カスタマーサクセス文脈でのマーケティングオートメーション戦略

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マーケティング活動は受注前のもの?

マーケティングオートメーション(MA)「Adobe Marketo Engage」の導入・活用のコンサルティングをさせていただいている中で、導入目的をプリセールスつまり受注や購入前までをメインに置いている企業様が多い印象を持っています。

MAを導入されることの多いマーケティング部門が、そもそも見込み顧客の育成領域を担当していることが多いため、それは必然といえば必然ではあります。

しかし、ほとんどのビジネスは受注や購入してもらって終了ということはほとんどなく、受注後の活動、つまりカスタマーサクセスやポストセールスについても同じくらい重要です。カスタマーサクセスやポストセールス文脈でのマーケティングオートメーションを活用されている事例はまだまだ少なく感じています。

では、そのような文脈でどのようにMAを活用していけばよいのでしょうか。

まずはファネルの整理から

まずMAを活用するためには、マーケティングファネルを定義することが非常に重要です。

獲得した顧客を一番左に、最終的なゴールを一番右に配置し、そのゴールを進めるプロセスを定義していきます。

ファネルは顧客の状態をいくつかのステージに大きく定義し、細かくしていくと決めやすいです。

例えば、見込み顧客→商談→受注といった粒度から、メアド獲得→見込顧客(育成)→見込顧客(有望)→アポ/訪問→商談→受注といった具合です。

▼大きな粒度

▼小さな粒度

そこから、失注やリサイクルといった迂回して正規プロセスに戻ってくるためのステージに加え、受注後のプロセスも追記していきます。

▼ポストセールス・カスタマーサクセスに延長

ゴールとKPIの設定

次にファネルの各ステージのゴールとKPIを検討していきます。

ポストセールスやカスタマーサクセスのゴールは

など、商材やビジネスによって様々です。

また、そのゴールに影響するKPIも検討する必要があります。

例えば、継続率の向上/解約率の低減であれば、

などがそれにあたります。

より具体的な数値目標を出すためには、過去のデータを分析していく必要があります。

現状分析

次に、過去のデータを元に現状分析をし、設定したゴールに関してどういった相関、傾向があるのかを見極めます。

など、アクセスログやCRMのデータを駆使して、現状の傾向をきちんと把握しておくことで、どのような施策を実施すべきか、どの数値を目標にすべきかが明確になります。

施策を定義する

次に、マーケティングファネルの各ステージに施策を当てはめていきます。施策を定義するためには、どのステージの顧客に対して実施するのか、目的や成功の定義をする必要があります。

また、現状分析で出てきた傾向や課題を元に、良い傾向であればそれを推進、悪い傾向であればそれを阻止するような観点で施策を定義してきます。

▼施策例

データ整理そしてMAへの連携

マーケティングファネルの各ステージに顧客を割り当てたり、細かなシナリオを実施したりするためにもデータを整理しておく必要があります。

例えば、

などをMAに連携しておくことで、様々なシナリオに活かすことができます。連携するデータの種類が多ければ、各顧客によりパーソナライズさせた施策を打つことができ、顧客のエンゲージメントを高めることができます。

また、これらのデータに加えMAで取得できる「ウェブページの訪問」や「メールのクリック」などの行動情報も活用することで、より柔軟な施策を設計することが可能です。

カスタマーサクセスにフォーカスしたMA成功事例

カスタマーサクセスにフォーカスしたMA成功事例をご紹介します。

会計ソフトを始めとする業務ソフトウェアや関連サービスを手がける弥生様は、MAを、導入~利用定着~アップセルまでの領域で「既存顧客の関係強化」に向けたマーケティングを実践されています。

などを実践され、KPIに設定していた数値も2倍以上の成果を出されました。

▼詳しくは事例記事をご参照ください

プリセールス〜ポストセールスまで一気通貫したマーケティング戦略を

購入後の顧客の温度感をいかに捉え、適材適所のコミュニケーションをすることが、顧客のエンゲージメントを高め、クロスセル、アップセル、解約防止に繋がってきます。

獲得〜契約といったプリセールスももちろん重要ではありますが、むしろその後のフォローができていないと、穴の空いた網ですくっているのと同じです。

ポストセールス・カスタマーサクセス文脈でのマーケティングは後回しにしがちになっている方も多いかと思いますが、なかなか社内だけで戦略立案から実装までを推進するのは大変なことも多く、スピード感を持って実現できないことも往々にしてあります。そんな場合は専門家に相談するというのも非常に有効です。アドビではマーケティングオートメーションの戦略立案部分をサポートする「戦略コンサルティングサービス」のほか、導入や運用をサポートするコンサルティングメニューを幅広く提供しております。

専門家の知恵も借りながら、プリセールスからポストセールスまで一気通貫したマーケティング戦略を効率よく進めて行きましょう。