【イベントレポート】第5回| Adobe Experience Manager ユーザー会

Adobe Communications Team

10-31-2025

毎回好評の「Adobe Experience Managerユーザー会」(以下、AEM UG)。その第5回が6月27日に東京海上日動火災保険株式会社にて開催されました。今回も約19社34名のAdobe Experience Managerユーザーに参加をいただき大盛況に。当日の内容の一部をレポートします。

保険の魅力を伝えるコンテンツを作り、代理店に配信

今回のAEM UGのテーマは「Adobe Experience Manager機能開発」。同じAdobe Experience Managerを使っていても、会社ごとのビジネス構造や社内体制によって、求められる機能はまったく異なります。

他社が、自分たちが使わない機能を開発して、いかに課題を解決したのかを知ることで、Adobe Experience Managerをより一層活用するためのヒントが得られるはずです。

イベントの冒頭、まずは機能開発の具体的な事例紹介として、東京海上日動火災保険 ビジネスデザイン部 デジタルマーケティンググループ ユニットリーダーの古川智大氏が、「全社PJの激ムズ課題を〇人月で解決せよ!? 工夫とAdobe Experience Managerで無理難題を乗り越えたPdMのオフレコ話」というミニ講演を行いました。

古川氏が所属するデジタルマーケティンググループでは、Adobe Experience Manager as a Cloud Serviceを活用し、同社の保険商品について説明する様々なコンテンツを、保険販売代理店(以下、代理店)のwebサイト向けに配信しています。

「当社の保険は、全国に約4万5000店ある代理店に取り扱いいただいています。各代理店のお客様に保険のメリットや必要性を深く知っていただくため、分かりやすいコンテンツを我々が作り、それを代理店のサイトに掲載してもらっているのです」と、古川氏はグループの取り組みについて説明。

東京海上日動火災保険

ビジネスデザイン部 デジタルマーケティンググループ ユニットリーダー

古川 智大氏

同社がAdobe Experience Manager as a Cloud Serviceを導入したのは2020年。以来、デジタルマーケティンググループが各代理店に配信したコンテンツの数は毎年増加し、コンテンツを利用する代理店の数も着実に増えているそうです。

ところが近年、このコンテンツ配信システムに関して、大きな改修が必要になったと言います。

これまでコンテンツの内容や公開ステータスは一律に制御していたことから、システムを根本から見直さなくてはなりません。何か良い方法はないか。いろいろ考えた結果、思いついたのは「csv形式のマスターファイル」の導入だったそうです。

代理店ごとに、『コンテンツ名(ID)』『公開ステータス』『募集文書番号』などで構成されるマスターファイルを作成。コンテンツ配信時にこのファイルを参照することで、コンテンツの公開や掲載する『募集文書番号(※保険に関する情報を損害保険会社が点検し、発行される番号)』を代理店ごとに制御する仕組みを構築されました。

コンテンツに動的な制御が追加され、公開機能に手が入るなど、難易度の高い開発だったそうですが、予算超過もなく計画通りリリースすることに成功。その要因について古川氏は、「仕様変更/スケジュール遅延が起きないようなマネジメントを心がけました。例えば、非システム箇所も含めた運用フロー全体を書き出して全体最適な開発要件を見定めたり、ステークホルダーとの『早め』『こまめ』なコミュニケーションを心掛けたりするなど、工数を必要最小限に抑えるべく、スコープやステークホルダーのマネジメントを特に意識しました。また、大量のCSVファイルを一括処理するので、Adobe Experience Managerの性能負荷を早期に検証しておいたのも正解だったと思います」と総括しました。講演のタイトル通り、「工夫とAdobe Experience Manager」で難題を乗り越えたプロジェクトだったようです。

ビジネスインパクトに応じてカスタマイズ開発を実施

ミニ講演に続き、AEM UGに参加したユーザーから、東京海上日動火災保険へのQ&Aセッションが行われました。

1つ目の質問は、「カスタマイズ開発を実施するかどうかの判断基準は何か? 優先度を決める軸はどのようになっているか?」というもの。

この問いに対し古川氏は、「ミニ講演で紹介したマスターファイルを提供する機能や、コンテンツの公開タイミングを個別に制御する機能のように、それを追加しなければ、そもそもプロジェクトの目的が果たせない機能についてはカスタマイズを実施しています。あとは、ビジネスインパクトに応じて優先順位を決めています」と答えました。

2つ目の質問は、「開発をどのくらいのスパンで回しているのか?」。古川氏によると、デジタルマーケティンググループでは、小さな開発をウォーターフォール型で回す手法を主に採用されています。プロジェクトの規模にもよりますが、数か月かかるものもあれば、1か月程度で終わるものもあるそうです。

Q&Aセッション後には、参加者の皆さんによるディスカッション/ネットワーキングが行われました。開発工数・予算の確保をどのように工面しているか等各自の工夫や知見を共有したり、Adobe Experience Managerの機能開発について互いの意見を交換し合うなど、参加者同士の交流も深まったようです。

イベントは終始盛り上がりを見せ、開催後のアンケートでは満足度100%を達成! 過去最高評価となりました。

AEM UGは、今後も定期的に開催する予定となっています。日々の業務で疑問や悩みを抱えている方は、ぜひ参加してみてください。

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ユーザー事例:東京海上日動火災保険株式会社

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