Adobe Commerce の新しいリリースストラテジーと延長サポートについて

Adobe Commerce の新しいリリースストラテジーと延長サポートについて marquee

さて、昨年12月にAdobe CommerceおよびMagento(以下コマース製品)のリリースストラテジーが大きく変更になりました。

本稿では、その内容と延長サポート対応について触れたいと思います。

今回の変更において、弊社コマース製品のアップグレード頻度と複雑さを最小限に抑え、予測可能性を高めると同時に、イノベーションを加速/TCOを削減することを目的としています。

https://main--bacom-blog--adobecom.hlx.live/jp/blog/fragments/offer-003278-product-brief-commerce-jp

新しいリリースストラテジーの柱は以下の3つとなります。

  1. コアのスリム化
  2. 簡素化したリリース
  3. コマース製品サポート終了とPHPのEOLの一致

1. コアのスリム化

2021年からスタートしているこちらの取り組みは、新しい機能を可能な限りコアアプリケーションから切り離し、独立したモジュールやエクステンションとして提供を始めました。

ダイアグラム 自動的に生成された説明

これにより、コアをスリム化しつつ、独立して新しい機能を提供できるようになりました。また独立した機能の一部はSaaSとして機能が提供(Live Search/Product Recommendationなど) されており、コアとは独立して頻繁な機能アップデートが実施されています。

2. 簡素化したリリース

2022年からアプリケーションパッチリリースの頻度を年4回から3回に削減しました。また合わせて、より合理的で覚えやすい以下のようなアップデートをリリースする予定です。

・パッチリリース: セキュリティ、パフォーマンス、および優先度の高い 品質に関する修正を含みます。

・フィーチャーリリース: コア以外の新機能をリリースするものです。

・セキュリティパッチリリース: セキュリティアップデートのみを含む パッチリリースです。

パッチリリースのスケジュールがより管理しやすくなり、お客様にとって混乱が少なくなります。パッチリリースが「より軽く」なることで、お客様にとって導入が容易になり、コストと時間の面でお客様のTCOを削減することに貢献します。

3.コマース製品サポート終了とPHPのEOLの一致

ご存じのとおり、弊社コマース製品はPHPベースで構築されたアプリケーションです。

そのため、PHPのサポート状況が弊社コマース製品のPCIなどのセキュリティ、パフォーマンスやサポートにも大きな影響を与えます。

今までは、PHPのサポート終了時期と弊社コマース製品のサポート終了時期が一致していませんでしたが、今回両者を明確に一致させることにより、利用企業様にとって常に最適な環境をご提供することができるようになりました。

具体的には、2021年11月にリリースされた、PHP8.1(PHPはリリースから3年でサポート終了)対応の弊社コマース製品2.4.4のサポート終了は、PHP8.1のサポート終了と同じく、2024年11月となり、また今後リリースされるPHP8.1対応バージョンは全て2024年11月までのサポートとなります。

アプリケーション 中程度の精度で自動的に生成された説明

PHPリリース直後の新しいバージョンで弊社コマース製品をご導入頂いたお客様は、バージョンアップなしでも3年近くご利用頂ける一方で、PHPリリース直前でご導入頂いた場合には、短い期間でのバージョンアップが必要となります。

今回のリリースストラテジーの変更により、弊社コマース製品2.4.4以前のバージョンはPHP7.1対応製品のため、PHP7.1のサポート終了に伴い2022年11月にてサポート終了となります。2.4.4以前のバージョンをご利用のお客様は、是非バージョンアップのご検討をお願い致します。

延長サポートのご提供

リリースストラテジーの変更に伴い、今回バージョンアップの必要となったお客様に対し、アップグレードが間に合わないお客様に対しては、今回特別に延長サポートをご提供させていただくこととなりました(コマース製品有償版のみ)。PHP7.1ベースの旧バージョンでも1年間の延長サポートを実施することで、バージョンアップまでの間のサポートが切れるといったご利用の不安を軽減いただくことが可能です。本件につきましては、弊社担当営業にお問合せをいただけますようお願い致します。

なお、延長サポート期間中であっても、弊社がサポートしているシステム要件を満たしていないや、周辺テクノロジーがセキュリティ要件を満たしていない場合はAdobe Commerceもセキュリティ要件を満たせない可能性があります。こちらについては、各開発/運用パートナー様にご相談をいただけますようお願い致します。

最後に、今回のリリースストラテジー変更/サポートにつきましては、最新PHPのパフォーマンス/高いセキュリティを担保しつつ、弊社コマース製品の性能を最大限に引き出すために非常に重要な要素となっています。

貴社のビジネスを最大限に成長していくためには、安全なプラットフォーム上での運用は必須です。是非ご配慮の上ご利用いただけますと幸いです。

Adobe Commerceの新しいリリースストラテジーと延長サポートについて FAQ

Adobe Commerce Softwareサポート終了に関するFAQ

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