DX道場 ~Web解析概要編~ ①Web解析とは

アドビのカスタマーサクセスチームは、Adobe AnalyticsやAdobe Targetをはじめとした、Adobe Experience Cloud 各種製品を使い始めた方向けのコースを中心とした無償オンラインセミナー『DX道場』を定期的に開催しております。このシリーズでは、DX道場の内容を各テーマに沿ってご紹介します。第一弾として今回は『Web解析概要』コースより、Web解析とは?についてお届けします。

Web解析とは

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そもそもWeb解析とはどういうものなのかご存知でしょうか。一般的には、「アクセス解析のデータや視聴率調査のデータ等、様々なデータを活用して ”事業の成果につながる” ためのPDCAを回すこと」であると言われていますが、この説明だけでは中々イメージするのが難しいかと思います。

Web解析の一連の流れ

そこでWebサイトに訪れるユーザーの行動を例に、もう少し具体的にWeb解析の一連の流れをみていきましょう。

①アクセス解析・課題抽出

ユーザーはまず自然検索やSNS、広告から流入をしてきます。そしていくつかのページを閲覧しWebサイト内を回遊した後、最終的にコンバージョンに至るか、もしくはそのままWebサイトから離脱をします。こういったユーザーの一連の行動の流れを、Adobe Analyticsの様な分析ツールを使用し分析することで、どういったところに課題があるのか仮説を立てます。

②施策の実施

課題箇所に関して仮説を立てたら、実際にそれを検証するための改善施策を実施します。例えば、

・入口の部分に課題あり⇒ランディングページを最適化

・回遊性に課題あり⇒ABテストやターゲティングの実施

・コンバージョン部分に課題あり⇒カートやフォームの最適化

上記のような具体例が考えられます。そして、施策を実施して得られた結果からまた新たな仮説を立て、さらにそれに対する施策を実施するといった具合に繰り返しPDCAを回していきます。これが、Web解析の一連の流れになります。

Adobe AnalyticsのWeb解析で使う用語について

続いて、実際にAdobe Analyticsを使って分析を行う際に必ず覚える必要のある用語についていくつかご紹介します。

①指標

『指標』とは、計測タグでカウントされた実数値のことを指します。Adobe Analyticsで計測されるデータの中でも、『~数』『~時間』の様に数値化できるものは指標にあたります。

②ディメンション

先ほどの『指標』を切り分けるための区分データが『ディメンション』になります。例えば、「訪問者数をページ別に切り分けて見たい」という場合には『ページ』というディメンション、「訪問回数をリファラー別に切り分けて見たい」という場合は『リファラー』というディメンションを使用する、といったイメージになります。

③セグメント

『セグメント』は、ある特定の任意の条件に合致したユーザーグループのことを指します。Adobe Analyticsでは、様々な条件ごとに自由にセグメントを作成することが可能です。

④日付範囲

『日付範囲』とは、パネル単位で指定した分析期間に囚われずデータの表示期間を任意の期間に指定できるものになります。日付範囲に関してもセグメント同様、特定の期間を指定して自由に作成することが可能です。

分析の基本は「分けて比較して考察すること」です。指標として計測されたデータを様々なディメンションで切り分けたり、セグメント毎に比較してみたりすることによって、指標単体を見るだけではわからない新たなインサイトを発見することができるのです。

指標の定義 (Adobe Analytics デフォルト指標)

では先ほどのそれぞれの用語に関してもう少し詳しくみてみましょう。まずは指標です。Adobe Analyticsには、デフォルトで以下の様に様々な指標が用意されています。

これらのデフォルト指標に加え、コンバージョン等のある特定のイベントが発生した回数を計測することが出来る、『イベント指標(コンバージョン指標)』を追加で設定することも可能です(例:申込、問い合わせ、会員登録など)。イベント指標を使用することで、サイト内のアクションにつながるコンバージョン分析を行うことができるようになります。

ディメンションの定義 (Adobe Analyticsデフォルト)

次にディメンションです。ディメンションには、それぞれ定義や使用シチュエーションが異なる2種類のものがあります。

トラフィック変数(Prop)

サイト・各ページの人気度を判断するために使用する変数です。例えば上図のパス分析の例の様に、「どのページに何回訪問してコンバージョンに至ったか」など、単純に数をカウントする様な場合はトラフィック変数のディメンション(この例では『ページ』というディメンション)を使用します。

コンバージョン変数(eVar)

成功イベントへの貢献度が高いサイトディメンションを判断するために使用する変数です。例えば上図のアトリビューション分析の例の様に、「どのキャンペーンがコンバージョンに貢献したか」など、コンバージョンへの貢献度を分析したい場合にはコンバージョン変数のディメンション(この例では『キャンペーン』というディメンション)を使用します。

セグメントとは

最後にセグメントです。先述の様に、セグメントとはある特定の任意の条件に合致したユーザーグループのことを指し、Adobe Analyticsでは様々な条件ごとに自由にセグメントを作成することが可能です。また、作成したセグメントは作成後すぐにレポートに適用させることができます。

例えば上図の例では、「どのデバイスでWebサイトに訪問してきているのか」という観点でユーザーをグループ分けし、『モバイルデバイスからの訪問』(スマートフォンから訪問してきているユーザー)と『モバイルデバイス以外からの訪問』(スマートフォン以外のデバイスから訪問してきているユーザー)という二つのセグメントを作成しています。そしてそれらを更にレポートに適用させることによって、それぞれのセグメント毎に訪問者数にどれほどの差があるのかということを比較して見ることが可能となっています。

まとめ ~Web解析とは?~

この記事ではWeb解析とは何か、Web解析の一連の流れと、Adobe AnalyticsのWeb解析でよく使う用語とその定義についてご紹介しました。

Web解析は施策を実施して得られた結果からまた新たな仮説を立て、さらにそれに対する施策を実施するといったPDCAを回していくことが重要です。Adobe AnalyticsのようなWeb解析ツールを使うことでサイト内の問題のある箇所を発見し、施策の実施に繋げることが出来ます。

次回の記事ではWeb解析における「ビジネスゴールとKBO」について解説いたします。

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