オムニチャネルエンゲージメントに不可欠な3つのカスタマージャーニー
今日の動的なビジネス環境では、顧客中心主義の推進がビジネスの成功に不可欠です。カスタマージャーニーは、顧客一人ひとりに応じて異なります。顧客がカスタマージャーニーのどの段階にいるのかを正確に把握し、適切にアプローチすることが重要です。実際、カスタマージャーニーをパーソナライズすることで、大きな成果を得ることができます。企業は、顧客層全体で売上を5~15%増加させることができます。
この記事では、Adobe Journey Optimizerを活用してカスタマージャーニー戦略を再定義している企業の事例を紹介します。これらの企業は、リアルタイムのインサイトを活用し、パーソナライズされたコンテンツを適切なタイミングで配信することで、顧客エンゲージメントと生涯価値を向上させ、顧客体験の一貫性に関する新たな基準を確立しています。
ここで紹介する事例は、次のとおりです。
- プロスポーツリーグのファンエンゲージメントの向上
- パーソナライズされたコンテンツを提供し、ホリデーシーズン中の顧客コンバージョンとロイヤルティを向上
- 顧客の行動に基づいたタイムリーなオファーでエクスペリエンスを最適化
1. スポーツ観戦のために帰省するファンのエンゲージメントを向上

1つ目のカスタマージャーニーの事例では、プロスポーツリーグのファンが、贔屓のチームの試合を観戦するために帰省します。ここでの目標は、試合前、試合中、試合後に優れた顧客体験を提供し、顧客ロイヤルティを維持して、アップセルの機会を獲得することです。このジャーニーでは、顧客が飛行機で帰省し、スポーツチームの本拠地のジオフェンスに入ると、セグメントの選定を行います。このイベントにより、2つのカスタマージャーニーフローのどちらかに顧客を誘導します。
1つ目のジャーニーフローでは、次の試合に関するニュースレターを顧客に配信します。顧客がチームショップを通過し、別のジオフェンスに入ると、リアルタイムのモバイルプッシュによる商品オファーがトリガーされます。これは、試合が始まる前に、顧客にチームの公式グッズを購入するように促すのに最適なタイミングです。
2つ目のジャーニーは、試合の観戦を検討している顧客向けに設計されています。チケットを購入したかどうかに応じて、2つのジャーニーフローのどちらかに誘導します。顧客がチケットを購入した場合、試合の詳細に関するメッセージを配信し、プレミアムシートを購入するためのアップセル機会を提供します。顧客がチケットを購入していない場合、チケットを購入する時間がまだあることを知らせるリマインダーメッセージを配信します。1日経過しても顧客が何もアクションを起こさない場合、試合のリマインダー通知を送信し、コンバージョンを促します。
2. ホリデーシーズンのショッピングオファーをパーソナライズ

ホリデーシーズンは、企業が特別なオファーを通じて自社独自の商品をアピールする絶好の機会です。この事例では、食料品チェーン企業が、感謝祭用の七面鳥を購入しようとしている顧客にタイムリーなオファーを提供しています。大規模な顧客層へのオファーを自動化およびパーソナライズすることで、忙しいホリデーシーズンに備えることができます。同社は、過去1年間に商品を購入したことのある顧客に特別価格のオファーを提供するために、パーソナライズされた電子メールを配信するジャーニーを作成しました。これにより、ホリデーシーズンのコンバージョンと売上を向上させるという目標を達成できます。
3.ファストカジュアルレストラン、顧客の行動に基づいてウィンバック戦略を展開

企業は、ウィンバックジャーニーを通じて、顧客が特定の行動(商品の購入など)をとったときに、顧客にすばやく訴求し、タイムリーで関連性の高いオファーを提供して、顧客の行動を促すことができます。この事例では、ファストカジュアルレストランは、メッセージの受信をオプトインした顧客をターゲットとして、オーディエンスを作成します。次に、顧客が注文したかどうかに応じて選定を行います。顧客が注文した場合、最も近い場所で注文した商品を受け取ることができるように、リアルタイムのアプリ内メッセージまたはSMSメッセージがトリガーされます。顧客が注文していない場合、現地の天候に合わせてアプリ内メッセージまたはSMSメッセージをパーソナライズします。寒い場合は温かい飲み物のオファー、暑い場合は冷たい飲み物のオファーを顧客に提供します。このジャーニーを通じて、最適な顧客体験を提供することで(注文した飲み物を温かいうちに受け取るためのリアルタイムメッセージ、または飲み物の購入を促すパーソナライズされたタイムリーなオファー)、コンバージョン率を向上できます。
ビジネス目標に合わせてユースケースを調整
上記の3つのカスタマージャーニー事例をもとに、顧客データを活用して適切なタイミングでコンテンツをパーソナライズし、効果的なカスタマージャーニーを構築する方法を模索しましょう。適切なツールを活用すれば、カスタマージャーニーを通じて、顧客中心のエクスペリエンスを創出できます。
Adobe Journey Optimizerが、クロスチャネルキャンペーンと、数百万人もの顧客とのOne to Oneのエンゲージメントを一元管理するのにどのように役立つのかをご覧ください。
関連リソース:
- カスタマージャーニーとは?:定義、段階、利点
- Introducing Adobe’s customer journey maturity model
- Igniting organizational readiness — embrace the power of customer journeys
Ariel Sultanは、Adobe Journey Optimizerのプロダクトマーケティングマネージャーです。ニューヨーク大学スターン経営大学院のMBAでマーケティングと持続可能なビジネスイノベーションを学んだあと、動画制作およびコンテンツマーケティング企業を設立。さらに、アウトドアアパレルブランドや広告業界で培った豊富な経験や専門知識を活かして、小売、旅行、消費財業界の世界的な企業に、優れたブランドコンテンツを提供してきました。アドビでは、そうした経験を活かして、製品価値と顧客ストーリーテリングの向上に取り組んでいます。
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