勘と根性に頼らない、データ主義に基づく施策で売り上げ拡大を実現

ベルフェイス株式会社

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ベルフェイス株式会社logo

創立

2015年

本社:東京
www.bell-face.com

受注率、売り上げの底上げにつながり、投資対効果も想定以上の水準を達成

導入製品:
Adobe Marketo Engage ›

活用用途:

デジタルマーケティングの最適化、リードナーチャリング、メールマーケティング

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課題

マーケティングによる新規顧客獲得の加速

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成果

メールの開封率が約8%から40~50%に向上

クリック率が2~3%から8~15%へ

営業に特化したweb会議システム「ベルフェイス(bellFace)」を提供するベルフェイス株式会社。働き方改革が進む中、営業生産性を高めるサービスとして注目を集め、導入実績はリリースから4年で1200社超を達成。

セールステックを手掛ける企業として、企業ミッションに掲げる"勘と根性の営業を、テクノロジーで進化させる"を自ら実践し、いかに新規顧客を獲得しているのか。

同社 マーケティンググループ マネージャーの近内 健晃氏、同グループの八木 綾氏に聞いた。

近内氏は、広告代理店や事業会社でマーケティング支援、戦略・戦術立案と実行などに幅広く携わった後、2018年9月に同社に転身。マーケティング部門全体の統括を担う。

八木氏が同社に入社したのは、2019年9月。長く法人営業に従事してきたキャリアとMA(マーケティングオートメーション)を活用したマーケティングに携わった経験を生かし、営業の視点を持ったマーケターとして、コンテンツ作成・配信によるナーチャリングに取り組んでいる。

近内氏は入社時の課題として、大きく2つを挙げる。

1つが2018年9月のAdobe Marketo Engageへの転換前に使用していた他社MAの機能性の限界だ。「見込み顧客層に対し、より細やかなコミュニケーションをしたくても自由度が低い。工数も煩雑で、やりたいことに取り組めていない状況が続いていました」(近内氏)。

2つ目が組織体制。営業担当者がマーケティング業務を兼務で行っていたため、PDCAを回したくても、人的リソースの問題から着手できていない。「これらの課題から、MAが単純なメール配信ツールに陥っていました」と明かす。

そこで、同社ではマーケティングによる新規顧客獲得を加速するべく、近内氏を中心にマーケティングチームを設立。同時にAdobe Marketo Engageへのリプレイスも決定する。

元々Adobe Marketo Engageユーザーであった近内氏は、「様々なツール、データ連携により、やりたいことが実現する自由度の高さがAdobe Marketo Engageの魅力ですね」と言及。見込み顧客の行動に合わせ、細やかなコミュニケーションが実現するのも大きいと指摘する。

データ、事例を丹念に洗い出し、ペルソナ、MQLの再設定からスタート

では、実際にどのように施策を回し、成果を上げていったのか。同社では4つのフェーズに分けて、チームや施策の適正化に取り組んでいったという。

第1フェーズが、「ペルソナの明確化とMQLの基準の模索」だ。"MA=メール配信ツール"という状況を打破するためにも、改めて営業へのヒアリングや、実際の商談への同席、他社類似サービスの導入事例のリサーチなどを行い、ペルソナとカスタマージャーニーを明確化。

見込み顧客が抱えている課題に関する仮説を立て、その課題解決シナリオに沿った事例メールを作成し、週に1回送信。仮説を検証し、MQLの新たな基準の模索につなげていく。

第2フェーズが、「行動ログの分析によるトリガーの見極めとMQLの定義を固めること」。これまでの受注事例から顧客が商談前に行っていた行動サンプルを抽出し、本当に「ベルフェイス(bellFace)」を必要とする見込み顧客が、どのような行動を取っているかを分析した。

「2日間、集中して行動サンプルを分析した結果、再現性が高い行動トリガーを発見。そこからMQLの定義を固めていきました」(近内氏)

第3フェーズとして現在も取り組んでいるのが、「MQLの条件の検証とブラッシュアップ」だ。インサイドセールスチームとも連携し、第2フェーズで得た情報を基に特定の行動を取った人に電話をかけ、実際に商談につながるのか。地道にABテストを行っている。

スピード感を持って、テストを実践するため「Slack」とも連携させ、「設定した条件に該当する行動を取ったリードがAdobe Marketo Engageで検知されると、『Slack』で通知を飛ばしSDRチームが架電。その結果について、SDRチームやセールスから定性的なフィードバックを『Salesforce』などに残してもらい、実際の商談化率、見込み化率、受注率をトラッキングしています。直接ヒアリングすることも多いですね」(近内氏)。

第4フェーズとして進めているのが、19年9月、同社に加わった八木氏によるナーチャリングだ。裾野の広がりにより、ユーザー数が増える一方、オンライン商談やインサイドセールスに馴染みのない見込み顧客も増加。新たな層にアプローチするには「従来の事例メールだけでなく、コンテンツの幅を出す必要がありました」と近内氏。

新たなコンテンツの作成などを通したMQL創出がミッションとなった八木氏。「インサイドセールスの担当者にもヒアリングをしながら、Web商談ツール導入の前段階として、インサイドセールスについて学べるお役立ちコンテンツなども配信しています」と語り、長く法人営業に携わってきた原点に立ち戻り、営業に刺さる内容を工夫しているという。

メールの開封率が40~50%、クリック率が8~15%に上昇

スピード感を持って施策を進めていく上で注力した点として、近内氏はメンバーが楽しみながら取り組める環境作りも大事だという。

例えば、第3フェーズのABテストでは、「当初、サッカー好きなメンバーが多かったので、Jリーグに例えて確実に商談に結びつく行動パターンはJ1、まだ明確でないものはJ2、ダメだったものは降格・圏外と呼ぶなど、ゲーム感覚も取り入れています」と近内氏。

八木氏は、コンテンツの幅を出すべく、部門を超えたコミュニケーションに積極的に取り組んでいるという。

先にも挙げたように、インサイドセールスへのヒアリングも密に実践。インサイドセールスが「ベルフェイス」で実践している商談内容にも耳を傾け、「ベルフェイス」の録画機能を活用した過去の商談のチェックもマメに行っている。

成果としては、第3フェーズの段階で、既に高いパフォーマンスを達成。

メールの開封率が以前のMA時代の約8%から、高い時で40~50%に向上。クリック率も2~3%から8~15%程度まで上昇。体験予約フォームからの商談予約も月数件程度、自動で入ってくる仕組みも構築できている。

結果、受注率、売り上げの底上げにもつながり、「投資対効果も想定以上の水準を達成しています」と近内氏は明かす。

また、第4フェーズの課題だったMQLの数も、八木氏が入社した時点で月300弱だったのが、500超を創出するに至っているという。

時代の変化に合わせ、MQLの定義入れ替えも随時実践

今後の課題としては、見込み顧客層の裾野の広がりによるペルソナ像の変容、それに伴うシナリオの転換、施策の改善をいかに適正に実施していくかなどが挙げられる。

「顧客像に関してはセールスやSDRチームに随時、ヒアリングを続け、MQLの定義の入れ替えにもスピード感を持って取り組んでいます」と近内氏。

八木氏はさらに細やかなセグメントによるメール配信の実践に加え、「SDRチームほか現場の声の裏付けとなる数値データを強化するべく、Adobe Marketo Engageを中心にアナリティクス機能の活用を進めていきたいですね」と語る。

最先端のテクノロジーとセールス視点の融合により、同社が全国でいかにイノベーションを巻き起こすのか、ぜひ注目したい。

2019年12月11日 現在

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