デジタルトレンド調査「Digital Trends 2022年版」:優先してデジタル化に取り組めない企業は競合他社にとって代わられる

2022 Digital Trends, Experience Index.

アドビがマーケティング関連コンサルティング企業eConsultancyと共同で発表した調査レポート「Digital Trends 2022年版」は、COVID-19がもたらした顧客行動の劇的な変化が2022年も継続し、それがさらに加速していくと予測しています。本調査レポートでは、変化し続ける環境の中で、企業が競争力を維持するためのアドバイスも提供します。

“顧客とのつながりを、現在そして将来にわたり維持するためには、個別にカスタマイズされた顧客体験の提供が必要です。つまり、大規模なパーソナライゼーションが鍵となります”

「今年の調査結果では、ひとつのことが明確に示されました。それは、2020年から2021年にわたる異常事態がもたらした顧客行動の変化は一時的なものではなく、これからも継続するということです」と、Adobe Experience Cloud マーケティング担当 バイスプレジデントのデイビッド キャレル(David Carrel)は述べています。

アドビのDigital Trends調査は、約10,000人のマーケター、コンサルタント、実務担当者を対象としており、マーケティングとITのリーダーが競争力を維持するために、2022年に注力すべき分野として、以下の項目が挙げられています。

顧客第一主義のもと、デジタルを加速

2020年から2021年にかけては、その場しのぎの対応策や短期的なデジタル戦術で乗り切った企業もありましたが、先進企業と後進企業の差は広がっています。上級管理職の87%は、顧客の期待がデジタル中心に変わり、企業の成功はその対応能力にかかっていると考えています。75%の企業が、既存顧客によるデジタルチャネルの利用が急増していると答えているように、ビジネスは確実にこの方向に向かっていると言えるでしょう。

例えば、経営層の50%以上が、今日の複雑なオムニチャネル環境で顧客にサービスを提供するために、ビジネス全体のチームを強化するプラットフォームへの投資を拡大しています。実際、顧客データテクノロジーと顧客体験プラットフォームテクノロジーは、2022年に向けた最優先事項の一つに挙げられています。

顧客からの信頼を獲得

​​企業と顧客の絆は、いつ失われてもおかしくない絶妙なバランスの上で成立しています。顧客はいかなる時も、企業が収集したあらゆるデータが最高水準で保護され、それと引き換えに価値のある顧客体験が享受できることを期待します。英国の大手通信企業ThreeのCIOであるベリンダ フィンチ(Belinda Finch)氏の言葉を借りれば、今日の人々はシンプルさ、透明性、そして信頼を求めているのです。

そんな中で先進的な企業は、たとえ人手で補完したとしても、これまでのシステムでは責任のある顧客データの管理ができないことを理解しています。だからこそ彼らは、データを一元化して活用可能な形に変換し、オーディエンス、チャネル、地域を横断して強力なデータガバナンスを適用できるプラットフォームに投資しているのです。

​​一方で、サードパーティCookieの有用性が薄れてきていることから、マーケティング部門とIT部門のリーダーたちは、ファーストパーティデータに注目しています。ファーストパーティデータは、将来のCookieレスな環境で成功を狙う企業にとって重要な資産です。

“ファーストパーティデータとは、企業が顧客から直接提供を受け、維持・管理する顧客情報のこと。電話番号、電子メールアドレス、購入履歴、連絡方法の設定などがこれにあたります“

これまでにないアジリティ(俊敏性)で判断・行動

今回の調査では、先進企業が日々の業務にアジリティを組み込んでいることが明らかになりました。データへアクセスの改善、ワークフロー管理の改善、従業員への包括的なトレーニングにより、現場のアジリティを高めています。

企業の上級管理職の92%は、高度なアジリティがマーケティング組織としての成功を左右すると回答しています。マーケティングリーダーの65%は、顧客からのシグナルを収集してそれに基づいて行動するスピードが、速い、あるいは非常に速いと自己評価しています。一方、遅れている企業では、これらのインサイトを迅速に収集できていると答えたのはわずか5%でした。

また、リーダーたちは、顧客体験を向上させるために、従業員同士のつながりや仕事の進め方における摩擦を減らす必要があると理解しています。回答者は、優れた顧客体験の提供を妨げている課題として、テクノロジーやシステム間の統合の不備、ワークフローの課題、デジタルスキルの不足を挙げています。デジタルリーダーの59%は、チームの生産性を向上させるために、人材やトレーニングに投資しています。

IT担当者とマーケター連携の強化

COVID-19の感染拡大の初期段階でマーケターとIT担当者の連携の重要性が叫ばれ、その関係は強固なものとなりました。現時点においても顧客の行動が猛烈なスピードで変化し続ける中、CMOとCIOはこれまで以上に緊密に連携し、顧客体験とデジタル戦略を新たなレベルの創造性と革新性に結び付けなければなりません。

心強いことに、上級管理職の83%が、マーケティング部門とIT部門がビジョンを共有するべきであることを理解しています。調査に参加した米国の大手薬局チェーンWalgreensのSVP兼CMOであるパトリック マクリーン(Patrick McLean)氏は、「CMOとCIOは手を取り合って仕事をする必要があります。ロードマップやテクノロジーのニーズに合意するだけでなく、お客様の反応や期待の理解、そしてお客様のニーズにリアルタイムでどのように適応していくかといった戦略を共有することが重要なのです」と述べています。

一人ひとりの顧客体験をカスタマイズしながら、数百万人規模に展開

最後に、デジタル業界のリーダーたちの間では、2022年に向けて、大規模なパーソナライゼーションの実現が最も重要な課題であり、そのために各種データの統合、インサイトの取得に焦点を当てた分析、マーケティングオートメーションの組み合わせが必要であるという点で考えが一致しています。経営者の約60%が、データとインサイトを今後1年間の技術的な最優先事項としています。

また、これらのシステムを連携させ、分断化されたマーケティングスタックを改善することにも力を入れています。実際に、マーケターとIT担当者の37%は、優れた顧客体験を妨げている最大の障壁が、テクノロジーシステム間の統合の不備であると認めています。また、アドビが発表した別のレポートでは、統合されたマーケティングプラットフォームが、企業の総所有コストを最大35%削減し、市場投入までの時間を30%短縮できるとしています。

「今日、私たちは、コンテンツ、アナリティクス、自動化、さらにはAIによって、リアルタイムなパーソナライゼーションを実現する能力を手にしています。企業がこれらを活用して差別化を図れば、顧客とつながる新たなチャンスが生まれます。あらゆるチャネルを通じ、顧客が欲しいと思った瞬間に、カスタマイズされた体験やコンテンツを提供できる、大規模かつ本当の意味でのパーソナライゼーションの実現。これこそが2022年のマーケティングが追求すべきものなのです」と、アドビのキャレルは述べています。

*本記事は、アドビが2022年1月18日に投稿したブログの抄訳です。