと統合されており、クリエイティブ制作チームが、オンプレミスシステムからPremiere Proを使用するクラウドベースの編集ワークフローに移行することを可能にします。これにより生産性が向上するだけでなく、大幅な時間とコストの削減と、二酸化炭素排出量の削減にもつながります。
- MoovIT:MoovITは、Helmut FXとHelmut.cloudを補完するために、ワークフローを強化する無料パネルを2つリリースしました。VFX部門とのやり取りを管理および自動化するVFXパネルと、ライブ環境での作業中に、録画中のファイルを更新したい場合に特に便利なGrowthAcceleratorパネルです。
- SNS EVO:オンプレミスまたはクラウドのいずれでも、SNS EVOはPremiere Proのプロダクションと完全に互換性があり、1)編集者が必要なものを正確に検索、発見、インポートすることを可能にするPremiere Pro用の ShareBrowser パネル、2)反復的なデータ処理タスク用のオートメーションエンジンである Slingshot、3)リモート編集プロジェクトのオフライン作業に必要なすべてのプロキシメディアとソースファイルを取得する Nomad の3つの優れたアプリが付属しています。EVOワークフローに関するユーザー事例をご覧ください。
EVO共有ストレージサーバーとそのツールが、Premiere Proでのチームの編集作業をどのようにスピードアップするかをご確認ください。
https://www.youtube.com/watch?v=wS9cKERliRA
AI拡張機能でクリエイティビティを発揮
Premiere Proには、複雑なタスクを簡素化し、編集プロセスを高速化する幅広いAIツールが搭載されています。これには、文字起こしベースの編集、スピーチの強調、オーディオカテゴリのタグ付けなどがあります。主要パートナーとの緊密な連携により、AIパネル拡張機能やプラグインのエコシステムが構築され、生産性がさらに向上しました。
その一部をご紹介します。
- Quickture:Premiere Proの拡張機能として利用できる、AIを活用した編集アシスタントです。プロの編集者やプロデューサーが、自然言語による指示に基づいて映像を分析し、ストーリーを見つけ、ラフカットを即座に作成することができます。
- FireCut:Premiere Pro用のAIパネル拡張機能で、反復的で時間のかかる作業(複数のテイクの削除、ポッドキャストの編集、長編コンテンツからのショートムービーの作成など)を自動化し、編集時間を大幅に短縮できます。また、FireCutは50以上の言語の音声を書き起こすことができるため、ソーシャルメディア向けに流行しているスタイルのアニメーションキャプションを簡単に追加できます。
- Boris FX Continuum:このビジュアルエフェクトとモーショングラフィックのプラグインスイートは、300以上のエフェクトと3,000以上のプロフェッショナルデザインのプリセットを提供しており、Premiere Proでフルサポートされています。また、まったく新しいアップスケーリング機能も搭載されており、どんな映像でも鮮明な画質で拡大でき、目立った画質の劣化なしに最大4倍のオリジナルサイズで書き出しが可能です。
Premiere Proでのこのエフェクトの使用方法についてご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=_gHNqhHfeck
- Digital Anarchy Beauty Box Video:このスキンレタッチおよびデジタルメイクアッププラグインは、肌の色調を自動的に識別し、肌の部分だけにスムージング効果を限定するマスクを作成します。例えば、肌のテカリなどの視覚的に不要な要素を減らしたり、制御できない照明を修正したりするのに使用できます。
- Webcam:Hyper Brewのこのプラグインを使用すると、Premiere ProやAfter Effectsなどのアドビアプリケーションにwebカメラの映像を直接ドッキングすることができます。これは、ビデオチュートリアルを録画したい場合に特に便利です。この簡単なチュートリアルをご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=ceVYBxAnxUo#_dnb
- WellSaid Voiceover:このAIボイスオーバー拡張機能を使用すると、Premiere ProのWellSaid Studioからオーディオクリップに直接アクセスでき、プロジェクト用の制作品質のダイナミックなナレーションをシームレスに作成および編集できます。
- Moments Lab:このPremiere Proプラグインは、AIが生成したビデオの編集情報(サマリー、キーシーケンスの分析、印象的な引用の特定)などで、マルチモーダルAI検索を可能にします。
https://www.youtube.com/watch?v=xeqTMmjn9vg
After Effectsのエコシステムで、さらに多くの拡張機能を活用
After Effectsの機能を拡張する強力なパネル拡張機能やプラグインも多数あります。特に次の拡張機能をお試しください。
- Topaz Video AI:新しいAfter Effectsプラグインが追加され、映像のアップスケーリングとフレーム補間を可能にする優れたスイートになりました。このプラグインを使用すると、映像の画質を向上させ、素早い動きのオブジェクトによるぼやけを軽減することができます。
- LucidLink:Premiere ProとAfter Effects用のLucidLinkパネルを使用すれば、クリエイティブな作業環境を維持できます。どこからでもコラボレーションでき、ダウンロードや待ち時間なしですぐにファイルにアクセスできます。このパネルを使用すると、アプリケーションを終了することなくクリップ、シーケンス、コンポジションの検索、読み込み、固定ができるため、クリエイティブな作業の流れを途切れさせることなく作業を続けることができます。
- Irrealix: 3Dガウスぼかし、マスクに沿ったピクセルの伸張、高度なグラデーションやモザイクの作成、静止画像のアニメーション化など、After Effectsの強力なプラグインスイートです。
- Brazu Copilot:After Effectsのプラグインとして利用できるAI駆動の編集アシスタントであり、プロジェクトを素早く分析し、最適なアニメーションを提案します。また、テキストプロンプトに基づくアニメーションの作成も可能で、ニーズに合わせて調整することもできます。
https://www.youtube.com/watch?v=OQmQWgz8D2U#_dnb
また、After Effects、Substance 3D、Maxon Cinema 4Dのシームレスな統合ワークフローにより、3Dモーショングラフィックスの可能性を最大限に引き出すことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=QtQ_ec0vDs8&feature=youtu.be
新規購読者には、究極のクリエイター向けツールキットを手に入れるまたとないチャンスがあります。
- Maxon Oneバンドル:Maxon Oneの3D、VFX、モーションデザイン、ビジュアライゼーション、スカルプトツールの包括的なスイート(Cinema 4D、Red Giant、Redshift、Universe、Forger、ZBrush)が、After EffectsおよびSubstance 3Dのバンドル版として利用可能になりました。
より優れた、より効率的なエクスポートワークフローを活用
コンテンツの制作と公開をより迅速化かつ簡素化できるように、主要パートナーの協力のもと、Premiere Proの書き出し機能をアップグレードしました。
- Vimeoパネル:Premiere Pro用の無料Vimeoパネルを使用すると、編集したビデオを、指定したVimeoチームとフォルダに直接書き出すことができ、常に整理された状態を維持できます。ユーザーは、Premiere Pro内から直接Vimeo Teamsを利用し、SSOおよびログインプロバイダー(Gmail/Facebook/Apple経由のログイン)を使用してログインできるようになりました。
- ProRes書き出し:Premiere ProからのProRes書き出しは、macOSおよび Windows環境で最大3倍高速化され、書き出しプリセットはプロ仕様の出力用に16ビットになりました。
- ハードウェアアクセラレーションによるデコードとエンコード:Premiere Proは、パフォーマンスを高速化し、H.264およびH.265(HEVC)形式の書き出し時間を短縮するハードウェアアクセラレーションエンコーディングをサポートしています。またPremiere Proは、ハードウェアアクセラレーションによるデコードにも対応しており、タイムライン上のH.264/AVCやHEVCメディアの作業時の再生パフォーマンスを向上させます。
- 多数のネイティブのソーシャルメディア書き出し:メディアをTikTok、Facebook、YouTubeなどの人気のソーシャルメディアプラットフォームにシームレスに書き出せるので、Premiere Proから直接、任意のプラットフォームに投稿できます。
インポートからエクスポートまで、すべてAdobe Video Ecosystem内で完結します。
リソースや予算が厳しくなる一方で、ビデオ編集のワークフローは常に進化しています。制作ライフサイクル全体を通じて世界中のビデオ制作者を支援するために、アドビは500社を超えるパートナー企業からなるグローバルネットワークと協力しています。この仕組みにより、Premiere Proを最大限に活用し、クリエイティビティと生産性を向上させる革新的な新機能が継続的に開発されています。
ファイルサポートの拡張により、すぐに編集を開始できるようになったり、最先端のAI機能により編集ワークフローが高速化されたり、シームレスな書き出しが可能になるなど、あらゆるタイプの動画に対応するソリューションが、最新バージョンのPremiere Proに直接搭載されているか、または広範なAdobe Video Ecosystemに用意されています。
Premiere ProとAfter Effectsのアプリケーションを最新バージョンに更新して、新しいネイティブ機能をお試しください。また、Adobe Video Ecosystem内のパネル拡張機能とプラグインもぜひご活用ください。また、Creative Cloudアプリで入手可能なPremiere ProとAfter Effectsのベータ版では、25リリースで追加される新機能の一部をすでに試すことができます。
https://main--da-bacom-blog--adobecom.hlx.page/blog/fragments/products/creative-cloud/after-effects