メール施策を改善した結果、サービス改善へと戦略を転換

株式会社ビズリーチ

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株式会社ビズリーチロゴ

創立

2007年

本社:東京
www.bizreach.jp

135%

書類OKユーザー数が135%増

導入製品:

Adobe Marketo Engage

活用用途:

メールマーケティング、リードナーチャリング

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課題

メール施策の改善

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成果

ログインユーザー数が前年比で139%増加

書類OKユーザー数が135%増

新たな課題の発見とプロダクト改善への転換

会社の成長フェーズの変遷とともに、サービスを根本から見直す

国内最大級転職サイト「ビズリーチ」を運営し、人材業界の変革に挑み続ける株式会社ビズリーチ。会員数、利用企業数、業績も好調に推移する中、今、進めている従来のビジネスモデルの"破壊"をもいとわない大胆なマーケティング施策が注目を集めている。

同社がAdobe Marketo Engageを活用したマーケティングへの取り組みをスタートしたのは2015年のこと。企業向けのサービスのBtoBマーケティングで成果を上げ、16年からは求職者向けの活用をスタート。その旗振り役としてチームを率いたのが、同社カスタマー企画部プロダクトマネジメントグループ マネジャーの冨里晋平氏*だ。

「企業によるレジュメ検索数・閲覧数が少ない」「送られてくるスカウトメールの受信数が少ない」といった会員層が抱える課題に着目し、自社のユーザーデータとAdobe Marketo Engageを連携。セグメント別のレジュメ更新・改善のメール施策の実施とプロダクト改善も並行して行い、メール開封率やレジュメ更新者数、スカウト受信・返信数が大幅改善するなど、一定の成果を上げることに成功する。

ここまでの成果としては、月別のログインユーザー数が前年比で139%増加し、月別の書類OKユーザー数(応募して職務経歴書などがOKになった数)も135%増を達成。メール施策も、セグメントの見直し、適正化により、17年4月と比較すると、1人あたりのメール受信通数の半減を実現している。

また、Adobe Marketo Engageを活用したシナリオに沿ったメール送信も実施。全会員向けメルマガの開封率14.6%と比較し、メール平均開封率は37.4%、クリック率も13.4%を達成している。

しかし、同社の成長フェーズの変遷とともに、新たな課題が浮上する。

冨里氏と同じチームでプロダクトに特化したUI/UXのディレクションを担当※する館山 真幸氏は「働き方改革の推進などもあり、会員の裾野が拡大。初めて転職に挑むようなユーザーも増え、転職に慣れないがゆえのミスマッチ、離脱者、退会者などへの対応が求められていました」と指摘。

今こそ、9年間守ってきたものを、時代の変化も見据え、考え直すべきときではないか。そんな問題意識から、ユーザー視点を最優先に、3年を目安とする中期スパンでプロダクトを根本から見直す新たなチャレンジに舵を切る。

3つの方針で、中期的なサービス戦略を描く

具体的な取り組みは大きく3つある。

1つ目がKGIの転換だ。従来のアクティブユーザー数、マッチング数などの数値目標から、既存の会員、顧客の満足度にフォーカスしたNPS(ネット・プロモーター・スコア)の向上をKGIに設定。「NPSと成約率の相関性が、社内のPMメンバーにより数値で明らかにされたこともKGI転換の後押し材料になった」と冨里氏は明かす。

2つ目がサービスのシンプル化だ。ユーザーアンケート、社内のカスタマーサポートや営業メンバーとも連携し、機能、サービスの絞り込みを実施するとともに、ユーザーとのコミュニケーションのリセットも実践。メール施策のセグメントの切り方の再考にも取り組んでいる。

3つ目が組織の再編成だ。マーケティングの企画担当とプロダクトマネジメントの企画担当を1チームで編成。一貫したファネルでエンゲージメント向上に注力している。

また、さらなるNPS向上を目指し、データ分析を強化。複数のマーケティングテクノロジーの連携に向けた取り組みも推進している。

掲げる構想は、すべての顧客データベースを収集・統合し、アクセス分析、BI・分析ツールといったマーケティングツールとの同期、整合性を向上。マーケティング施策に生かすとともに、社内メンバーの生産性向上につなげていく構えだ。

これから誕生する"新生ビズリーチ"が日本の働き方をどう変えていくか。さらなるチャレンジに注目したい。

*取材時の所属部署

2018年4月25日現在

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