Adobe Marketo Engage導入後に行っているマーケティング施策は多岐にわたる。「ニュースレターは毎月1本以上出しています。それ以外に、ウェビナーの実装が2カ月に1回程度、ターゲットメールやイベントのサンクスメールの実装が月1、2回程度、新製品のドキュメントをダウンロードするためのフォームの実装が月に数件あります。また、製品別のエンゲージメントプログラムなども拡充しています」(井上氏)
現在はAdobe Marketo Engage の運用担当として数多くの施策実装や調査、検討をこなす井上氏だが、開発部門から異動した直後は、ツール操作も含めてマーケティングはまったくの未経験だった。知らない用語をその都度webで検索しながら覚えていくところからスタート。そんな井上氏が頼りにしているのが、Adobe Marketo Engage のユーザーコミュニティだ。
「私がコミュニティに参加し始めたのが2022年の6月頃ですが、何も分かっていない自分がこんなことを聞いても良いのかというようなことも、まったく気にせず教えていただけるウェルカムな雰囲気があり、安心しました。また、2020年からのコロナ禍でユーザー会がオンライン化された頃のコンテンツが多数アーカイブされており、それらを端から見て、自分の仕事にあてはめて試行錯誤を繰り返しました」(井上氏)
こうした基盤整備と取り組みの結果、同社のデジタルマーケティングは大きな前進を見せた。まず、メール施策の件数が増え、効率も向上。「Adobe Marketo Engage のダイナミックコンテンツ機能を使い、お客様の属性に合わせた言語でニュースレターを送り、そのリンク先も地域に合わせた6種類のwebサイトに振り分けることが可能になりました。これによって、お客様のメールに対する違和感を減らし、反応を高めることができました」(井上氏)
営業案件の数が前年比約2倍に増加
このような取り組みによって、2023年3月には前年同月比で営業案件の創出数が2倍に増加。井上氏の上司にあたるマーケティング&セールスセンター デジタルマーケティング部 第二グループの重田啓介氏は次のように話す。
「コンテンツを短時間で大量生産できる柔軟性と拡張性が、Adobe Marketo Engage の優れた点だと思います。当社には年間のマーケティングカレンダーがあるのですが、実際にはそこに載ってこないイレギュラーな案件が突発的に発生することが、しばしばあります。そうしたときにも、過去の施策を複製して、微調整すれば新たな施策が実施できるため、少ない人員でも無理なく対応できるようになりました」