アドビのモバイルショッピングレポートにより、今年のホリデーシーズンにおける顧客中心の体験の機会が明らかに
モバイルショッピングに関するレポートによると、過去7か月間における取引の47.7%がモバイルデバイスでおこなわれており、対して前年の同期は46.6%でした。これは、モバイルデバイス経由で2,804億ドルという記録的な金額が費されたことを意味するもので、前年比で10.2%の成長を記録しました。アドビは、今年のホリデーショッピングシーズンにおいて、モバイルがデスクトップを一貫して上回り、2025年までに主要チャネルになると予測しています。これは、消費者行動の大きな変化を示しています。
大小さまざまな企業にとっての成長機会
モバイルショッピングに関するレポートによると、今シーズンは小規模な小売業者が戦略的に大手小売業者を上回るチャンスがあることも示されています。今回の調査で、年間収益が10億ドル以上の大手小売業者は、年間収益が1,000万ドルから1億ドルの小規模な小売業者よりもモバイルチャネルでより大きな成功を収めていることがわかりました。
2024年の最初の7か月間において、大手小売業者の月間収益に占めるモバイル取引の割合は52.8%でした。一方、中小の小売業者の月間収益に占めるモバイル取引の割合は43%にとどまりました。ホリデーシーズンには、通常、大手と中小の小売業者間のモバイル収益シェアの差はさらに広がります。しかし、モバイルチャネルへの戦略的投資により、中小の小売業者が優位に立つことも可能です。
消費者は、より優れた顧客中心のモバイル体験を求めている
アドビのショッピングデータは、モバイルの主要チャネルとしての変化を示しており、これは、より優れた体験を求める消費者の需要の高まりと一致しています。モバイル戦略への投資は、今年のホリデーシーズンに大きな機会をもたらしますが、関連性が低く、パーソナライズされていないモバイル体験を提供すると、せっかくの機会が無駄になるおそれがあります。
アドビがConcentrixと共同で実施した消費者調査によると、消費者は、無関係なモバイルメッセージや通知の急増に対処するために、通知をオフにしたり、モバイルアプリを削除したり、あるいは単に無視する傾向が高まっています。実際、この調査においても、消費者がモバイル通知の購読を解除したり、通知をオフにしたりする最大の理由は、受信するメッセージの数が多すぎるためであることが示されています。第2の理由は、メッセージが関連性がないか、または繰り返し送信されるためです。しかし、適切なモバイル体験への投資は効果があります。アドビは、モバイルが62%〜66%の確率で消費者とつながり、高い顧客エンゲージメントの機会を提供することを発見しました。
「顧客が時間を費やす場所で、顧客のスタイルや興味を反映したコミュニケーションを使って、顧客にリーチしないといけません。価格だけがすべてではないのです。顧客は、私たちが顧客の声に耳を傾け、応答していると感じる必要があります」
今年のホリデーシーズンに他社よりも圧倒的に優れた体験を提供するには、顧客を中心に考え、パーソナライズされたオファー、タイミング、チャネルを提供する必要があります。今年だけでなく、その先のホリデーシーズンでモバイル戦略を成功させるための3つのアクションを以下に紹介します。
1. リアルタイムのパーソナライゼーションと一貫性
今日の顧客は外出先でもオンラインで買い物をします。実際、アドビの消費者調査によると、回答者の57%が携帯電話なしでは1日を過ごせないと述べています。つまり、消費者はいつでもどこでも買い物できる環境にあるということです。さらに、顧客はリアルタイムでパーソナライズされた、一貫性のある体験を期待しています。しかし、アドビの調査によると、リアルタイムのインテリジェンスや行動にもとづいて顧客とのコミュニケーションのタイミングや頻度を調整できる体制を整えている企業は、4社に1社にとどまることが明らかになりました。消費者に、タイミングよく適切なメッセージを的確なモバイルチャネルで届けるパーソナライズされた体験の構築は、大きな変革をもたらします。企業にとっては、競争の激しい市場で差別化を図る大きなチャンスとなります。それを実現するには、AIを活用してコンテンツをパーソナライズし、リアルタイムのトリガー、顧客プロファイル、位置情報にもとづいて顧客をターゲティングするツールが必要です。
2. コンシェルジュサービスさながらにショッピング体験を向上

顧客は現在、高度にカスタマイズされた体験を期待しています。アドビの消費者調査で、顧客は好みのチャネルでやり取りし、タイムリーな最新情報を提供し、嗜好を理解してくれる企業を好むことが明らかになりました。このような期待に応えるためには、コンテンツ、チャネル、オーディエンス、カスタマージャーニーについて、最適化モデルの提供と次善のアクションを決定できるツールが必要です。リアルタイムの行動にもとづく自動化されたカスタマージャーニーと一元化された顧客プロファイルがあれば、顧客専属のコンシェルジュが付いているようなショッピング体験を提供できるようになります。
3. アプリの品質向上で顧客のロイヤルティを高める
ほとんどの消費者がモバイルでのアプリ利用を好むのは、それが便利だからです。実際、消費者の85%は、お気に入りの企業やブランドは便利なスマートフォンアプリを提供していると述べています。リアルタイムのパーソナライズされたコミュニケーションでアプリ体験を向上させることで、顧客のロイヤルティを高めることができます。顧客プロファイルの属性、アプリの利用履歴、デバイスの位置情報にもとづいて、関連性の高いアプリ内メッセージを配信するツールを使用することで、これを実現できます。ホリデーシーズンが本格化し、季節ごとの割引が当たり前になることから、優れたアプリ体験によって貴社のビジネスを差別化できます。
300人以上のモバイルユーザーと200人以上のB2Cマーケターから取得したインサイトをまとめた、アドビとConcentrixが共同で実施した調査をご覧ください。「カスタマージャーニー管理の再構築」レポートでは、企業が提供する顧客中心の体験を強化するための、実用的な推奨事項を紹介しています。
アドビのプロダクトマーケティングマネージャーであるBrentは、データ主導型のソリューションを市場に投入し、グローバル企業とその顧客をつないでいます。CXMおよび開発ツール業界で10年以上の経験を持ち、エンジニアリング、製品、マーケティングの各部門がソフトウェア技術やサービスを活用し、競争力を高め、ミッションを果たせるように支援しています。
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