製薬業界向けイベント登壇レポート「2ヵ月で作るコンテンツPDCAの羅針盤」

2022年10月19〜21日に開催された製薬&ヘルスケア業界向けイベント『ファーマIT&デジタルヘルス オンラインカンファレンス』にて、「2ヵ月で作るコンテンツPDCAの羅針盤」と題して、株式会社博報堂メディカル(以下、博報堂メディカル)とアドビ株式会社(以下、アドビ)でセミナーに登壇いたしました。その内容をレポート致します。

左より、元大手製薬会社DXビジネスプロデューサーの三澤竜之介氏、博報堂メディカル 第一営業部 ディレクターの澤井茂都子氏、アドビ カスタマーソリューションズ統括本部エクスペリエンスビジネスサービス本部 本部長​の山田智久。いずれの講演者も、製薬・ヘルスケア業界のお客さまのデジタル・トランスフォーメーションを支援しています。

■デジタルマーケティング戦略とコンテンツ戦略の分断

まず、プロモーション推進体制における課題のひとつとして、デジタルマーケティング戦略とコンテンツ戦略の分断が挙げられます。上流(戦略)と下流(戦術)において関係者が大きく異なることが要因のひとつとなっています。上流においては、プロモーションコードを遵守したDX戦略立案や基盤構築において、デジタルチームの負担が多い傾向にあります。また、下流では、戦略を実現するためのコンテンツ制作・PDCA実現において、マーケティングチームの負担が大きくなります。そのため、博報堂メディカルとアドビの協力体制では、一貫性の高いデジタルマーケティングやコンテンツを実現すべく、実現可能性の高い戦略構築に特に重点を置いています。

■コンテンツPDCAで“4R”を実現

コンテンツPDCAを実施する目的のひとつは、“4つのR”、すなわち、Right Person, Right Channel, Right Timing, Right Contentを実現することです。顧客セグメントごとに、欲しい情報を、最もストレスの少ない手段で、わかりやすい表現で伝達します。そのために、ニーズの把握、ストーリー設計・コンテンツ制作、解析、という順番でプロセスを回します。

そしてPDCAサイクルの中では、どういった情報で医師にアプローチするのか、どういった情報に医師は反応するのか、などの情報を収集し、分析して活用します。

さらに、コンテンツ作成に関しても、分析を前提とした(=分析しやすい)コンテンツ作成をすることで、後々のPDCAがスムーズになります。たとえば、それぞれのコンテンツは最後まで視聴されない前提で、冒頭にその回の全体像やポイント、メッセージを盛り込むことが重要となります。

そして、解析については、異なるセグメントごとのコンテンツ視聴率を縦軸と横軸に配置して、行動傾向を把握します。その結果、閲覧傾向によって、態度変容が起きたのかどうか、判断します。

■最初の2ヶ月で、実現可能性の高い戦略を立てる

澤井氏は、博報堂メディカルとアドビの協業プロジェクトの全体スケジュールにおいて、「最初の2ヶ月で如何に実現可能性の高い戦略を立てられるかが重要」と語りました。この戦略を作らずにコンテンツ制作に進むと、それらのコンテンツが有効的に活用されることが少なくなってしまいます。

そのため、博報堂メディカルとアドビのプロジェクトでは、この最初の2ヶ月の戦略設計を重要視しています。実際にコンテンツ制作の実務を知っているからこそ、実現可能性の高い戦略を立てることができます。

ターゲットである医師についてのカスタマージャーニーの設計や、仮説立て、解析のプラン立てなどを行ないます。それらを固めてから、はじめてコンテンツ制作へと進みます。

4ヶ月間のコンテンツ制作を通してコンテンツを公開し、公開後1週間後を目処として、各コンテンツの効果を解析、検証します。

最後に、コンテンツPDCAの羅針盤作りをサポートするパッケージとして、以下3つのソリューションを提示しました。

なお、データの絶対数(=N数)が足りない場合でもご相談いただくことは可能であると、アドビの山田は言います。まずはWeb上の行動データを収集・分析し、その結果から何を導き出すか?というプロセスが重要であるため、アクティブユーザーが足りなくとも事前仮説は充分に立てることができます。

本講演に関して、さらに詳しい内容にご興味がある場合は、博報堂メディカルまでお問い合わせください。

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