Adobe Experience PlatformのAIアシスタントで運用インサイトを獲得
Adobe Experience PlatformのAIアシスタントは、Adobe Real-Time CDP、Adobe Customer Journey Analytics、Adobe Journey Optimizerなど、Adobe Experience Cloudのアプリケーションにおける作業方法を再定義する生成AIツールです。
AIアシスタントでクエリを実行する場合、ユーザーは製品知識と運用インサイトという2種類の質問を考慮する必要があります。製品知識とは、製品の使用方法、チュートリアルなど、アドビのドキュメントに基づいた概念やトピックを指します。一方、運用インサイトとは、顧客のサンドボックス内のエンドユーザーまたはアカウントのデータを参照せずに、顧客のオブジェクトのメタデータ(カウント、ルックアップ、リネージの影響など)について、AIアシスタントが生成する回答を指します。
AIアシスタント内でユーザーが質問することができる、運用インサイトに関する質問の例を、次に示します。
- データセットはいくつありますか?
- 一度も使用されたことのないスキーマ属性はいくつありますか?
- アクティベートされたオーディエンスはどれですか?
- 重複しているオーディエンスを表示してください
運用インサイトについてAIアシスタントに質問する機能は、2025年2月18日より、Adobe Real-Time CDPおよびAdobe Journey Optimizerをお使いのすべてのお客様がご利用いただけます。
AIアシスタントの運用インサイトの利点
AIアシスタントが提供する運用インサイトは、マーケティングオペレーション、データ、ITなど、企業全体の様々な部門の生産性を向上するのに役立ちます。マーケティングオペレーションチームは、オーディエンスやジャーニーの戦略を最適化するためのインサイトを得ることができます。一方、データエンジニアやアーキテクトは、依存関係を追跡し、価値と影響の分析を実施して、データの健全性を確保できます。AIアシスタントの運用インサイトを活用する具体的なユースケースには、次のようなものがあります。
データ管理
AIアシスタントは、ユーザーがスキーマやデータセットをまたいでデータフローを追跡および監視し、既存のエクスペリエンスデータモデル(XDM)フィールドがどのように利用されているのかをより深く理解するのに役立ちます。AIアシスタントのユーザーは、AIアシスタントを使用してプラットフォーム内のデータを追跡することで、最大1日分の時間を節約できると報告しています。あるユーザーは、「APIを呼び出すことなく、オーディエンスで使用されている属性を見つけることができます」と、あるユーザーは述べています。
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プロンプトの例:
- 「同じスキーマを使用して取り込まれたデータセットはいくつありますか?」
- 「どのオーディエンスでも使用されていないXDMフィールドはいくつありますか?」

オーディエンス管理
AIアシスタントでは、ユーザーはオーディエンスがどこで使用されているのかを把握し、データの健全性を維持して、オーディエンスインベントリの正確性や関連性を確保できます。ユーザーは、AIアシスタントを使用してオーディエンスインベントリを管理するたびに、作業時間を12時間削減できます。「AIアシスタントのおかげで、数千人ものオーディエンスがどこで使用されているのかを簡単に特定できます」と、あるユーザーは述べています。
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プロンプトの例:
- 「定義に基づいて重複するオーディエンスを表示してください」
- 「宛先Xに対してアクティベートされているオーディエンスはどれですか?」

ジャーニー管理
AIアシスタントを使用すれば、アクティブなジャーニー数を追跡し、各ジャーニー内で使用されるオーディエンスを特定して、ジャーニーの健全性を維持できます。ユーザーは、最もよく使用するジャーニーを追跡する際にAIアシスタントを使用すると、作業時間を1日以上節約できると報告しています。「アクティブなジャーニーやライブジャーニーの数など、ジャーニー数に関する実践的な質問は、大いに役立っています」と、あるユーザーは述べています。
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プロンプトの例:
- 「ジャーニーXに対してアクティベートされているオーディエンスはどれですか?」
- 「名前に『テスト』が含まれるジャーニーはありますか?」

AIアシスタントがサポートしている分野の一覧については、このガイドを参照してください。
AIアシスタントの今後の展望
アドビでは、これまで述べてきたユースケースだけでなく、AIアシスタントを様々な分野で活用できるように取り組みを進めています。AIアシスタントは、製品知識、運用インサイト、Adobe Journey OptimizerのAIアシスタントコンテンツアクセラレーターだけでなく、データ分析とビジュアライゼーション、オーディエンス戦略の最適化、ユーザーのカスタマーケアに関する問題の解決にも対応します(近日リリース予定)。これらの新しいユースケースにより、ユーザーは予測分析やレコメンデーションを活用して、ビジネス成果を最適化できるようになります。
AIアシスタントがお客様のビジネスにどのように役立つのかをご案内します。
本記事の執筆にあたり、Rachel Hanessian、Ariel Sultan、Brooke Bellの協力を得ています。
Huong Vuは、Adobe Experience Platformのプロダクトマーケティングマネージャーです。Adobe Experience Platformの革新的な機能を市場に投入し、統合された顧客体験向けソリューションの認知度の向上および導入の促進に注力しています。Huongは、プロダクトおよびブランドマーケティング分野で5年以上の経験を有しています。Northwestern UniversityのKellogg School of ManagementでMBAを取得した後、2024年にアドビに入社しました。
Namita Krishnanは、Adobe Experience Platformのプロダクトマネージャーです。AI機能や対話型体験の構築に注力しています。Namitaは、エンジニアリングと製品管理の分野で6年以上の経験を有しています。University of Chicago Booth School of BusinessでMBAを取得した後、2024年にアドビに入社しました。