アドビのフラッグシップイベントの現場を支える、アドビプロフェッショナルサービスの活動とは
アドビの法人向けフラッグシップイベントである「Make it.」および「Adobe Summit Japan」が、2025年も東京と大阪(Make it.のみ)で開催されました。AIを中心としたアドビの最新ソリューションとその活用法を直に体験しようと、企業のクリエイティブ部門やマーケティング部門、経営層、事業責任者など多くの方が来場し、会場は例年にない賑わいを見せました。
これらのイベントにおいて、メインステージ、ハンズオンラボ、展示ブース、懇親会などあらゆる場面で重要な役割を担っていたのが、アドビプロフェッショナルサービスのメンバーたちです。このブログでは、イベントを表と裏側から支えたアドビプロフェッショナルサービスの役割と活動内容についてご紹介します。
アドビプロフェッショナルサービスとは?
アドビプロフェッショナルサービスは、アドビ社内に設置されたコンサルティング部門で、主にアドビ製品の導入・活用を支援する専門チームです。最大の特徴は、アドビが展開する3つのクラウドサービス —— Adobe Experience Cloud、Adobe Creative Cloud、Adobe Document Cloud —— すべてに対応し、技術と戦略の両面から企業の課題解決を一気通貫でサポートできる点にあります。
アドビプロフェッショナルサービスの支援内容は多岐にわたり、導入前の戦略設計からシステム構築、トレーニングまでを包括的にカバーしています。企業のDXや顧客体験の向上といったテーマに対し、アドビ製品を最大限に活かすためのプランニングと実装を一貫して担うのがアドビプロフェッショナルサービスの役割です。また、データとクリエイティブの両観点から支援できる数少ない存在です。例えば、顧客の行動データをもとにしたマーケティング施策の設計と、ブランドに即した高品質なコンテンツの制作体制やフローの整備などを、ひとつの戦略として統合的にサポートすることが可能です。データとクリエイティブの両軸を理解し、両者をシームレスに結びつけることで、より効果的な顧客体験の創出を実現します。
アドビプロフェッショナルサービスは導入支援にとどまらず、「どう使えば成果につなげられるか」という視点から企業に寄り添い、個別のニーズに合わせて柔軟に支援内容をカスタマイズしています。グローバルに展開するアドビの知見と、各地域での実績を組み合わせ、信頼性の高い提案と実行支援を行えることも、大きな強みのひとつです。

イベントでの役割とこだわり
アドビが日本で主催するエンタープライズ企業向けのイベント、「Make it.」と「Adobe Summit Japan」は、それぞれ異なる領域の顧客を対象に、最新のアドビソリューションや活用事例を発信する重要な場となっています。Make it. は、アドビが毎年、世界各国で開催している法人向けのクリエイティブイベントです。一方のAdobe Summit Japanは、主にデジタルマーケティング領域を対象としたイベントで、毎年ラスベガスで開催されるAdobe Summitの日本版です。これらのイベントにおいて、アドビプロフェッショナルサービスがどのような役割を果たしているかについて紹介します。
まず、メインステージへの登壇。ここでは主に最新ソリューションやグローバルな事例の紹介を行います。また、顧客が登壇するセッションでは、顧客がコンテンツを作成する上での相談やアドバイザリーなどの支援も行ないます。そのほか、ハンズオンラボでは実際に動作するアドビソリューションを使った90分程度のセッションを実施。またホワイエに設置された展示ブースでは、来場者一人ひとりの関心や理解度に合わせた製品紹介を行っています。製品のデモは、実際に動くデモを日本語で提供することにこだわっており、そのためグローバルの製品チームに働きかけ、さらには独自に日本語環境を設定するなど、日本の企業に向けたわかりやすいデモ実現のために尽力しています。
Adobe Summit Japan(左)とMake it. Tokyo(右)
注目されたAIソリューションとそのインパクト
両イベントで特に注目を集めたソリューションが、「Adobe GenStudio for Performance Marketing」でした。この製品は、企業が保有するブランドガイドラインに基づき、AIが自動的に多様な広告クリエイティブを生成するというもので、多くのマーケティング担当者から高い関心が寄せられました。
従来、外部ベンダーや制作会社とのやり取りが必要だったクリエイティブの制作・検証工程が、Adobe GenStudioの導入によって社内でスピーディに内製化できる可能性がある点が大きな魅力となっています。中でも、ブランドガイドラインのドキュメントをアップロードすることでAIがその内容を認識し、そのガイドラインに基づいた広告クリエイティブを自動的に生成するのに加え、各クリエイティブがどれだけガイドラインに沿っているかを点数として数値化する機能などには多くの来場者が驚きを見せており、AIの実用性に対する理解を深める契機となっていました。
Adobe GenStudio for Performance Marketingのセッション(Make it.東京会場)
Adobe GenStudio for Performance Marketingの展示ブース(Make it.大阪会場)
イベント後のフォローアップ
イベント会場で製品やソリューションに触れ、その場で興味を持たれたお客様からは、「もっと詳しく知りたい」「⾃社の課題にどう適⽤できるか相談したい」といったご要望をいただきます。お客様の課題の本質に踏み込んだ充分なご提案をするためには、イベントの限られた時間だけでは十分とは言い難く、むしろイベントはお客様との関係構築のきっかけであり、お客様の課題解決に向けた協働はイベント後の継続的な対話の中で始まると考えています。
後日アドビの営業担当を通して個別にお客様とコンタクトを取り、より詳細なデモやユースケースをご紹介します。企業ごとに異なる業種や業態、課題に合わせた内容で対話を深めることで、お客様企業の顧客体験管理の実現に向けた具体的なステップへとつなげていきます。
Make it. の展示ブース(大阪会場)
成功のカギは、導入前の目標設定と設計
今回の2つのイベントを通して感じたのは、来場者の関心がAI関連に集中していたことです。そうした中で「会社のイニシアティブとしてAIの活用があがってはいるものの、具体的にどのように活用したら良いのかまだ模索段階である」という声が多く聞かれました。
そうしたお客様に私たちがお伝えしているのは、「AIの導入はゴールではない」ということです。まずは、「自社がどこに向かいたいのか、何を達成したいのか」を明確にすることです。それはAIに限らず、明確な目標がなければ、いくら高機能なソリューションを導入しても効果的に活用することはできません。実際に、導入前の目標設定と設計がうまくできておらず、実行段階でプランとの乖離やトラブルが発生するといったケースも少なくありません。
アドビプロフェッショナルサービスは、そうしたリスクを低減するため、RFP(提案依頼書)作成の段階から伴走し、実現可能なプランをともに考え、実行に移すための支援を行っています。「設計から実行までを一貫して提供できる体制」を最大の強みとし、これからもデジタル変革を目指す企業の成長に貢献するべく、高品質なサービスを提供していきます。